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僕たちの補聴器が遠隔地医療を変えるかもしれない


やばい。


これ、絶対、怒られる。


ある日、会社に1本の電話がかかってきた。

「シャープが発売している補聴器『メディカルリスニングプラグ』のご担当者はいらっしゃいますか?」

お客さまからの電話が、営業担当の僕のところに回ってきた。

電話をかけてきた相手はお医者さんだ。難聴診療のエキスパートで、専門の先生の間でもよく知られるドクターだった。わざわざ電話をいただくなんて…これは、やばい。

僕は思った。これ、絶対、怒られるやつだ。



お医者さんからの1本の電話


なぜ僕は、怒られると思ったのか。

それはメディカルリスニングプラグが「対面フィッティング」ではなく、「完全オンラインフィッティング」を可能にした、業界の常識破りの製品だからだ。

耳あな型補聴器「メディカルリスニングプラグ」

従来の補聴器は、購入前後に何度も販売店を訪れて、「対面」でフィッティングとよばれる調整を行う。

僕らの補聴器は、販売からフィッティング、アフターサービスまで「オンライン」主流で行う。

でも、いろいろな事情で補聴器の店に行けなくて困っている方たちは、確実にいる。その方たちに向けて「オンライン」という解決方法を提示したい。ただそれだけのシンプルな理由なのだが、業界ではちょっと浮いている。

で、電話をかけてきた神﨑先生にも「きっと怒られる」と思ったのだ。

神﨑 晶先生は、国立病院機構東京医療センター 聴覚障害研究室の室長だ。

以前は、大学病院で難聴の権威といわれる先生に師事。
さらには、アメリカにある難聴領域で世界的に有名な大学に留学までして鍛え上げた筋金入り。
日本聴覚医学会が編集した「耳鳴診療ガイドライン」執筆者の一人としても名を連ねる。診療ガイドラインというのは、お医者さんにとっての教科書のようなものだ。
今は、患者さんを対象にした臨床研究や実験室での基礎研究に加え、病院で患者さんの診察も行っている。

そんな輝かしい経歴の方なので、てっきり「補聴器のオンラインフィッティングなんて許せん!」的なお叱りの電話かと思い、恐る恐る電話に出てみたら……。

あれ? 
想像していたのと様子が違う。

「メディカルリスニングプラグについて詳しい話を聞かせてくれませんか?」とおっしゃるではないか。

そこで改めて日を設け、オンライン会議でご説明することになった。


当日、モニターに映った神﨑先生は、優しさが画面からにじみ出していた。僕のプレゼンをニコニコ聞いてもらえる、あの時の神﨑先生の顔を、僕は今でも忘れない。

神﨑先生とのオンライン会議はむちゃくちゃ緊張した


余談だが、僕はシャープのキャリア入社者だ。それまで医療機器メーカーが取り扱う薬のMRやマーケティングをしていた。

MRとは、ドクターや薬剤師など医療従事者の方に、医薬品情報を提供する専門家のこと。

その経験を買われ、メディカルリスニングプラグの販売と販路開拓を任されている。しかし、医療機関へのアプローチには手が回らず、ずっと先延ばしにしてきた。

だから、いっそう、医療者に興味を持っていただけたことがうれしかったのだ。

神﨑先生は、島しょ部が抱える問題に目を向けられていた。

島しょ部とは、いわゆる島々のこと。離島も、◯◯諸島も、島しょ部だ。

補聴器販売店や耳鼻科医院がない島では、補聴器を購入するにも調整するにも、船や飛行機で島外へ移動することになる。費用がかさむし、必要な時にすぐサポートを受けるのも困難だ。

難聴を放置することは大きなリスクになる。難聴が認知機能の低下に影響するとの報告もある。「聞こえ」を補聴器で補うことで、暮らしの質が改善し、認知症予防にもつながるといわれているのだ。

オンラインで調整できるメディカルリスニングプラグなら、島しょ部における補聴器使用の有効性を立証できるかもしれない。



東京の島に行こうと誘われる

後日、神﨑先生から、僕たちシャープは、「島しょ部での実証研究を共同でやってみませんか?」とお誘いを受けた。返事はもちろん、喜んで参加します、だ。

実証研究の名称は「島民に対する聴力健診ならびにオンライン補聴器による装用効果の検証」。

場所は、東京都利島としま村。
東京から南に約140km、太平洋に浮かぶ小さな島だ。

島には医師と看護師のいる診療所が1つ。年に1度、耳鼻咽喉科の医師が来島する。

実証研究の目的は、島で暮らす軽度・中等度難聴者の方にメディカルリスニングプラグを半年間使用していただき、オンラインフィッティングの効果、言葉の聞き取りと認知機能の評価を明らかにすることだった。



メンバーは医療者と島民と僕たちシャープ

同じ船に乗り込んでゴールを目指す団体・メンバーも、素晴らしい方たちが集まった。

■船長
実証研究のキャプテンとなる研究責任医師は、国立病院機構東京医療センターの神﨑先生が務める。
■機関士
助っ人として、東京の病院から言語聴覚士の方が参加する。
■航海士
島民の方々をサポートしてくれるのは、利島としま村役場のEさん、利島としま村社会福祉協議会のMさんだ。この方たちのご協力なくして実証研究は成立しない、といっても過言ではない!
感謝をこめて「役場さん」「社協さん」と呼ばせていただく。
■通信士
シャープからは、僕と課長。僕と課長は、事業立ち上げ時から苦労を共にしてきた戦友のようなものだ。ここでは上下関係不問とし、名前の一字をとって「タカさん」と呼ぼう。

余談だが、役場さんと社協さんは移住者だ。利島は、20〜40代の約84%がIターンの移住者で(令和2年1月時点)、子どもも多い。

役場のEさんと社協のMさんお二人は仕事柄、人口約300人の島民の方々を本当によくご存じである。顔を見ただけで、「◯◯さん!」とすぐさま名前を呼んでいた。恐るべし記憶力。

この最強メンバーで、2023年6月、メディカルリスニングプラグを活用した島しょ部における難聴者支援の実証研究を行うことになった。

5月にキックオフミーティングがオンラインで開かれ、主要メンバーが初めて顔合わせをした。

なぜだ。おかしい。6月に実施するのに、キックオフが5月とは……。

実証研究を急いだのには理由がある。天候だ。太平洋に浮かぶ利島は断崖絶壁に囲まれていて、強風で海が荒れると船が欠航する。ヘリコプターも飛ばない。確実に実証研究を行うには、なんとしてでも梅雨や台風シーズンが来る前に島へ渡る必要があった。

準備に忙殺されて、その頃の記憶はほとんどない。僕は、目の前に広がる可能性に向かって突き進んでいた。

医療機器であるメディカルリスニングプラグは、遠隔地医療における一つの選択肢になり得るかもしれない。

医療機器の世界は、最初に患者さんがいて、患者さんを診るドクターや医療従事者の方々がいて、その方たちを医療機器で支えていく仕組みになっている。

この実証研究なら、島の方たち、医療者の方たち、医療機器メーカーの僕たちが一緒に、一つの目標に向かって進んでいける。



ついに実証研究の日がやってきた


40個の補聴器が詰まった2つのスーツケースを引きずりながら、東京・竹芝港を出発し、高速船で約2時間20分。

利島としまに到着した。

40個の補聴器が入ったキャリーを引きずるタカさん(左)と僕(右)

島は美しい円錐形をしていて、島全体が椿林に覆われているそうだ。その本数は約20万本。冬になると島中に椿の花が咲き誇るらしい。でも今は初夏。島は緑に包まれていた。

船を降りると、港には社協さんが迎えに来てくれていた。

社協のMさん。本当にお世話になりっぱなしです!

社協さんのアテンドで、会場となる地域交流会館へ向かう。
3日間の日程のうち、初日は準備と社協セミナー、2・3日目が実証研究だ。 

立派な地域交流会館


日が暮れて社協セミナーの開始時間が近づくと、島の人たちが続々と集まってくる。

役場さんと社協さんはもちろん、島の人たち同士も全員が顔見知りのようだった。利島としま村の村長さんも来られて、みんなでにぎやかに話している。聞こえてくる会話では、実証研究への参加をまだ迷っている方もいるようだった。


耳の健康と認知機能をテーマとしたセミナーが始まった。

神﨑先生は、なぜこの実証研究を行うことにしたか、さまざまなデータを用いて説明された。

■研究背景

・難聴を放置することは認知機能の維持にとって最大のリスクである
・難聴は自分では気づきにくい
・中等度難聴で自覚がない方ほど認知機能が悪い 等

実証研究の目的

耳鼻咽喉科医や補聴器店が常在しない地域(島)における聴力健診の有効性と補聴器(オンラインで調整可能)を使用した際の言葉の聞き取りと認知機能の評価について検証する。

そして、僕の出番がきた。

シャープが通信技術を活かして補聴器のメディカルリスニングプラグをつくったこと。

その背景には、日本では約10人に1人が難聴を抱えているという事実があること。

コロナの感染流行で聞こえづらさを感じている人が約1.5倍に増加し、50代では5人に1人がそう感じていること。

一般的な補聴器は高額で、調整のために何度も店舗に通う必要がある。メディカルリスニングプラグは約1/3の価格で、購入から調整まで全てオンラインで行えること。

実証研究では、聴力チェックなどの初回フィッティングを、僕たちシャープがサポート。半年の間にご質問があれば、サービスセンターに直接ご連絡いただいても、社協さん経由でご相談いただいても対応できること。

実証研究に参加されることになったら、半年間、無料でメディカルリスニングプラグと、希望者にはスマホを貸し出す。

補聴器が耳から落ちるんじゃないかと心配される方のために、服の襟などに留めるクリップも持参した。


懸命に説明する僕を、島の人たちは優しい表情で見守ってくれて、常日頃、仕事の荒波にさらされている僕の心もじんわりと温まっていく。


「僕たちが皆さんの聞こえ方に合わせた音を丁寧におつくりします」

明日からの実証研究には、どれぐらいの人が参加してくれるだろうと思っていたが、そんな心配も無用だった。

ご自分の聞こえに関心を持たれた方が次々と健診に申し込んでくださったのだ。

後で、島の人から聞いた話だが、セミナーの参加人数は普段より多かったらしい。それだけでも島に来た甲斐があったというものだ。

 

実証研究

2日目、3日目は実証研究を行った。オペレーションは、会場の混み具合によって多少順序が入れ替わることもあるが、次のような方法で進めた。

■方法
1. 鼓膜に異常がないか確認する
2. 認知機能を検査する。聞こえ方についてもお聞きする
3. アプリで聴力検査をする。(防音施設がない環境でも大丈夫)
4. 1〜3の結果から診断をお伝えする
5. メディカルリスニングプラグをフィッティングする※
6. メディカルリスニングプラグを装用した状態で耳の聞こえを検査する
※軽度・中等度難聴で認知機能検査の結果が一定以上の方


僕たちシャープは建物奥の座敷に陣取った。床の間の前にスーツケースを広げ、座卓の上に機器や説明資料をずらりと並べ、座布団を敷いて来客を待つ。

対象者が部屋に来られたら、スマホにアプリをダウンロードして、アプリで聴力チェックを行う。スマホ操作が苦手な方もいらっしゃるので、そこは僕がお手伝いする。

聴力チェックが終わったら、データをすぐにサービスセンターへ送信。センターには実証研究のためにフィッターが待機していて、対象者に合わせた聞こえのデータを作成し、直ちに送り返してくる。センターとの連携はタカさんの役目だ。

センターからデータが届いたらメディカルリスニングプラグに登録。聞こえ具合を確認する。


誠に良いなぁ!たいしたもんだ


ご来室された方の中に、高齢の男性がいらっしゃった。

事前の「聞こえ方についての質問」に答える様子を拝見していたのだが、付き添いで来られたご親族の反応が印象に残っている。

「聞こえの問題で集まりや会合に出るのをためらいますか?」と問われた男性が「はい」と答えると、そのご親族が「えっ!」と驚かれていたのだ。

男性は高齢ながら足腰も受け答えもシャキシャキされていたので、内心そんな思いをしていらっしゃるとはご親族は思いもよらなかったのだろう。

その男性に、聞こえ方を調整したメディカルリスニングプラグを装着していただき、「どうですか?」と話しかける。

第一声は

「声が大きいなぁ!」

誰にも言われたことはないが、僕の声はソフトで優しいと思っている。
男性に話しかける声の大きさは、最初から同じ。
メディカルリスニングプラグの音量設定は、7割程度。
それでも補聴器を使用した状態で聞く相手の声が「大きい」と感じるのは、それだけ「聞こえ」の力が落ちていらっしゃったのだろう。

久々に音がよく聞こえるようになった男性は、会場からの帰り際、こうおっしゃってくださった。

「最初は音が大きいと思ったけど、誠に良いなぁ。これから、この調子で音がよく聞こえるんだったら、たいしたもんだ!」

参加者の中には、ご自分では「耳が聞こえにくい」と思っていたのに、検査してみると問題がなかった方もいた。

「妻は鳥の声がよく聞こえるのに、私には聞こえない」と話される方もいた。通常、フィッティングする時は人との会話に重点を置いて調整する。自然豊かな利島では、鳥の鳴き声も日常の大切な楽しみなのだろう。


実証研究メンバー全員で学生時代ぶりに円陣を組んだ


社会的孤立がない憧れの島

この実証研究は、島民の方々のご協力なしには成り立たない。そんな島の人たちと3日間接して、僕は少し驚いていた。

耳が聞こえにくい、と集まってくださった方々に、役場さんや社協さんたちは寄り添いながら、都会なら少し無遠慮に思われるぐらい親密に話しかけている。その様子に驚いたのだ。

難聴の問題は、人と人とのコミュニケーションの問題につながっている。

けれども、利島としまの人たちの触れ合いの中には、耳が聞こえにくくても、都会で感じるような変な緊張感がない。お互いに信頼しているからか、無防備で、変な遠慮もない。

少しぐらい耳が聞こえにくくても孤立しない。

社会的孤立がない島。

耳鼻科や補聴器販売店はなくても、島のコミュニティがもつ精神的豊かさに都会は太刀打ちできないだろう。

このコミュニケーションを絶やさないよう、メディカルリスニングプラグが少しでもお役に立てれば本望だ。

 

なぜ僕が医療系の道に進んだのか

前段では、まるで僕が都会生まれかのように書いたが、僕は利島としまのような緑豊かな場所で育った。

病院が少なく、お医者さんは遠隔地医療に力を入れている大学から派遣されていた。

そんな場所で育った僕は、いつしか医療系の進路を志すようになった。

影響を受けたと思う理由が2つある。薬害被害に遭い闘っている友人がいたこと。お母さんをがんで亡くして苦しむ友人がいたこと。近くにいても何もできない自分の無力さに嫌気がさして、医療系を志したような気がする。

動物が好きだったので獣医学部への進学も考えたが、そもそも僕はめちゃめちゃ猫アレルギーだ。猫はあきらめて、次に興味があった文学を選んだ。

文学に寄り道はしたものの、大学卒業後は世界的な医療機器・製薬メーカーに入社した。配属先は人事総務部だった。ところが、回覧が回ってきても、よく見もしないで秒で横の人に渡すザルっぷり。内勤はとことん向いていない。

内よりも外がいい。僕は医療現場を知りたかった。その念願叶い、MRの部署へ移動。医薬品の情報を医療従事者へ提供する仕事に就いた。

その後、心臓カテーテルの名医とのご縁で、別の医療機器メーカーへ。新事業の立ち上げや営業推進に関わった。

最初の会社でも二番目の会社でも、僕は自分で言うのもなんだが、かなりの営業成績を上げていた。成績が良かった理由は、仕事に真剣に向かい合う僕に対し、医療従事者の方々が真剣に応えてくださったからだ。あの頃に出会った医療従事者の方々には今も感謝が尽きない。

だが僕は毎日、ケンカしていた。
考えが合わない上司と、365日、ケンカしていた。

その頃の僕はがむしゃらだった。当時、他社の薬で重い副作用が発生。僕らが取り扱っていた薬が理論上安全だとわかり始め、患者さんのために自社製品を何が何でも普及させなくては、と必死だった。

納得できないことがあれば引き下がらなかった。営業成績を盾にイキり散らかしている若造だった。ただ、医療従事者の方々との出会いに恵まれていただけだったのに。

今となっては本当に恥ずかしい。過去に戻れるなら、生意気だった自分を絞め殺してやりたい。


自分の能力不足を補うために、働きながら自腹で経営大学院にも通っていた。

医療情報を発信する医療系NPOの立ち上げにも関わった。

必要な医療情報が広がっていないせいで手遅れになるケースをなんとかしたいと、もがいていた。

病院を舞台にした漫画制作に、医療メーカー監修の立場で参加したのも、この頃だ。経営大学院での学びをヒントに、メジャーバンドとのコラボも実現した。漫画は爆発的にヒットし、ドラマになり、映画になり、医療情報が一般の人たちに広がっていく様子を目の当たりにした。

こうして、あらゆることを同時進行し、MBAも取得したが、人間は睡眠時間を極限まで削ってはいけない。ついに過労で倒れ、会社を辞めることになる。

僕はようやくスローダウンした。

ある時、アメリカの大学院にいる友人に誘われ、障がいのある人たちに向けた特別支援教育の授業や活動調査を見学。そこで、テクノロジーを使って生活を支援できることを知った。

生活の中にテクノロジーが入れば、人の生活はこんなにも変わるんだ!



シャープがデジタルヘルスソリューションの人材を募集していると知った時、僕の心の中にアメリカで見た光景がよぎった。


医療機器の中でも
生活に近い場所にいるシャープのテクノロジーがあれば
独自のポジションが取れるかもしれない。

医療機器メーカーにいた時は、患者さんが劇的に変化する様子に励まされ、これが自分の天職だと信じていた。
一方で、ここまでひどい状態になる前に、なんとかして救えなかったのだろうか、という思いもあった。

僕がいたのは病気を治すシックケアの世界だけれど、その前段階のヘルスケアの世界に行けば、ひょっとしたら悲しむ人を減らせるかもしれない。

シャープの補聴器には、その可能性がある。

僕はシャープに入社した。


シックケアからヘルスケアの世界へ

医療業界とシャープは、真逆だった。

医療業界は、安全性を最優先にせざるを得ないため、当時は石橋をたたいても渡らない業界といわれていた。そんな業界では、僕は組織からちょっと逸脱していたが、シャープに入社すると僕は普通の人だった。

入社してから、事業部の責任者からは「当たり前のことをやっていても売れないんだから、当たり前のことをやるな」と言われた。

びっくりした。
うれしかった。

ここからメディカルリスニングプラグを世に知らしめる、僕とタカさんの奮闘が始まった。

プロジェクトメンバーと身近に接する環境も大きな力になった。

医療機器メーカーにいる時は、開発者の顔なんて見たことがなかった。開発情報を守る必要もあり、開発と営業、お互いを知らないで一生を過ごす社員の方が多いくらいだった。

シャープは開発から製造、販売まで、関わるメンバーみんなでミーティングをする。

開発者たちの熱すぎる想いを延々と聞かされる。

そこまで真剣だったら、僕もやるしかない、と心が動かされる。

最後のフィニッシャーでもある「営業」として全力を尽くそう、という気持ちがふつふつと湧いてくる。



そうして僕は利島としまにやってきた。

医療資源が少ないエリアに、会社の仲間たちがつくってくれたプロダクトとサービスを届け、ど真ん中で課題解決に貢献する。

オンラインフィッティングというテクノロジーを使って、遠隔地医療の新しい景色を描く。

その可能性に立ち会えることが、僕は今、途方もなくうれしいのだ。

ちなみにこのnoteを公開した当日(2023.10.13.)も、僕は利島にいる。


本実証研究にご興味を持たれた自治体の方は、お気軽にご連絡ください。

mlp_contact@sharp.co.jp


・メディカルリスニングプラグの製品ページはこちら

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