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【音声配信#9】大人げないって言わないで

"パパは来ないよ!
そんなにママが嫌ならここにいたら?! 
ママは先に帰るから!"

これは、先日私が2歳の娘に対して放った言葉。

落ち着いて振り返ると、顔から火が出るほど恥ずかしい。

発端は、娘の保育園のお迎えに、下の子を抱っこ紐で連れて行ったこと。

いつもはパパが迎えに行くところ、その日は仕事で都合がつかず、私とバトンタッチ。

保育園に着くと、私と下の子の顔を見た娘は、グズグズしてなかなか帰ろうとしない。

おうちに美味しいごはんがあるよ、などとあの手この手で機嫌をとってもダメ。

一組、また一組と、後からお迎えに来た親御さんがお子さんを連れて帰って行く。

そのうちポツポツと雨が降り出した。

その日は季節外れに寒い日で、冷たい雨に下の子がぐずり出した。

いよいよ我慢ならなくなって、私は娘の手をとって帰ろうとした。

その瞬間、娘が思い切り私の手を振り解いて、大声で叫んだ。

"…パパが良かった!!"

カチンときた。

だから、つい言ってしまった。

"パパは来ないよ!
そんなにママが嫌ならここにいたら?! 
ママは先に帰るから!"

案の定、娘は大泣き。

泣きじゃくりながら2、3歩進み、立ち止まる。

ママ先に帰るよ!と私が進むと、また大泣き。

近づいて手をとると、激しく抵抗して、「パパがよかった!!」と繰り返す。

私も頭に血が昇っていて、振り返らずにさっきより長い距離をズンズン進んだ。

すると、いよいよ大きな声で、泣きじゃくりながら娘が叫んだ。

"ママきてー!!
だっこしてー!!"

あ、なんだ。

そういうことか。

保育園出た時からぐずぐずしてたのは、抱っこしてほしかったのか。

夫はいつも、下の子を置いて、娘を一人で迎えに行く。

帰り道、娘はパパを独占できる。

「今日はなんで〇〇(下の子)がいるの?」

娘はそんな心境だったに違いない。

娘の気持ちを察したけれど、私もすぐには感情が抑えられない。

しかも、傘と荷物と下の子がいて、娘を抱っこすることは物理的に難しい。

大泣きする娘に自分で歩くよう促して、やっとのことで帰りついた。

心配して待っていた夫に、娘が聞いてないタイミングを狙って、何があったかを説明した。

正直、「大人げない」って言われるの覚悟していた。

だって、要は、「パパがいい」って言われて嫉妬しただけじゃないか。

まだうまく説明できない2歳児の言葉を、額面どおりに受け取って。

でも、夫の反応は違った。

"それはカチンとくるよね〜"

と、あっけらかんと言われた。

ちょっと拍子抜けしたけれど、同時にほっとした。

そうか、別にカチンときてもいいんだ。

親だって聖人君子じゃないんだし。
感情を無理に押し殺す必要はないのかもしれない。

大人の役割は、高ぶっていた気持ちが落ちついたときに、カチンときた子供の言葉の裏にある感情を汲み取って、その感情に応えてあげることなのかもしれない。

今回なら、多分こうだ。

「パパがよかった」
=いつもパパがやってるように、下の子を連れてこないで、迎えに来てほしかった。
自分を抱っこしてほしかった。

だから、娘を寝かしつける時に、私は娘の感情に応えることにした。

娘には、こう言ってみた。

"抱っこして欲しかったんだね。
でもママは赤ちゃんを抱っこしてたから、できなかったんだよ、ごめんね。
ちゃんと家まで歩いて偉かったね。
ぎゅってしよう"

娘は、私の膝に乗ってきて、ぎゅーっとしがみついた。

イヤイヤ期や、赤ちゃん返りの子供の相手は本当に難しい、とつくづく思う。

でも、親は自分の感情を"大人げない"の一言で片付けない方が良いと思う。

一旦素直に受け止めて、気持ちが落ち着いてから"大人の対応"をする。それでいいと思う。


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「ここママの3rd place Radio」(毎日21:00配信)

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"素敵なあの人は、言葉選びが秀逸だった"

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