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教えていただいたアイドル関連文章まとめ

わかっていたつもりだったが、あらためてアイドルって労働としてめちゃくちゃ大変そう、それを楽しむのであればもう少し業界やら文化背景やらについても知りたい……と思ってツイートをしたら、DMでたくさん教えていただけた。本当にありがとうございます……。

結構量が多くなったこともあり、一通り読むには時間がかかりそうなので、教えていただいたものについてここに一旦まとめておきます。

みなさま、さまざまなレコメンドと掲載の快諾をありがとうございました!

web記事

ガジェット通信「峯岸みなみの『丸刈り動画』についての対話 ――田口ランディ+橘川幸夫」(2013)

PLANETS「私は如何にして執筆するのを止めてアイドルを愛するようになったか――濱野智史が語る『アーキテクチャの生態系』その後(PLANETSアーカイブス)」(2020 ※2015年の内容の再録)

脇田敦「歌のディズニーランド 50周年を前に -「アイドル」にとっての1970年と2011年」(2017)

同上「境界を消失させる「アイドル」という表現。」(2017)

個別にはまだしっかり読んでいないのでなんともだけど、アイドルについて書かれているものに関して、それがどの年代に書かれているかはすごく重要だろうと思った。とくにアイドルの主体性については、ここ数年で感じられ方がぐんと変わっていそうな気がする。

個人ブログ内の特定記事

モリノキツネ「初音ミクは出来ちゃった結婚の夢を見るか?」(2009)

素材としてのアイドルと、それを破壊する身体性の話が中心。同人誌の感想として10年前に書かれたものだけど、ここからの発想次第ではいろいろ考えられそう。例えばここで書かれている「素材化」と「モノ化」では、そこで行われることの想定が多少違いそうだな、とか。

シロクマ「『生身の人間にキャラ萌えする』という事の罪」(2013)

これも2013年に書かれたものなので、その当時と今ではアイドルのあり方も多少変わっているだろうなと思う。ビジネス的に正しければ(=利益が出れば)それでいいのか?ってとこは同意。

「萌えるなら二次元がクリーンだ」については、非実在だから安心して萌えられるというのはあるよねと思う。

これはわたしが二次元と三次元における「人」について、はっきりと異なるものだというラインを引いているからというのもあるが、事実として二次元の創作におけるキャラクターは、こちらがどう解釈しても、「本人が」損なわれたと感じることはない(実在しないから感じることもできない)。だから好き勝手に解釈しやすい。

一方で、二次元への態度が三次元への態度と一切関係がないか、またそのような二次元の創作物が社会や視聴者・読者になんの影響も与えないかと言ったらそんなことはないと思うので、そこでキャラ萌えすることについて「クリーンだ」と言うのはなんか違う感じがする。

今気づいたけど、「萌え」って関係が生まれない前提の言葉っぽい印象がある。そして、「萌え」という言葉で表現するときに、ある種の逃げがある場合も存在する気がする(実際の欲望を的確に表現する単語を、あえて使わず萌えにそらす・萌えに隠すという、感覚と言葉への不誠実さみたいな)。実はその逃げを回避しようとするとガチ恋やリアコ等と言われるルートに入る場合があるのでは、と思ったりした。

もう「萌え」ってほとんど言わないと思うけど、「萌え」と「好き」って包含するものが全然違う言葉だと思う。だから「生身の人間にキャラ萌え」しているのか、「生身の人間を好き」になっているのかは違うような……と思ったりした。極端なことを言えば、生身の人間を好きになるときも、(たしかに解釈をすり合わせる機会は多くなるはずとはいえ)自分の解釈したその対象を好きになっているのは変わりないと思うし、キャラ萌え以外で人を好きになるって難しくない?それは「キャラ萌え」を広義でとりすぎかな。

これらもざっと読んだだけなのでまたしっかりめに読む。

K-POP関連ブログ

K-POP(勝手に)うんちくブログ

韓国からのK-POP日記

韓国からのK-POP日記に関しては、特集記事 : K-POPアイドル系の階級固定化 (上)を教えていただきました。

具体例の妥当性についてはわからないけれども、売れるまでが長い可能性もある、と考えれば、そりゃ既に持ってる資本も影響してくるよなと思った。新アルバムのMVやプロモーションの豪華さから、事務所の体力やかけてる気合いについて言及しているものを見たり自分がそう感じたりするたびに、これは「産業」なんだよなと強く思う。

K-POPについては、K-POPシーンを全体的に追ってる人のブログを読むのが一番今そのときの流れを掴めそう。出される楽曲や起きる物事に、その時期の社会の影響がかなり強く出ている印象を受けるので、この瞬間起きていることについて記述されたものを後から読んでもあまりうまく掴めない、みたいなことが起きそうだなと思いました。まとめたときにさまざまな理由から載せづらい・カットされる情報がありそうな気がするというのもあるけど、とにかく流れが早い……。

とくに、これまで許可もしくは黙認されてきたものがそうじゃなくなるときの変化などは、同期的に追っていかないととてもリアルにはわからなそう。昨日5/8に出た「BTS(防弾少年団)の無許可写真集、最高裁判所が違法性を認める…ついに偽物グッズout」という記事なんかもまさにそうだろうなと思いました(これはニュースサイトの記事だけど)。

個人のブログは個人のブログなので、こういう見方もある、という読み方がよさそう。

Twitter

DJ泡沫さん @djutakata 

K-POPの音楽レビューなどもしている方。全体的にそうなんだけど、とくにファンダムに関してはかなりドライな見方をしているところが貴重だなと思っている。お台箱をめちゃくちゃ読みました。

パク・ヒアさん @muse_at 

パク・ヒアさんはK-POPシーンの当事者へのインタビュー本を出されたりもしているジャーナリスト。個人サイトはこちら。後述する記事で語っていたことがものすごく誠実だと感じたので、これから追っていきたいなと思ってます。

書籍

香月孝史 『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う 』(2014)

同上『乃木坂46のドラマトゥルギー 演じる身体/フィクション/静かな成熟』(2020)

著者の香月さんのnoteはこちら。

全体的にすごくいいな……と思ったのだけど、「このジャンルを捉えるための言葉を少し精緻にする、本書がそのためのきっかけになればいいなと思います」というところに非常にわかりやすく姿勢が示されていると思った。

とくにTwitterのような文字数制限があり流れの早いSNSでは、どうしてもその環境に最適化された表現になってしまい、結果的にざっくりとした見方や表現が増えがちなように思う。それをわたしはすごくもったいないと思っているし、そうするうちにそのような表現しかできなくなることを恐れている(かつ嫌っている)ので、ぜひ読みたいと思う。

このnoteに気づく前に2014年出版のほうを買ったんだけど、乃木坂特有の事象のみにフォーカスというわけではないなら新しいほうから買ってもよかったな……。(乃木坂を全然知らないために後回しにしてしまった)

青土社『ユリイカ 2018年11月号 特集=K-POPスタディーズ ―BTS、TWICE、BLACKPINKから『PRODUCE101』まで…いま〈韓国音楽〉になにが起きているのか』(2018)

そもそもPRODUCE101 JAPANきっかけでK-POPに興味を持ったので、これはとりあえず読む。

金成玟『K-POP 新感覚のメディア』 (2018)

こちらは目次を見る限り、音楽に関する言及が多そう? この本とユリイカは複数「読んだよ〜」という方がいたのでおさえておきたいなと思っています。

論文

なんと、論文を教えてくれた方もいました! 嬉しい。こちらもまだちゃんとは読めてないので、メモ程度に。

吉光正絵「韓国のポピュラー音楽と女性ファン―K-POPアイドルのファン・カフェのマスター調査から―」(2015)

他のアイドルを知らないから比較できないんだけど、K-POPアイドルのファン-アイドル関係はかなり密着している印象を受ける。めちゃくちゃ売れているアイドルでもそうっぽいのが興味深い、でも公の場でのアイドルによるファンへの言及めちゃ多いですもんね。初めて見たときびっくりした。

同上「K-POPブーム期の韓国メディアとファン -「見えるラジオ」の調査結果から-」(2015)

こちらは見えるラジオの話。わたしはまだYouTubeのコンテンツを消化するのにせいいっぱいで、あまりラジオ出演の様子などは見られておらず、よくイメージのできていないカルチャーだが、関係者へのインタビュー調査内容が載っているようなので読んでおきたい。K-POP業界は、アイドルや歌手だけでなく、制作に関わっている人にまで興味が湧くのも面白いところだと思う。

清水暁子「K-POPファンとそのTwitter利用に関する一考察 -D. ムルティとE. ゴフマンの理論を中心に-」(2018)

ここで参考文献に挙げられていた『韓流の社会学 ファンダム,家族,異文化交流』も気になる。そもそもすぎるけど、年上の呼び方やその接し方にもめちゃくちゃ家族にまつわる文化が関係しているだろうし、「かわいい」の対象も家族的に守るべき存在っぽい人が主になっているように感じられるので。

ちょっとずれるけど、K-POPのアイドルに惹かれた理由のひとつに、「同性に魅力を感じている様子を、同性がはっきり表すこと」がある。これはいつからそうなのだろうか、市民間でもそうなのだろうかとかはすごく気になるな。

教えていただいたものは以上です!

わたしが読んだもの

ここで、わたしがこれまで読んでよかったなと思っているwebメディアの記事もいくつか挙げます。

菅原史稀・松本友也「連載:K-POPから生まれる『物語』」

カルチャーメディアCINRAでの連載。書き手の菅原さん・松本さん自身がアイドルのファンでありながら、ファンでない人にもわかるような書き方がなされているので、K-POPに関心がなかったときから興味深く読んでいます。そのように書くのはなかなか大変なことだと思う……。

「実際にアイドルが語ったわけではないが、このように推測できる」といった内容について、「〜のように見える」「〜のように感じられる」のような自分を主語にした表現にしている点もすごく好き。誠実な書き方だと思います。

松本友也「連載:韓国ポップカルチャー訪徨」

こちらも松本さんの連載記事ですが、このKAI-YOUでの連載では韓国文学の話なども書かれています。前述したパク・ヒアさんのことを認識したのもこの連載内の「K-POP業界に必要な変化 現地ジャーナリストが語ったアイドル産業の『裏面』」という記事でした。

これを読んでから、いやそうじゃんね、ファンの課題だけでなく業界や事務所の課題もあるんじゃんねと思い、よりK-POPというフィールドに興味を持つようになりました。有料会員のみが読める記事も多いのですが、初月無料だったのでよければぜひ。

雪代すみれ「少女を消費しないアイドル写真集はあり得る。女性の表象を『消費』することとは」

やっぱりアイドルを見るなら避けて通れないのが感情労働や人間の消費の話だと思います。

この記事では、「消費」って言うけどそれってなんなんだ? というところにも少し言及されているので、そこから考えを広げられそうです。雑に「人間の消費はよくない」「それを言うならアイドル見るな」とするのではなくて、消費って何で、よくないとされているのはどういう消費の仕方で、それはなぜどのようによくないのか、なにかよい解決策はないのか、と細かく分けて考え、話していきたいことだなとわたしは感じます。好きになってしまったのだから、そこにはきちんと向き合っていきたい。


ちょこちょこ感想を挟んでいたら5000字になってしまった……。冒頭でも書いたけれど、情報を得るのは労力がかかることなので、DMをくださって、こうしてまとめて公開することをOKしてくださった方々に感謝します。ありがとうございました!

読んでくださった方で、もし「この文章・情報源もよかったよ〜」などあれば、ぜひ掲載の可否と一緒にコメントやDMなどで教えてください🙌

最後に、わたしの好きなK-POPアイドルグループNU'ESTの、新アルバムのティザーと試聴動画を置いておくので……観て聴いて……ぜひ……かっこいいから……観て……5月11日(月)にリリースです!!!よろしくお願いします!!!

5/11追記:MVとステージ映像も出たからそっちを先に載せますね♡

あんまり埋め込むと重くなるので、ティザー他は文字リンクに変更しておきます。ティザーは1分以内でめちゃくちゃかっこいいものが見られるのでぜひ……(いずれもYouTubeです)。

ティザー1
ティザー2
プレリスニング




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