【忘備録】椅子

人間椅子とか椅子人とかではなく、椅子。

昨日読んだ雑誌たちのおかげでまた椅子熱が再発している。ドアやノブも勿論いいが、椅子。
家の中に複数あってもいいかなと思えるもの。

あまり物が多すぎるのも全てを把握して愛しきれなくなってしまうのでそんなに量は持てないがあると眺めていいなと思うくらいにはあると嬉しい。

ごてごてしたものもそこまで好きではないが、倉俣史朗のミス・ブランチのようなものも好きだ。有名どころだが、あのちょっとチャッチーにも感じる愛嬌はどこか、ウィリアムモリスの壁紙やミュシャの四季を連想させる奥深さも湛えている。
お子様のためにつくられたはずの本来ならあり得なかった今までの作品からは想像つかないかの作品は今もなお愛されている。

最初は椅子なんて座れたらいいのになぜそこまで熱をあげる人がいて取り憑かれるのだろうかと覗き込むつもりだった。何個も何個も見ているうちに、単純接触効果か突然好みかもしれないと勘違いをしてそのまま続いている。もうこの状態は数年に突入してしまった。ならば本当に好きなのだろうなと腰を落ち着かせたところだ。

覗き込んだ先は椅子を作るに至る物語があり、職人さんたちの情熱もあった。元来、人が何かに対して強い興味や関心を抱いて突き進んでいる姿を見るのが好きな性格でありその話を聞けるのはとても楽しく自分の想像の範囲の外の話であれば尚更だった。

椅子の向こうに物語を見て、純粋に形の美しさやこだわりも楽しめるようになってきた。これは椅子だけでなく、日常使いの物もそうであれたらいいなと思っている。

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