舞台「千と千尋の神隠し(再演)」

名古屋公演に行きました。
どうしても観たかった、上白石・三浦ペアの公演を観ました。
去年1回公演を観たのと、配信で1回観ているので3回目の舞台千と千尋の神隠しになるのですが、1回目かと思うくらいに感動した。

上白石さんの千尋は初めてだったけど、すごかった。
千尋だけが主人公なのではなくて、物語の中に上白石さんも千尋も溶け込んでいて、その中で「千と千尋の神隠し」を伝えているようで、すごく好きだった。

最初のシーンから泣いた。
小さい頃に繰り返し観ていた千と千尋だ〜と心が震えたし、その時アニメで観ていた臨場感というか、千と千尋の神隠しの独特な不気味な感じをリアルに思い出しながら、その感覚と現在目の前で見ている舞台とをリンクさせて、懐かしい気持ちになったし、改めてこの作品の持つ力みたいなものを感じた気がした。

小さい頃は、千尋と同じ気持ちになって最初の油屋に入って行く様子や初めてのことを経験して行く様子を見ていたので、怖いという気持ちを抱えながら見ていた。
今回の舞台も上白石さん演じる千尋になぜか感情移入をしてしまい、ドキドキしつつ、頑張れと自分自身を応援しつつ見ていたような気がする。
だから、最初の仕事を成功で収めたときにみんなで喜んでいる姿が嬉しくて、一体感を得たきがして、私も嬉しくて泣いてしまった。

特に私が今回印象に残っているのは、電車で沼の底に行くところだった。
夕焼けの風景や電車に揺られて行く様子、どんどん乗客が降りて行って寂しくなって行く様子を見ながら、小さい頃にアニメを見た風景と重なり、懐かしさがこみ上げてきた。
懐かしさだけでなく、世間のことを何も知らなかった小さい頃から比べると私は自分でお金も稼ぐようになり、だいぶ大きくなって世間的には大人になっていることが対比されて、私はあの頃にはもう戻れないんだなという気持ちだったり、これから私は自分で考えて1人で生きて行く大人なんだということを実感して、物寂しく感傷的になった。

最後のシーンでも、なんかいいもの見たなという気持ちになり、暖かい気持ちがこみ上げてきた。
これから私は日常を生きて行くぞという気持ちでもあるし、家族を大切にしようという気持ちでもあるし、特別なことだけが幸せじゃないだろという気持ちでもあるしその全部が暖かい気持ちを構成しているような気がする。
私の周りだけでなく、この世界に感謝したくなったし、大切に丁寧に生きたいとも思った。
もう一度映画を見返して、あの頃とどのように感じ方が変わっているのか確かめて見たい気もするし、アニメの方は、あの頃の記憶と思い出の中に閉じ込めておきたい気もする。


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