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アンスクラップ制作の裏側

2022年秋、ボカコレの一週間前のこと。


「ボーカロイドコレクションという催し物があるらしい」と制作仲間に誘われて…。




初めは、ボカロ曲とか普段聴かないしそもそも時間もないしと特に参加するつもりもなく「へぇ〜そんなのもあるんだねぇ」くらいの感じでした。

ところが…
どんなもんなのかといろいろ調べてみると、若い子らを中心にボカロ好きな人たちの間ではずいぶん盛り上がるお祭りだという事がわかり、なんだか楽しそうだな…ってだんだんなってきちゃったわけです。

結局5日前になって、いっぺんやってみるかと思い立って制作を開始しました。



制作期間はたったの5日…。



全くもってノープランだったのでまずテーマを決めねばというところからスタートしました。
今思えば本当に安直すぎたと思っていますが「ボーカロイドだしアンドロイドでいっか」という感じで決定。(マジ適当すぎた。笑)

動画込みの作品を作る必要があったので、曲2日に動画3日とだいたいの制作スケジュールを立てました。(実際には頭の中だけで膨らませるのであっち行ったりこっち行ったりほとんど同時進行のようなものでした。)



制作開始!



まずは曲から。

普段だとまずサビの歌詞とメロを同時に作ることが多いんですが全く浮かばず、時間もないので珍しく完全曲先で制作開始。

時間もないので複雑なことは極力避けて簡単なコード進行のループにしました。
(しかし、これが今時のJ-POPやボカロっぽい曲にならない原因なんですよね。洋楽なんかだと結構普通だったりするんですが…面倒くさがりなのが出てしまいました。)

展開はアレンジでなんとかすればいい!そういう魂胆です。

コード進行が出来たらアレンジと作詞を並行して開始。(ついでに動画のイメージも膨らませつつ…。)


当然楽器はほとんど弾けないので打ち込みがメイン。
ともあれ、まずギターとベースだけはチョロっと録ってそこからピアノドラムを打ち込み。
あとはループ素材とSEを探して探して探して…。


そして同時進行の作詞を書きながら、だんだんと細かな設定を決めていきます。


まず、音楽を聴かせるためのアンドロイドであるという設定にして「サウンドロイド」という単語を勝手に作りました。
サブ設定として世界中を旅して各地の音楽をいろんなところへ広めて回るアンドロイドということに。


次に、頭の中で動画の展開や脚本を大まかに練りながらイメージを膨らませ作詞にも反映していきます。(当初から、動画はボカロ曲っぽく歌詞だけを派手に表示させるものではなく自分の作風に沿ってストーリー仕立てのものにしようと考えてました。)


ちなみに動画を作る時はいつも、特に何もメモしたり順序立てたりせずぶっつけで物語を整えていくスタイルです。
あくまで頭の中で大まかな設定やだいたいの展開を考えるだけで作り始めます。あとは実際に作りながら曲の展開や尺に合わせて思いついたアイデアをどんどんぶち込んでいってちょっとずつ調整していくといった感じ。
効率は悪いと思いますが「めんどくさい…」が勝ってしまうので事前に何か書き起こしたりということは一切できないタイプのダメな人間です。



作詞しながら頭の中でイメージしてた動画の設定と展開はこんな感じ。
⇩ 
設定
・サウンドロイド=音楽を広めるアンドロイド
・親子で旅をしながら音楽を広める
・訪れた土地で新たな音楽データを蓄積する
・活動可能時間が決まっている
・活動限界で停止した親から残された子にデータ転送をして音楽データを増やし続ける
・残された子は新たなサウンドロイドをら自らの手で作り上げ親となって再び親子で旅に出る

展開
・ふざけてばかりの親がついに活動限界を迎える
・親が蓄積してきた音楽データを子が受け取る
・困らされてばかりだったのにいなくなると寂しい
・親の好きだった曲を流す度に思い出す。

こんなところ。



ここまで出来れば歌詞が膨らんでくるのでその後一気に書いてしまいました。



あとはアレンジですが、同時にボカロの打ち込みも開始。
声は以前購入して一度だけ使った事のあったVY1を使用。
調教はほぼやった事ないに等しいのでほとんどせず、アンドロイドっぽさをそのまま出していけばいいかなという作戦で基本そのままにしました。


最後に、探したループ音源やSEをオケに適当に詰め込んで緩急つけて展開作ってアレンジ完了。

適当にMIXしたら曲の出来上がり!



曲ができた時点で2.5日経過してたのですぐ動画に取り掛かりました。



大まかな展開は出来ていたので、まずイメージに合うキャラクターのデザインから始めました。

最初はPCを擬人化したようなものを考えてました。
モニターがあって両サイドにスピーカーあとはキーボードがあって…みたいな。
実際に描き始めるとあまりにもダサかったのでどうしたものかと…。

結局どう頑張って直しても気に入るものにならなかったのでボツにしました。


ボツデザイン…(笑)



次に、たまたま目に入ったモニタースピーカーをモデルに描いたところ上手くいったので採用!
モニタースピーカーから取って「モスピィ」と命名。(この子らは結構気に入ってるので今でもいろんなとこで使ったりしています。)



物語の設定から新型と旧型の2パターンを用意。
あとはそいつらをイメージしていた展開で適当に動画にしていくだけ。




大まかな流れでキャラを動かしながら当てはめて、セリフや文章はその場で詳細の設定をつくりながら書いていきました。

例えば、停止したサウンドロイドの形式番号LS-706STというのは「Long Sleeper 7月6日生まれのsatch」から来ています。笑

そういう諸々の細かい設定を考えながら、セリフや文章を決めて行くという流れです。


機械っぽさを出すためのポイントとなったのは、ひらがなを使わず漢字とカタカナのみを使用したところかなと思います。それだけでずいぶんとロボっぽさが出ました。

あと演出としてブルースクリーンを模したものを作ってみたり、途中に入れたサウンドロイドの仕様解説を高速にして大量の情報量を詰め込んでみたりと思いつくたびに書いて消して移動してを繰り返しました。


そんなこんなで時間いっぱいまで試行錯誤をしてタイムオーバーとなったところで完成となりました。


こんなんでボカコレに出していいのか…?とも思いましたが、出来栄えとしてはまぁ短時間にしてはよくまとまった方かなという事で予定通り参加させていただきました。

ちょっと場違い感はありましたが楽しかったですよ!ボカコレ。

また気が向いたら参加することもあるかもね。


※最後の最後まで迷いましたが、実際にボカコレには倍速にしたものを出しました。YouTubeには元々のオリジナルテンポのバージョンがアップしてあります。


おわり





「現在の活動とそこに至るまで」「これからの活動」を知ってもらえたらと思い駄文を書いております。
オンラインでの共同制作活動も常時メンバー募集しています。

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