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今更ながら『逃げ恥』を観てみた。

昔からあまりテレビを見る習慣がなく、
これまで旬なドラマを見逃しまくってきた私ですが。

先日、中国人の友人に色々と日本のドラマについて聞かれたとき
何も答えられず、「あなた本当に日本人なの?」と言われてしまいまして。
2016年のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』も、
「あれって日本の社会問題らしいけど本当によくある話なの?」
と聞かれるも、さっぱりわからず…苦笑
今Netflixで配信していることを知り、この際きちんと見てみることにしました💐


◽️ドラマの概要◽️


https://www.tbs.co.jp/tbs-ch/item/d2875/

職ナシ彼氏ナシの主人公・森山みくり(新垣結衣さん)が、恋愛経験の無い独身サラリーマン・津崎平匡ひらまさ(星野源さん)と、あることがきっかけで 「仕事としての結婚」 をすることに。
夫=雇用主、妻=従業員の雇用関係で恋愛感情を持たないはずが、同じ屋根の下で暮らすうち、徐々にお互いを意識し出す妄想女子とウブ男… はたして契約結婚の行方は !?

https://www.tbs.co.jp/NIGEHAJI_tbs/intro/index.html


就職難、派遣切り、事実婚、高齢童貞、晩婚化。
そしてシャドウワークである家事への雇用契約。

キーワードが盛り沢山!
以下に感想を書いてみたいと思います。
※ネタバレを含みます※


◽️まず謎に思っていたタイトルについて◽️

「逃げるは恥だが役に立つ」はハンガリーの諺が由来しているそうです。

恥ずかしい逃げ方だったとしても生き抜くことの方が大切。

こんな台詞がドラマの中で出てきました。

ですが、個人的には逃げてると思ったシーンはそんなに無かったような…(逃げるどころか普通の人が経験しないような難題と向き合ってる!?)


◽️最初はなかなか共感できなかった◽️

正直、個人的に共感が生まれ出したのは第7話以降でして…。
25歳のみくりが、就職失敗、派遣も切られ、藁をもすがる思いで一つの仕事にしがみ付く姿は、キャリアの無い、つらい新卒時代を思い返すと共感できるものの。

愛し合わない2人が事実婚をして、それぞれの目的のためだけに同居をする、というのは、わかるようなわからないような、ずっともどかしい気持ちで観てました。

年頃の男女2人が一つ屋根の下で暮らしているのに、男女の関係になる気配がないというのも不思議すぎて。
雇用主(夫)と従業員(妻)の関係でもあるから、健全な職場を提供する義務を全うすること最優先、と思えばまあ理解できなくもないか、と思ったりもしつつ。

草食男子ならぬ、「絶食系男子」という言葉も出現。
女性に一切手を出そうとしない平匡と、10歳上の男性に拒絶されながらもなんとかリードを試みるみくりのことは、正直観てられず…。
現実世界では、この2人がカップルになるのはあり得ないなと思ってしまいました。

ですが、ドラマですからね。
周囲のキャラクターが個性豊かで面白かったのと、みくりの妄想がいちいちカワイイのは萌えました!


◽️世の中の偏見を分かりやすく描いていた◽️

良かったと思うのは、色んな角度から社会でよくある偏見が取り上げられていた点。

イケメンと非モテ。既婚と独身。正社員と契約社員。LGBT。シングルマザー。帰国子女。
型に上手くはまらないと周囲から変人扱いされたり、逆に型にはめられて息苦しさを感じる人々の葛藤も感じたり。

自分がハッピーならそれでいい、と口で言うのは簡単だけど、やっぱり周囲からの何気ない一言は刺さるもの。
ドラマの中でもその様子が見て取れて、親近感が湧きました。


中でも、石田ゆり子さん演じるゆりちゃんに対する偏見が、見ていて一番しんどかったかもしれないです。

アラフィフにもなって結婚していないのは何か事情があるに違いない、という風潮。
さすがに現実世界ではこんな露骨に嫌味を言う若者は居ないんじゃないか?と思ったが、私の職場では、おじさん社員達がよく酒の力も借りながらお姉さん社員に似たような質問をしていました。

「なんで結婚しないの?」って。

年齢に対する偏見は世界中少なからずあると思うけど、特に日本は顕著だと、個人的に思っている。

20代の頃は、一回り上の女性の先輩から、
「若い人は無条件に可愛がられる」
「〇〇さんも、あと5年も経てば煙たがれるから今のうちだよ」
といった嫌味を言われたこともあり、実力ではなく属性だけで判断されることに、心の中で泣きました。
誰もが数字によって裁かれてるし、裁いてもいるよな、と感じます。


◽️個人的にはスペシャル版が好き!◽️

2021年のスペシャル版『頑張れ人類!新春スペシャル!!』は、特に感動しました!

契約結婚から恋が芽生え、正式に結婚をした2人のその後。

シーズン1は、家事・育児・仕事と女性側にのしかかる苦悩の方により重点が置かれてましたが、今回はプレママ・プレパパから始まり、親になっていく葛藤が男女双方の視点から描かれていて良かったです。
ぎこちないカップルだったのが、よくある夫婦の話に進化していて、共感しやすかったのもあったかもしれません。

妊娠・つわり・出産、みくりと平匡さんの掛け合いがリアル過ぎて泣きました。笑
そして、確かにプレママは体調不良もあって本当に大変だけど、協力的なプレパパは、仕事もあるなか家事も頑張って、大変に違いないけどなかなかその大変さを周囲には理解してもらいにくくて…。
お互いを思い合える夫婦に、みくりと平匡さんが成長していて、本当に感動的でした。

そして、コロナ禍のはじまり…。
そうそう、こんな事あったよね、マスクやアルコール消毒が入手出来なくなったり、みんなでzoom meetingをしたり。
3年経った今だからこそ、ああ懐かしいな、こんな辛い日々あったな、とか、思い返しながら観れました。


結論:世の中のあるあるや差別、苦悩の問題提起になっていると感じた。とはいえファンタジー的な要素も多いので、現実と照らし合わせすぎずに、いちドラマとして見た方が面白い、と個人的には思いました!
やっと一つ、時代に追いつけたという気持ちです笑
今後、海外の友人には迷わず勧めていこうと思います✨

ちなみに、中国でも大人気な新垣結衣さん。
結婚報道には多くの男性が涙したそうです。
「僕たちの老婆lǎopoが…」と。
中国語では老婆=妻、の意味です。
ふふ、これからも応援してます🌷


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