見出し画像

ウィリアム・シェイクスピア、ヒース・ロビンソン『十二夜』1908年初版


ウィリアム・シェイクスピア『十二夜』ヒース・ロビンソン版1908年初版の全40枚のカラーイラストを撮影したので公開する。ヒース・ロビンソンによって挿絵が手掛けられた、英国挿絵黄金期の代表作である。当時のペーパーカバーが残った稀少な状態で、カバーを外すとグリーンクロスの箔押し表紙が見られる。『十二夜』は少女ヴァイオラが身を隠すために男装したことから始まる名作ラブストーリーである。

少女ヴァイオラは嵐による船の難破で、兄セバスチャンと離れ離れになってしまう。運良く海に打ち上げられたオリヴィアは、身を守るために男装した後、シザーリオと名乗って漂流地イリリアのオーシーノ公爵に侍従として仕える。そして、男装したヴァイオラは公爵に密かな恋心を寄せるようになっていく。

だが、公爵は伯爵令嬢オリヴィアに恋しており、彼はヴァイオラにそのことを打ち明ける。ヴァイオラは公爵の好意がオリヴィアにあることを知って悲しみに暮れるが、公爵の命令通りオリヴィアに公爵の気持ちを伝えにいく。だが、オリヴィアの答えはノー。ヴァイオラは公爵の失恋に自身の気持ちを重ねた。

一方、ヴァイオラの兄セバスチャンも運良くアントニオ船長に救出されていた。その後、セバスチャンもアントニオと共にイリリアに赴き、この地で兄妹は再会を果たす。それから、ヴァイオラ、セバスチャン、オーシーノ、オリヴィアの4人の恋物語が展開され、最終的にはここから2組のカップルが誕生する。

ヒース・ロビンソンは、ロビンソン三兄弟の次男で兄弟の中では彼が最も人気があった。父は版画職人であり、三兄弟とも挿絵画家の世界に進んだ。ヒース・ロビンソンは、当時の英国挿絵画家の中でも一際仕事が早い画家だった。そのため、膨大な数の作品が残されており、彼の作品の収集は困難を極める。だが、作品が多い分、ヴァラエティにも富んでおり、収集・鑑賞の楽しみも多い。


Shelk 🦋

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?