これは貴方が物語を届けるまで#5【キャラ創り】
キャラを創ると言った瞬間やる気失せる人がいる。
「いや、キャラは簡単だよ。まずこの子はツンデレなんだ。しかも日本刀を使う。作中最強さ。しかも主人公にとっては可愛いガールフレンドさ。この子が活躍する。それで良いじゃないか?」
ダメです。
さぁ頑張りましょう。
さて、創作したことない人ほど地獄を見るのがこのキャラです。
キャラは作るの簡単です。
頭の中でこんなことさせたいなー、こういうやつ欲しいなー、妄想しやすい。
僕からしたらすごく恐ろしい。
今例に出したツンデレ。
ツンデレを魅力いっぱいに描きたい、そう思うよね。
ここで問題なのは「ツンデレ」を書きたいのか、「ツンデレ属性のある1人の生きた人間」を書くかでキャラというのは変わってくるのです。
僕は小説というのは生きた人間を書くことだと思ってます。
その舞台で全力で生きて、全力で駆け抜ける。それを書くことが小説だと思ってます。
なので、属性やテンプレだけで表現することが逆に苦手です。ただの記号に見えるから。
さぁツンデレにこだわって考えてみましょう。
ツンデレヒロインを作るとなったら簡単です。
・声優が釘宮理恵さん
↑
え、もう違うんですか?そんなぁ
・きっと背が小さいし貧乳
↑
え、差別?そんなぁ
・ツインテールとかもありそう
↑
え、初音ミク?そんなぁ
・「べ、別にあんたなんか好きでもなんでもないんだからね!」
↑
間違いなく好き
はい。なんとなくイメージ出来ましたね。
じゃあこの子を
無人島に置いてみましょう。
さぁ生き残れツンデレと主人公よ!!
お前がこの島を脱出するのだ!!!
「ちょっと!聞いてないんだけど!あーもう!〇〇もなんか言ってよ!」
「え、なんだって?」
「むきー!」
みたいなやりとりを挟んだ後
「実は私刀使えるの」
「マジか!」
みたいなやりとりを挟んで敵を斬り
「私、〇〇が好き!」
「つ、ツンデレ!」
無事カップルへ。
シンプルイズザベスト。幸せだね。
はいみなさんお気づきですね。
これはテンプレであり、まぁ面白いですけど。
どの無人島に連れてっても同じ働きをしてくれます。
その作品だからいなきゃ行けない存在にはなりません。
すると「オリジナリティないね」とか言われるんですよねこんちくしょー!
万能型と言えば聞こえはいいですが、インスタントに楽しめるツンデレ、インスタントな恋愛関係、インスタントなキャラ。すぐ食べて美味しいファストフード。
ネット小説にあるあるですね。
これはこれで面白いけど……。
誰でも作れるキャラです。
深みはありません。
いや別にそれでも面白ければいいんだけど、ここから一歩踏み込みたいわけですよ僕的には。
するとこうなります。
「貴方がツンデレさんですか!」
「な、なによ急に!」
「履歴書の作成お願いします」
「えっ」
そう、履歴書です。
履歴書を書いてもらいましょう。
「な、何よ!こんな、必要ないわよ!」
「はいじゃあなんで貴方は素直じゃなくなったんですか?」
「だ、だって……昔、〇〇のこと好きって言ったのに茶化されて、素直に気持ちを伝えられなくて。いろんな人が〇〇のこと気にしてて、私……どうせ嫌われてるのかなって。好きだけどこの気持ち隠さなきゃって。でも上手く出来なくて」
「それはいつ頃から?」
「……中学生になったら、もう一切話さなくなったから、小学生の頃から。でもずっと目で追ってた」
「部活やってる?」
「剣道と居合いをやってたわ。運動はできる方。地区大会くらいならベスト4くらいいけるわ!でも強い学校があって、そこの主将とライバルで……」
「普段の学校での過ごし方は?」
「えっと、親友2人と過ごしてる。いつもはテレビの話をしてるわ。恋バナとかね。私は恋バナ全然混ざれないの。2人とも彼氏がいるから。勉強に関しては委員長とかに頼ってて」
「〇〇さんと仲良くなりたい?」
「……前みたいに、お話ししたいな」
からの
無人島に置いてみましょう。
さぁ生き残れツンデレと主人公よ!!
お前がこの島を脱出するのだ!!!
「ちょっと!聞いてないんだけど!あーもう!〇〇もなんか言ってよ!」
「え、なんだって?」
「むきー!」
みたいなやりとりを挟んだ後
「実は私刀使えるの」
「マジか!」
みたいなやりとりを挟んで敵を斬り
「私、〇〇が好き!」
「つ、ツンデレ!」
無事カップルへ。
感情が、ちょっと違って見えますね。
これがキャラの深みだと思います。
人には人の歴史あり。
誰が何をいうかで、セリフも立ち回りも、意味を持ってくるのでしょう。
キャラの生年月日とか、年齢とか、そこで生じる悩みとか、進路とか。
いっぱい考えると、ツンデレじゃなくて、ツンデレな生きた人間が浮かんでくると思います。
それがキャラを創るということなのかなと思うばかりです。
さて次回はテクニカルにキャラとシナリオどう落とし込むかですね。
ゴーシュー!
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