【忘備録】背景

今日は映画村に行ってきた。

建物からする木の香りや障子の香りが新しさを感じさせるのに、目の前にある建物はあたかも昔からそこに建っているかのような風貌をしていた。
汚しが果てしなくらしさを演出しており、あまりに良かったので思わずかなり近づいて見てしまった。
建物と建物の間の感覚は狭く、昔であればそうだったのだろうと思うようなセットが面白かった。

スタンプラリーを開催しており、それに参加したおかげで普通に遊びに行っていたら入る勇気がない場所に入ることが出来た。
もちろん立ち入り禁止の場所ではない。むしろ立ち入り禁止は分かりやすく書かれていた。ただ、その立ち入り禁止がないからと言って闇雲に普段歩みを進められる場所かというと違う、という場所だ。

その場所の一つにが美術制作の棟がある場所に近く、大型のトラックなどが行き交う場所があった。特撮撮影所の近く。

様々な塗料の入ったペットボトルの山と年季の入ったハケ。道の先に続く大量の社のようなもの。どちらかというとここをよく見に行きたくなるほど興味深いものだった。

「らしさ」というものへの表現が建物に見えて惚れ惚れしているところへ、くの一が声を掛けてくれたり、通りすがりのお侍さんが刀を人に当たらないようにしたりしていて「らしさ」が服を着て歩いていた。これは接客業に限らず大きな範囲で「らしさ」があるが、顕著に分かりやすい「らしさ」を目の当たりにできて良かったと思う。人の「らしさ」については今回のタイトルとはズレるのでここで終わるが。

とにかく建物と植栽のらしさが面白かった。
滅多に最近は柳の木などは見ないがこういった昔ながらの場所には柳が生えており、植物が時代を表すこともあるのだと思った。
もちろん場所によって植物の分布が変わるとは知っていたが、大河ドラマなどや朝のドラマで偶に話題になるような「本来ならこの時代にこの植物はない」ようなこだわりも良いなと思った。

絵を描く前提で観察していると、より覚えておきたいことが多く見つかり今日思ったこと全ては残せなかったと感じた。嘘と本当を混ぜる塩梅が美味しく、余白で遊べるような絵が描けたらどんなに良いことか。

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