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2023.5.13 木根尚登 弾き語りツアー2023 ウィンナートーンの風に吹かれて @スタジオOWL

【ネタバレ注意】演奏曲およびトークの内容に触れています。これからツアーに参加する方はご注意ください。

TM NETWORK9年ぶりの新譜『DEVOTION』発売の前におこなわれている、3人それぞれのソロライブ。
小室さんはオーケストラによる『HISTORIA』のアンコール公演。

ウツさんは春恒例の『それゆけ歌酔曲!!』ツアー。

そして木根さんは、アイドル・歌手に提供した楽曲を、全編ピアノで弾き語りして披露する「ウィンナートーンの風に吹かれて」全国ツアー。
演奏予定曲を事前に公開するというのも初の試みとなりました(小室さんの影響…?)。

松山公演の会場・スタジオOWLは、2019年の2626ツアーでもおとずれた場所。
この公演は、CDにもなっていない楽曲の演奏や、自身のルーツをカバー曲でひもといていく「尚登の部屋」コーナーなどが特徴的でした。
TMの再起動について「時が来れば」と言及したのもこのとき。

松山といえば「松山のユウちゃん」。
TMの前身バンド・スピードウェイのメンバーで、その後の3人との交流が『TMN ”RHYTHM RED” ツアー・ドキュメント』や『TMN EXPO STORY』でつづられていました。今回もMCでそのお話が。

「TMで松山に来た時は、必ずユウちゃんと一緒に遊んでました。スピードウェイのメンバーも2人亡くなってしまい、今年はYMOさんも、それからバート・バカラックさんもね…」

「バカラックさんが2015年にロイヤル・アルバート・ホールでやったコンサートがあったんです。日本でいう武道館みたいなとこで。それを見たんですけど、バカラックさんはステージに出てきたらソファに座っていろいろお話をするんですよ。で、バカラックさんが書いた曲をいろんな歌手が次々に出てきて歌って。それを見て『これだ!』って思ったんです。ぼくも70歳くらいになったら、こういうのをやってみたいですね」

この話、今回のツアーは歌もピアノも自分ひとりで大変で…という話からはじまったもので、
 ・負担を減らすためにギタリストとピアニストを連れていきたい
→・できれば歌う人も一緒に連れていきたい
→・ぼくは端っこのほうで拍手。あとMC。
…という「もしもこんな木根尚登コンサートがあったら」話だったわけですが、ぼくとしてはかなり本気で実現してほしい企画だと思いました。
かつて「ぼくは60歳に賭けてる」と還暦ブレイクを予言していた木根さんですが、実際ここ数年―60歳を過ぎて以降の木根さんの活動がおもしろくなっていますし、案外ほんとうにできそうな気もしています。

木根「だって、僕は自分がね、60歳に賭けてんですよ」
小室「なるほど」
宇都宮「60?」
小室「60でブレイクをしようっていう」
宇都宮「ブレイク?」
木根「そう。ブレイクしようかなって」

『TK MUSIC CLAMP』1996.3.13 O.A.

スピードウェイの話から、高校時代に学校の先輩から「レッド・ツェッペリンの『天国への階段』のキーボードを弾いてくれ」と頼まれた思い出、そしてスピードウェイ〜TM結成前後の木根さんが購入していたさまざまなキーボード・シンセサイザーについての話も。

「Rhodesのエレピはよく使ってましたね。あとハモンドオルガン。ユーミン(荒井由実)の影響でプロコル・ハルムの『青い影』も好きになりました。そしたら小室くんが『木根、ハモンド貸してよ』って」
「あとはSolinaも買いました。あ、それとKORGのPolysix!月5,000円の月賦で。このPolysixを小室くんが使い倒して作ったのが『1974』と『パノラマジック』。この2曲を入れたカセットテープを小室くんが業界関係者に配りまくって、いろんな人から声がかかったんですよ」
「だから、TM NETWORKは小室哲哉の才能とオレのPolysixから始まったんです!(拍手)…この『ポリシックス』って(Twitterの)トレンドにしたいね(笑)」

とにかく話しだしたらとまらない。
しかも話に出てきた曲をついピアノで弾いて歌おうとするから、さらに話が長くなる。
その話がどれもおもしろい話ばかりなので、ぼくたち観客もノッて聴くものだから、サービス精神旺盛な木根さんはさらに盛り上げる(話が脱線する、とも言う)。
そりゃ開始1時間で演奏曲が5曲というペース配分にもなりますよね…。

開演18時00分、終演20時10分。とっぷりと暮れました。

それでは、ここからは演奏曲ごとにMCのかんたんなメモを添えて。

1. 嵐のち晴れ / 椎名へきる
 (作詞:田中花乃 編曲:湯浅公一、中堅工房)

・ピアノは2月から練習。もうギターでもいいかな…。←脳内の悪魔「そうだよねー」vs 天使「いやいや何事も挑戦だよ」
・ツアー開始。したけど、やっぱりギターでいこうか…。←天使「いやツアー始まっちゃったじゃん」vs 悪魔「突き指しちゃったーとかさあ」

2. あてのない闇 / 宇都宮隆
 (作詞:西尾佐栄子 編曲:浅倉大介)

・浅倉大介アレンジを、どうピアノで演奏するか。←悪魔「どうしろっていうんだコレ…」vs 天使「がんばろうよ!」

3. つきのひかり / 寿美菜子
 (作詞:星村麻衣 編曲:上田禎)

・『けいおん!』(琴吹紬役)や『響け!ユーフォニアム』(田中あすか役)の声優さん。「ユー…ユーファ?…ユーフォン?」
・ディレクターさんから「1曲ほしいんですよ、キネバラ」そんな簡単にできないって!

4. あしたの私に会いに来て / 鈴木あみ
 (作詞:小室みつ子 編曲:中堅工房)

・小室哲哉全盛期。ロサンゼルスのスタジオで録音した。R&Bアレンジ。
・人に書いた曲は、帰ってきたときには違う曲。譜割りとか変わってる。そうするとわかんなくなっちゃう。

5. 恋と愛の距離 / 田中裕子
 (作詞:来生えつこ 編曲:カバン屋)

・アルバムのプロデューサーが沢田研二さん。曲を提供したことで、お二人の結婚式の招待状が。「ムリムリムリムリ!人見知りなのに」「一生の記念なんだから行ったほうがいいぞ木根」
・出席したら、テーブルの隣席が吉川晃司くん。1週間前にラジオに出てもらったばかりだから「(木根)ありがとう!」「(吉川)えっ何がですか?」

6. Yesterday Once More / Carpenters
 (バート・バカラック追悼カバー)

・ウツと立川市民会館でコンサートをしたときに「カバーをやろう」ということで、ちょうどこの曲が流行していたのでコピーした。どうやってコピーしたんだろうね…。

7. You are you / 氷川きよし
 (作詞:kii 編曲:清水信之)

・20歳の頃からの知り合い。家にあそびに行ったら、ぼくの「REMEMBER ME?」のシングルを持ってきて「ファンなんです」
・アルバムをプロデュース。大黒摩季さんも一緒にレコーディング。6時までなのに4時までずーっと話しっぱなし。「オレがやろうと言わなきゃいけないのか…」

8. マイ・ドリーム / SKE48 team S
 (作詞:小室哲哉、藤井徹貫 編曲:小室哲哉、わたるスペシャル)

・小室哲哉から間接的に「忙しいだろうからストックをちょうだい」と依頼されて、10曲くらい送ったら6曲くらい採用された。
・難しい…「最後までいったら拍手してね」
・「歌はいいですね。年齢を忘れさせてくれる」

9. 永遠より長いキス / 日置明子
 (作詞:吉元由美 編曲:清水信之)

・初プロデュース。小室哲哉みたいにはなれない…。アルバム全曲がぼくの曲。締切があるけど、そんなに書けない!
・清水信之さんが「この曲アルバムにはもったいないからシングルにしたほうがいいよ」おかげで代表曲みたいになった。

10. 雨が雪に変わった夜に / 浅香唯
 (作詞:麻生圭子 編曲:井上鑑)

・今回は終わりが近づいてくるとホッとする…。
・アレンジは井上鑑さん。「ルビーの指環」のあのイントロが有名ですね(弾く)。「ここ(ピアノの前)で話してるとこうやってすぐ弾いちゃうんだよね。弾けないのに」

11. No Side / 渡辺美里
 (作詞:渡辺美里 編曲:有賀啓雄)
12. さくらの花の咲くころに / 渡辺美里
 (作詞:渡辺美里 編曲:清水信之)

・「こういうテーマなので、歌っている人で曲を選びました。本編最後の2曲は、渡辺美里さんに託しました」

(アンコール)
1. 桜ヶ丘 (Instrumental)

・だんだんうまくなっていくから、できれば東京公演に来ていただいて。
・ピアノにこだわったライブなので、最後はピアノだけで。

というわけで、今回はソングライターとしての木根さんをピックアップする内容のライブでした。
まだセルフカバー音源もない近年の楽曲もあり、とても新鮮な感覚。
最後にもういちど、いつの日かバカラック・スタイルのコンサートが実現しますように。
あと、かなうならば秋のTMツアーも行きたいな…。


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