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チームしゃちほこ「いいくらし」/「いい」はエクスタシーの「E」

いやー、これはヤバい。

ベボベ小出氏のオススメで知ったチームしゃちほこの新曲「いいくらし」。これ、80's末から90'sにかけてクラブシーンを席巻した「アシッドハウス」のサウンドに思いっきりオマージュを捧げまくった一曲なのです。

というか、直接の元ネタはこれ。D-MOBの「We call it acieed」。

これの「アシー!」ってヤツですよ。

作曲家は吉田哲人さん。小西康陽さんのマニピュレーターを努めてきた方で、この辺の造詣はかなり深いはず。というわけで、かなり本格的なアシッドハウスの楽曲になっている。

ついでに言うと曲後半で思いっきりTRFの「EZ DO DANCE」になっていて、つまりその展開自体が90年代に「レイヴカルチャーのJ-POPガラパゴス化」を果たした小室哲哉に対しての批評性を持つという仕掛けになっている。しかもそれを異色アイドルグループのチームしゃちほこが歌っている、という。かなり高度な文脈が込められている楽曲なわけです。

サウンドだけじゃなくて、歌詞もちゃんとオマージュがある。それは、「E」。曲名は「いいくらし」だけど歌詞の表記は「E E E くらし」になっている。もちろん「E」は「エクスタシー」の「E」。アシッドハウスのムーヴメントと当時新しく流通し始めたドラッグ「エクスタシー」は、密接な関係を持っていて、そのことは、以下の記事に詳しいです。

《1988年に始まった「セカンド・サマー・オブ・ラブ」》

http://www.drillspin.com/articles/view/704

とはいえ、10代の女の子のアイドルグループ「チームしゃちほこ」のメンバーの皆さんは、そんなこと知る由もないわけですよ。でも、ナタリーのインタヴューを読んだらメンバーの咲良菜緒がこんな風に言っててビビった。

「聴いているうちに、なんかじわじわきたんですよ。……なんて言うの? くすぐられてる感じ。それで(もぞもぞと身をくねらせながら)体の中からこう、笹みたいなものがゾワゾワーッて出てくるみたいな……伝わります?」

http://natalie.mu/music/pp/syachihoko04

音楽ライターが言葉を尽くすより、アシッドハウスという音楽の感覚を言い当てた、めっちゃ的確な表現になっているのではないでしょうか。これ。





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