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HUDSON MOHAWKE「Very First Breath」/ポップ・ミュージックを前に進めようとする意志

6年ぶりのソロ・アルバム『ランタン』をリリースするハドソン・モホーク。一足早く聴かせてもらったんだけど、ほんと素晴らしい。今年を代表する一枚になりそうな予感。そのリードトラック。聴いた瞬間の「これだわ」感、すごい。


というわけで、ちょいと解説。

ハドソン・モホークは、スコットランドはグラスゴー出身のDJ/プロデューサー。WARPレーベルに所属。エイフェックス・ツインからフライング・ロータスまで脈々と続いてきた同レーベルの「ビートジャンキーの天才」の系譜。2009年にデビューアルバム『BUTTER』をリリースしてから、彼が何やってきたかっていうと、とにかくここ数年のUSのメインストリームの仕事をガンガンやってきたわけです。

カニエ・ウェストのレーベル〈GOOD Music〉とプロデューサー契約し、プロデューサーとしてカニエの数々の楽曲に参加。さらにはドレイクとかプシャ・Tのビートも手掛けてきた。つまり、明らかに先鋭でありながらコマーシャルな成功もおさめるという誰もが羨む座についたわけだ。

そして、彼の代名詞でもあった「ヒップホップ×レイヴ」なサウンドは「グラスゴー・スタイル」と称され、一つの時代を築き上げつつある。グラスゴー出身の同郷、レーベルメイトでもあるラスティは去年に『Green Language』というやはり「グラスゴー・スタイル」なアルバムをリリースしていて、こちらも非常に良作だった(ライナー書きました)

さらには、去年にEPとしてリリースされた「Chimes」がMacbook AirのCMに起用されて話題を呼んだりもした。


「グラスゴーの神童」から「カニエの右腕」へ。

そういうもろもろの状況が後押しして、機は熟したとばかりにリリースされるのが、アルバム『ランタン』。フューチャリスティックでアバンギャルドなだけじゃなくて、ちゃんと耳に気持ちいい音が鳴らされてるのがいい。

ポップ・ミュージックを、ちゃんと前に進めようとしている意志を感じる。2015年のベストに入ってきそうな予感。フジロックも楽しみ。(36/100)











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