「道標を紡ぐ」―ACADEMIC CAMPを終えての反省とこれから

ども!Share Study代表のとしちる@ture_tiru)です。

前回の記事では、Share Study流の教養と称して「学問」をするという行為にある「自他との出会い」をコミュニケーション論的な観点から捉え、「人と知の円環」をShare Studyでは見出そうとしているという話しをしました。

記事:「自他に出会う、発見できるメディアでありたい」―Share Study流の教養

今回でいったん最後の記事として、結びたいと思いますので少し一連の記事を振り返りますと、このように展開してきたのでした。

「βという未完であり続ける」―noteをはじめるにあたって

批評/批判/対話的なコミュニケーション空間を熟成させたい

「人と知の円環を描きたい」―あそび、ゆらぎ、むすぶに込めたもの

「自他に出会う、発見できるメディアでありたい」―Share Study流の教養

Share Studyは「"考え続ける"正しさ」を表現していくからこそ「βという未完であり続ける」こと。「批評/批判/対話的なコミュニケーション空間を熟成」させるために、ことばの持つ理性的/感性的な機能に着目しつつ、時に矛盾し合う、けれど存在している<声>を聴くこと。歴史的・社会的に有限性のある中で、人と知は「あそび、ゆらぎ、むすぶ。」という連続性のある営みであり、それを紡ぐことを目指して「人と知の円環」を可視化させていくこと。「学問」をするという行為主体という自分がいるからこそ、一定の価値観や志向性の中でその営みはなされていることに自覚的になるという意味での「自他との邂逅」が一つの教養のあり方であること。

大まかにまとめると、以上のようなことをさまざまな角度から「問いかける」ことを目的にShare Studyなるメディアを運営してきました。

こうした前提もありながら、昨年度末に行ったのが「これからの大学を考えるACADEMIC CAMP!」となります。ACADEMIC CAMPとは、夏に行ったクラウドファンディングにて日本全国を巡るための資金調達を行い、「学問×地域×教育」の観点から「これからの大学を考える」ための仲間を集め行ったイベントです。開催に至った経緯についてや内容については下記リンクにまとめています。

リンク①:これからの大学を考えるため、47都道府県を巡って学び合う仲間を集める旅に出たい!

リンク②:これからの大学(学問×地域×教育)を考える、ACADEMIC CAMP開催!

結論を言うと、主催者としては当初思い描いていたことの2割ほどしか達成できなく"失敗"だったと考えていますが、参加者の一部の人からは刺激的な場であり、次への行動につながる良い機会となったという声も頂きました。

一部の声をあげます。

普段全く関わることのないような人と共通の議題を話すことができ、こういった場の存在価値や必要性を感じました。もっと多くの人に知って欲しいし、参加してみてもらいたいと思いました。
それぞれ積極的な取り組みを実践しており、ほとんど全てが参考になりました。また、参加者のマインドセットも非常に高いレベルでこれから大学生活を送る上で触発されました。
答えが出なくてよかったと思っています。たかだか2日間で見つかる(そう錯覚してしまう)答えなんて幻想に過ぎなくて、でもこのテのプログラムやるとなんだかスッキリ終わっちゃうこと多いんで。今後も運営のみなさんはケアし続けたりめちゃくちゃ大変だと思いますけど、僕もできる限り想い乗せていきます。これからもよろしくお願いします。

イベントでは、WS1で「これまでの大学」を考え、WS2では「これからの大学」を想像するというステップを踏みました。WS2で出てきたアイディアは多々あるのですが、その一つに日曜研究大学院大学というものがあります。下記は提案者からの声です。

ふと口にした日曜研究大学院大学のアイデアが意外にも受けたので、自分の方向性に確信が持てたかと思います。私にとってはAcademic Camp は「はじまり」というより「確信」のステージだった気がします。これ以前のAcademic Party などでいろいろ「はじまってた」気がします。

良いコメントもありますが、中には別の意見も当然ありました。

とてもモヤモヤして終わりました。
いい意味でも悪い意味でも。
自分と考えが違う人がたくさんいて面白かった反面、視野をもっと広げないとダメだなとも思いました。
イベントの目的はこれからの大学を考えることでしたが、実は僕の目的は、◯◯という閉ざされた自分の世界を抜け出していろんな人の考えに触れ、いろんな人と交流を持ち、自分を活性化することにありました。目的は無事に達成できたので、運営面について思ったことを言います。第一にマンパワーが偏り過ぎです。全国から人を集めるのに、1人でアンバサダーとコミュニケーションを取るのは正直無理があったと思います。(強調筆者)

そうなのです。端的にマンパワーが主催者である僕一人に偏ってしまったことが大きな問題でした。

もちろん、はじめから何もかも一人でやるなどと考えていなかったでしたし、そうしないためのクラウドファンディングを通じた全国行脚でした。が、途中で起きたさまざまな事案で、結果的にはほぼ一人で動かざるを得ない状況となってしまったのが"失敗"した大きな要因だと思います。

「大学」という自体を取り巻く昨今の状況はとても厳しく、そうしたことをただ単なる主張として叫ぶのではなく、しっかりと考えるためにも、各地域や大学関係者とコミュニケーションを繰り返しながら、徐々に徐々に何がどのように問題で、どのように少しずつでも対処できるのか、ということを共有していくようにしたかったんです。

しかし、学び合いを深める仕組みを上手くつくることができなかった、これが根本的に主催者として、Share Study代表として直面した問題でした。

また、自分自身が"学生"ということもあり、また単純に能力不足なこともあり、どうしても学生以上の人々をうまく巻き込めなかったことも反省点としてあります。若さゆえのエネルギーを持っているのは強みではありますが、仕組みを構築していくには一定のマンパワーとお金、そしてそれを上手に使いこなせる経験を持つ人が必要です。

そして、そのような人を巻き込むには、「大学」というものを対象としている以上、何よりも僕自身がしっかりと勉学・研究においても立ち位置をより明確に示すことが必要だと思い至りました。

今回、2020年度に向けて教育改革を前に、僕自身が大学生としての活動を終えるその前に(研究に従事する院進前という意味)、「"今ここ"で動くことが最良だ!」という判断から行動したのがACADEMIC CAMPでしたが、描いているスケールは大きいわりに考案から実行まで、短期間でさまざまな人を巻き込んで行うことの無理がどうしても出てしまったのだと思います。

…反省を挙げだすとキリがありませんが、手応えを感じたのも確かです!

さて、ACADEMIC CAMPを終えてさまざまな反省もある中で、今、大まかに考えていることを書いてみます。

クラウドファンディングで当初掲げていた地域におけるネットワークの構成について。地域におけるネットワークを構築するためにも、なんであれ大学におけるネットワークの基盤があることが必要なのかもしれません。

参考:サイエンス・コミュニケーションを学校で行うということ一学びのネットワーク化とローカル化一(科学教育研究 vol.31 No. 4、吉岡;2007)

残念ながら、今現在の大学にはさまざまな改革や予算カットに人口減少といった荒波に飲まれて、そうしたネットワーク基盤をつくるための体力を持っている人はほとんどいなさそうです。

そこで、Share Studyなりの理念や目標を持った活動が何をもってできるか考えますと、現実的には大学入試改革や高等学校学習指導要領の改定に伴う「総合的な学習の時間」から「総合的な探究の時間」への移行といった高大接続に絡めていくといいのではないか、と考えてきています。

これまで「スーパーサイエンスハイスクール(文部科学省が科学技術や理科・数学教育を重点的に行う高校を指定する制度)」で、研究に向けた探究活動が実施されていました。それを、単に教育という側面からではなく、サイエンスコミュニケーションの実践例として上手くいっている事例などを調査し、「学問の可視化」を図るという案です。

新たに導入される「総合的な探究の時間」は必ずしも、研究活動を行うというものではありません。ですが、現実的な大学入試改革と相まることや、人文社会科学に対する「6.8通知」を発端とした議論の中で、理学や工学といった学問分野をまたいだ総合的な政策の必要性が高まっていることからも、周りの「大人」たちが以前にも増して動きを強めることはまず間違いないでしょう。

どのような形を取れるかはまだまだ検討しなければならないことだらけですが、飛び回って考え続けてきたことを、地に足をおろせる地点にはなり得るのではないかと思います。

こうした高大接続を取り巻く実情を追いながら、学術の動向を探りつつ、ACADEMIC CAMPをはじめとして関わりを持つことができた人々と、少しずつ、地盤をつくっていくためのプラットフォームとして、改めてShare Studyを「β」として位置づけていきたいと考えています。

長くなってしまいましたが、Share Studyの発足、ACADEMIC CAMPの実施から、考えてきたことをまとめました。しかし、本当に先の長い大きな話しですし、当然僕一人でどうのこうのできるものではありません。

ですが、何よりもこうした活動の軌跡を少しずつでもアーカイブしていくことで、次への道標になるのではないか。そう考えています。

そういった意味では、Share Studyは決して派手な自己主張をするためだけのメディアではありませんし、単に情報を集めるだけのメディアでもありません。言うなれば、知と人が息づく媒介でありたいと願っています。

「人と知の円環」をつむぐためにも、まずは研究や調査に専念し、実態を探っていきます!そうしたShare Studyの活動を応援して頂けると幸いです。学問との出会いから生まれる"驚き"をもっと伝えていけるようにも、精進していきます。

では、ここまで読んで頂きありがとうございました!

最後になりますが、ACADEMIC CAMPの来てくださった皆さん、クラウドファンディングで支援してくださった方々、全国を巡る中でさまざまな話しを紡いでくださった皆様、本当にありがとうございました!

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—あそび、ゆらぎ、むすぶ。—
Share Study β 青山 俊之
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Share Studyが描く「人と知のコミュニケーション」を成り立たせている、編集長としちるの思想についてまとめています。未完。
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