2017年上半期ベストアルバム

 2017年上半期の好きだったアルバムを順不同で10枚選びました。各アルバムに対するコメントはツイッターに書いた感想をコピペしたものです。

 ○Don't Give up on Love/Don Bryant

 ドン・ブライアント「ドント・ギブアップ・オン・ラヴ」48年ぶりに出された2ndアルバムだそうで。にも関わらず声は全く衰えておらずソウルフルそのもの。チャールズ・ホッジス、ハワード・グライムスらによるバッキングも完璧なハイサウンド。今の時代にこんなサザンソウルが聴けるとは。感無量。

 ○Americana/Ray Davies

 レイ・デイヴィスのアメリカーナは久々のオリジナル新曲アルバムながらレイのソングライティング力はまたピーク来てんじゃないかって程の充実ぶりだ。更にジェイホークスが米国ロック特有の豊かさを携えた演奏と美しいコーラスでサポートしてんだから良いに決まってる。全曲名曲の今年屈指の名盤。

 ○Cuidado Madame/Arto Lindsay 

 アート・リンゼイ久々のソロアルバム「ケアフル・マダム」最高だな。今回バイーアのパーカッション組がとても重要な役割担ってるのと、還暦超えてなお妖艶さ漂うアートのVoとのマッチ感はこれまでずっと追求してきたアート流ブラジル音楽ここに極まれりといった印象。早くも今年ベスト候補か?

 バイーアのリズムはルーツであるアフリカまで想起させられるし、超重量級のメルヴィン・ギブスのベース、ロングトーンが効果的なマイク・キングのオルガン、そしてアートのノイズギターのアンサンブルのかっこいいことよ。こういう音楽にこそオルタナティブって形容を使いたいもんだね。

 ○O Corpo De Dentro/Lourenco Rebetez

 アート・リンゼイがプロデュースしたロウレンソ・ヘベッチス「オ・コルポ・ヂ・デントロ」は「ケアフル・マダム」同様にバイーアのパーカスを大胆に用いつつ現代ジャズ、ヒップホップ的なリズムを用いることでルーツのアフリカ~シカゴのポストロック辺りまで越境してくようなスリルもあって素晴らしい。

 ○The New Breed/Jeff Parker

 ジェフ・パーカー「The New Breed」凄く良いな。モタっとしながら跳ねるようなジャマイア・ウィリアムスのドラムとポール・ブライアンのベースは現代ジャズとの同時代性を感じさせつつ親しみやすいメロディと映像喚起力あるのがまた好き。トータス周辺はまだまだ刺激的な音が出て来るね。

 ○Future Standards/Howe Gelb

 ハウ・ゲルブはこの「Future standards」で初めてちゃんと聴いて凄く好きだった。基本ピアノ(一部エレピ、オルガン)、ベース、ドラムを必要最小限まで削ぎ落としたアンサンブルでハウの渋い歌を聴かせる。確かにルー・リードにも似てるけどピアノも上手いしジャズとしても秀逸。

 ○Binary/Ani Difranco

 アーニー・ディフランコ待望のニューアルバム「Binary」一通り聴いた。近年はニューオーリンズに在住しネヴィル兄弟と共演したりして彼女流のファンクは更に磨きがかかってて、本作はその最新かつ最良の成果で最高にかっこいい。①にはメイシオ・パーカーが参加。ミックスはチャド・ブレイク。

 ○Sad Clowns & Hillbillies/John Mellencamp

 ジョン・メレンキャンプがカーリーン・カーターをフィーチャーしたSad Clowns & Hillbilliesはここ数作続いたTボーン・バーネットとは袂を分かちセルフプロデュースとなってるけど路線は変わらずのアメリカーナ。ただ渋い中にも多少のポップさが戻ってきてこれは嬉しい。

 ○Got Soul/Robert Randolph & The Family Band

 ロバート・ランドルフ「Got Soul」こりゃ良い。基本ディストーションかけたペダルスティールを豪快なスライドで聴かせるブルースロック+ニューオリンズ~ハワイアンまで取り込む広い音楽性はタジ・マハール辺りに近いと思う。エリック・ゲイルズ、デリック・ホッジほかのバッキングも鉄壁。

 ○American Band/Drive-By Truckers

 Drive-By Truckers「American Band」 96年結成のこのバンド知ったのは去年出た本盤から。このタイトル、このジャケから想起される音が聴けた時の嬉しいこと。ポストアンクルテュペロ世代になるのかな?如何にもロックに拘り続けて地道にツアー重ねてきたような音だ。