これは貴方が物語を届けるまで#4【世界観は題材選びとルールブック作り】

文体で表現する世界観は、筆とか色ペンみたいなものです。

それを使ってどんな物語を表現するか、どんなものを作るかが肝心です。

初心者の人は作品を完成させた経験が少ないため、物語のわずかな一部分だけ書いて「これ良くない?評価してほしい」と言います。

感覚としては、筆に色乗せてキャンパスに一本の線引いて「これめちゃくちゃ良くない!評価して」って言われてる気分なので「うんうん!いいね!じゃあ完成目指して頑張ろうね」って感じです。

かわいいね。評価対象外です(冷酷)

じゃあ筆も決めて気分も良くなったところでどんな絵を書くか決めていきましょう。
その題材決めこそが世界観です。

何を書くか…。

とりあえずネットだし、なろう小説でも書きましょうかねぇ!!(適当)

なろう小説を書こうと思った貴方、どんな話を書きます?

やっぱ最近は「勇者モノ」です?

え、トレンドは「転生したらゲームのモブキャラだけど最強目指してヒロインを勇者からNTRしていく無双系?」何それ、こわぁ…。

あと「聖女なのに追放されちゃったけど異国の王子様に見そめられて」とか? フェルン、それは恋愛タグすぎるよ…。

さて、じゃあとりあえず勇者になって最強目指す話でも書くかー。

じゃあ書いてみよう。例文はこちら。

1、
コポォwwwww事故ったと思ったらwwwww勇者wwwwww勇者ktkrwwwww拙者無双でござるwwww

2、
生と死の狭間の残響、虚空から生まれ出る泡のように浮かび、深く潜る。輝きと共に目を開けようと足掻くも、無情にも言葉は出ず悲鳴のみ。自らの耳が聞こえる音は忘却かはたまた無知ゆえかまるで理解が及ばない。ーー転生。脳内に無情にも理解させられる言葉の一端。我異世界に転生せり。

なんか違いますね。

さて、前回の文体の話を思い出しながら見てほしいのですが、筆選びもそれはそれは大切です。

異世界の勇者の冒険譚を語るに相応しい、或いは頭使わなくても楽しめるエンタメを書くならどんな文体がいいかなー。って考える。文体は世界観を表現する一つです。

さて胸を張って続きを書こうとすると……。

あれちょっと待てよと。

結局この世界はどんな風に動いているのか分からないぞと。

勇者がいるなら……

まぁ、魔王いるんかな。

魔王がいるなら……、まぁ魔族がいて、まぁ人類とか脅かすんかな。

じゃあ人間サイドは勇者……以外にもいるよね。王国とか。王国軍が強そう。

王国軍あるならまぁ、人類最強の騎士団長とかいて、絶対に国守るマンたちがいっぱいいるわけよな。

んで王国の周りにも国があってさ……。

宗教国家とか、学術都市とかさ…。

学術といえばやっぱ魔法だよな…。

魔法は、きっといっぱい種類あってさ、上級魔法とかあってさ。貴族主義でさ。

剣術の地位とかもちょっと低いけどあってさ。

多分ギルドとかもあってさ。

治癒院みたいなヒーラーが形成してる病院があってさ。

露天で街は賑わっててさ。

孤児院とかもあってさ。

スラムもあってさ。

etc……

物語における世界観とは、
ルールブックだと思います。

こんな生活様式で、こんな歴史があって、こんな魔法がありますみたいに全てがまとまっている設定の中で、どうキャラが物語を動かすのかを定められたものです。

ルールブックというか、世界のガイドマップですよね。

世界観を使うトリックでは、基本歴史がキーになります。

意外性を持った歴史を作り込むことで、常識が一転するのです。

その世界の常識が、読者の読んでいたルールブック下での常識がひっくり返ると気持ちいい!

と言うわけで、物語の世界観作りはルールブック作りです!!!

んでルールブック見ながら筆使って描くわけよ!!!こんな雰囲気!!!ってのをさぁ!!!! 

とりあえず作中に出さずとも設定だけ作り込んでおけばどこかで活かせるかもしれないとモリモリする方もまぁ多い。

まぁ最初に題材選びって言ったし例を出しましょう。

【例題】現代が舞台で、妖怪が出る話
↓(ここで思いつくのは)
1、主人公と妖怪の恋物語
2、妖怪同士のバトルもの
3、妖怪が現代社会に溶け込む
4、偶然主人公が見つけたのは妖怪だった
5、妖怪の現代ギャグ
6、主人公が妖怪になる話
etc…

じゃあ1を書きたいな……

妖怪は誰にしよう。人間と結婚したらエモそうなのは……。うーん例えば天狗とか?

人間と天狗の禁じられた恋。

じゃあ人間はどこ住んでるんだろう。鞍馬山近くとか? 年齢は……大学生とかにしたいから19くらいにして、あーじゃあ大学があるわけだ。

どこで天狗を見つけたんだろう。助けられたとか? 天狗は正体バレちゃいけないならどこにいるんだ? 山か?
バレたらどうなるんだ?処刑か?

この2人が結婚するためにはどうすればいいんだ? 結ばれたら処刑回避とか?そういうしきたりがあるのか?

よし、つまりこういうことだな!

「私は明美! 普通の大学生だったんだけどと突然トラックに轢かれそうになったと思ったら烏天狗の彼が助けてくれたんだけど彼の正体バレたら私が処刑されるか結婚するかの二択なんだって〜どうなっちゃうの〜!!!」

「明美は俺が守る」

「大輔……」

よし! 上手く作れそうだ!!!!!

じゃあ2とかどうなんだ……。

妖怪同士のバトルもの……。

なんか、妖怪っていうのは、その、組で……(ぬら孫)

んで治安とかぁ、守っててぇ……。

主人公の妖怪は……、こう、ぬらりひょんでぇ……(ぬら孫)。
学校とか通っててぇ……(ぬら孫)
人間の血が混ざっててぇ……(ぬ)

他の組の妖怪倒しててぇ……(ぬ)

なんか書けそうだな!!!!!!!

作品の中では、そこがどんな世界かを説明する必要がある。
それをどんな文体で表現するかが肝心だ。

題材選んでルールブックを作成する。

世界観はそういった面白さがあるね!!!!

じゃあ早速書いてみようか!!!!!

紀元前5世紀。地球に謎の隕石が落下。

そこには謎の知的生命体Xが存在し、文明を発展させていった。

西暦114年

神を名乗る異世界生命体が出現し、旧文明はそれを相打ちする。こうして人類はその記憶を抹消され、新たな文明が作られたのであった。

西暦710年

現存する魔法使いが消滅。魔術、錬金術が高度に発展。魔法使いたちは星の海に封印されていた。

西暦1800年

世界における怪異が暴走。地球は人類滅亡の危機に瀕したが、人類の英雄、クニーヒコ・ヤナギーダにより封印に成功

そして現代。

「私は明美! 普通の大学生だったんだけどと突然トラックに轢かれそうになったと思ったら烏天狗の彼が助けてくれたんだけど彼の正体バレたら私が処刑されるか結婚するかの二択なんだって〜どうなっちゃうの〜!!!」

「明美は俺が守る」

「大輔……」

練り込めばいいってもんじゃない。ワイトもそう思います。

次回、「キャラも作り込もうか」

お楽しみに〜。

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