第1話 もしかして、異世界?

「もしもーし。お嬢さーん」
「おいおい…この子、生きてるのか?」
「うん、息はしているよ」
「野党にでも襲われたのでしょうか…?」
「それにしては服は綺麗だねぇ」
「でも荷物の類は持っておられないみたいですね」

(んん…?誰かが喋ってる…?)

「気付け薬あったっけな〜」
「全然使ってなかったから、カバンのどこかにあるはずなんだけど」
「よし、これだこれだ〜。さーてこれに火をつけて、と………」

(ん…この匂いは…匂いというか…こ…これは…!!)

「ふんぎゃーッ!!」

    臭くて飛び上がった私を見て、大きく目を見開く3人。

「あははッ!効いたな!!」
「これ本当に臭いわね〜もう起きたんだから、どっかにやってよ」
「こ、この匂いは強烈ですね…」

    私を取り囲むように3人が立っていた。

    1人は赤いハチマキをしたお兄さん。なんか変わった格好している。もう1人は同じハチマキをしたお姉さん。格好も似てる。この2人はまるでゲームに出てくる戦士みたいだ。
    最後の1人は背が低くて…少年?服装は2人とは全然違う格好で…何より目立つのは頭に大きなケモミミのカチューシャしてるところ。
    この3人、何かのコスプレしてるのかな…?

    私の名前は伏木ありす。
    16歳、高校1年生。
    部活はやってないけど、隣町のメイド喫茶でアルバイトをやってるよ。店員は、おとぎ話のキャラに扮してお客様にご奉仕するんだけど、私はこの名前から、採用面接に行ったら即「不思議の国のアリス」のアリス役に抜擢されちゃったんだ。エヘヘ。
    ちなみに今着ている格好は、バイトのアリスの衣装なんだよ。

「コウコウセイ…?」
「メイドキッサ…?」
    不思議がる3人。
「頭を打って記憶がおかしくなっちゃったんでしょうか…?」
「お、おかしくないよ!記憶は確かだよ!ただ…」
「ただ?」
「なんでこんな森の中で寝てたのかは分からない……というか、ここどこ?」

    そう、ここはどこなんだろう?
    この格好しているということは、バイト中に店を抜け出しちゃったのかな?隣町についてはそんなに詳しくはないけど、でもこんな森みたいなところあったかなぁ?お寺とか神社がある…山とか?

「野党か何かに襲われて、連れてこられたけど何かの理由で放置されたってのはどうよ?」
「うーん、その可能性はあるねぇ」
   3人も私について話し合ってる。

    それにしても…
    あの男の子のケモミミ…ぴょこぴょこしてて可愛いな…そしてリアルだ…!

「じゃぁな、リック!」
「神の御祝福があらんことを!」 

   しばらく街に着いて歩いて大きなお店みたいなところにやってきたら、2人はそう言ってお店の中へ。
「2人ともありがとうございました」
    手を振って去っていく2人を見送る、リックと呼ばれた男の子。
「え!?どういうこと?」
「ああ、2人はこのダイナーウェルまでの護衛を依頼していたんですよ」
「えっじゃぁここであの2人とはお別れなの?」
「はい」

    森を抜けて間もなく着いたこの街は「ダイナーウェル」というところらしい。えっと、第七領?とかの最大の街なんだって。その第七領を治める領主さんとやらが住んでいるそう。この設定…まるでゲームだなぁ…
    ん…待てよ……

「さて、ありすさん」
「あっ!はい!」
「この街も見覚えはないんですよね?」
「うーんないなぁ……というかさ……」
「はい」
「ここってさ!もしかしてテーマパークの何か?アトラクション?」
「?」
「ファンタジーな街並み、戦士や魔法使いみたいな格好している人がいるし……!BGMとかは流れてないけど……言葉は通じるから日本だよね……いやでもこんなところあったっけな…?新規オープン…?」
「ちょっとありすさん大丈夫ですか?落ち着きましょうね!」

    とりあえず座れるところを探す私たち。
その私の目の前にはケモミミのカチューシャがぴょこぴょこ揺れてる。
「このケモミミすごいリアルだね〜」
    ワシワシとケモミミを触ったら急に仰け反る男の子。
「わぁッ!!急に耳を触らないでください!!びっくりしたー!!」
「あ、ごめん!」
    警戒して私から距離をとる少年。
「もしかして…僕の耳を作り物とか思ってたり…しません…?」
「うん」
「もうこれだから…僕はウサミミ族だから、これが耳!耳なんですよ」

    ど、どういうこっちゃ…ウサミミ族って………ん、待てよ。
「あのさぁ、この街には電車通ってる?みんなはスマホやパソコン持ってる?」
「???」
    まるで話が通じない。つまり、今までのことを考えると…つまり私は。

「ファンタジー世界に異世界トリップしてしまったんだー!!!」

    どうしよう、どうしよう!


(第2話へ続く)

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黒絵しーな

「異世界の国のありす」のお話を描いている絵描き屋さんです。よろしくお願いします(ӦvӦ。)

異世界の国のありす

突如、異世界に召喚された可憐な乙女。 私の名前は伏木ありす。 目覚めて最初に出会ったのが、私の頼れる相棒、ぴょんちゃんだった! (ぴょんちゃんって呼ばないでください) かくして、私とぴょんちゃんの奇想天外な冒険が始まるのであった〜 (大げさですね…)

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読んでいただきありがとうございます!文章とイラストを交互に投稿していく予定です!これからも読んでいただけたら嬉しいです!
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