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BtoB/SaaS系オウンドメディアでCPAを1/10、PVを500倍にした話

あるBtoBのSaaSベンチャーでマーケティングを担当しております。

マーケ施策の1つとして、オウンドメディアを運営しているのですが、1年間運営してみて、知見がいろいろ溜まったので記事にしようと思います。ちなみに1年での成果は下記のような形です。

・リスティング広告の1/10のCPAでCV獲得ができるようになった

・広告費換算にて毎月、数百万円分のコンバージョンを生み出すようになった。

・1年間でPV数は500倍になった(もとが少なすぎたというのもあるんですが。。)

完全に1人で運営しており、ライターさんは10人くらいいました。以前からこのメディア自体はあったのですが、ほぼ記事は入れておらず放置されていました。(もともとCVは0件)

1年ほどまえに本格的に(私が勝手に)てこいれをはじめました。

PV数の伸びとしては1~3ヶ月目までは全く伸びず、4ヶ月目くらいから少しずつアクセスが伸び、6ヶ月目〜から爆発的にPV数が伸び始めました。

流入はほとんどが自然検索のため、SEO対策にかなり力を入れてきました。
どのように運営していたのがかをポイントを紹介します。

1,SEO対策について

昨今のGoogleトレンドにそって、「クオリティの高い良い記事をつくることが最大のSEO対策」という基本原則を最も重要視しています。

そのため、日々執筆する記事のクオリティこそが、成功の要因だと思っています。

初期はそれこそ1記事あたりの執筆に20, 30時間かけていました。最近ではかなり時間も短縮できていますが、初期はかなりこだわって記事をつくっていました。

気をつけたポイントは下記です。

・ 基本的には執筆すると決めたキーワードでリサーチを行う。
Google検索結果やyahoo知恵袋をみてどのようなニーズや悩みがそのキーワードであるのかを見ます。悩みに対する解決策をweb、本などでリサーチし、それを読みやすい記事にまとめます。

・質の高い記事はその業界の経験者などしか執筆ができません。
学生インターンや記事テーマについて専門知識のないライターには執筆を依頼しません。社員や営業など顧客の課題を知っている人に執筆を依頼します。どんな業界にも顧客が使う特有の言葉、ワードがあるはずですが、そのような単語も積極的に記事に含めます。

・「質の高い記事=オリジナリティがあり、実際の体験談が入った記事」と考えています。そのため、実際にサービスを使ってみた系のコンテンツに力を入れます。
結果的に、そのようなユーザー目線のコンテンツはSEOの順位もあがり、滞在時間も長くなり、SEO的にも「良い記事」となります。

・とにかくユーザー目線の記事を徹底する
特に初期は自社のサービスの営業をせず、可能な限りユーザー目線の記事に努めます。自分が読者でも読みたいと思えるような有益な記事をかくことを意識します。

・記事の内容は可能な限り具体的に、まとめ記事のようにならないようにする。
結論や疑問の答えを見出しや序文にたくさん入れることで、結果的に記事が読まれやすくなる。有名人や企業のインタビューコンテンツは被リンクもとれ、オリジナリティの高いコンテンツになるので非常に◎です。

2,あまり語られないオウンドメディア「実行」のお話

オウンドメディアは効果がある。だけどどうやって運営するの?リソースはどれくらい必要?そんな疑問はありますよね。

肝心なのは「実行面」の話なのに、それに関するノウハウはあまり世に出ていません。私のようにすべてのマーケティングチェネルをみており、1人編集長でオウンドメディアを運営している場合、他の仕事との兼ね合いもありますよね。

初期こそ、自ら記事を執筆していましたが、現在は執筆は外部ライターさんにまかせ、記事の添削やキーワード選定、タイトル決定、その他のCVR最大化施策のみを自ら行っています。

大体オウンドメディアには1日2~3時間つかっているようなイメージです。

Q、具体的な実行フローは?

私が記事のキーワードとタイトルを決定し、それを外部ライターさんに振ります。ライターさんとのメッセージのやり取りと記事の進捗管理をするディレクターさんを1人おいており、記事が完成するとそのディレクターさんから私に連絡が来ます。私は完成した記事を添削し、修正点をライターさんに伝えて修正してもらい、記事が完成する。というのが一連の流れです。

ライターさんにはワードプレス上で「寄稿者」という記事の投稿と編集のみができる権限のみを付与しており、ワードプレス上での記事作成で納品になります。

Q,ライターさんの管理方法は?記事の進捗管理の方法

ライターさんを管理するディレクター的な人をおいているのですが、
具体的には「ライターさんとのメッセージのやり取り、記事の進捗管理」などをやってもらっています。

ライターさんへの記事の割り振りや進捗のやり取りは実際にやってみるとかなり手間で時間がかかるので、別の人に任せました。また、これらの作業はSEOの知見もいらないので、教育コストが必要なく誰にでも依頼をすることができます。

ディレクターさんとのやり取りでは下記のようなGoogle スプレッドシートをつくり、私はライターさんと直接やり取りをせずスプレッドシートのみを見ればよいようになっています。

これにより、記事の制作工数がかなり削減され、スプレッドシートだけを見れて、そこに修正のコメントをしたり記事の状況が見える化されました。

Q,ライターの採用方法は?執筆体制は?
ライターさんは10名ほど外部の方をランサーズや直採用で雇っています。前述の通り、その分野で専門性が高い知識を持ったライターさんのみを採用しています。インターン生などはオススメしません。

インターン生はそもそもSEO関連の教育に時間がかかる上、分野の専門知識もなく、また辞めることも頻繁にあるためマネジメントが大変です。
(若者がターゲットの商材などはよいかもしれませんが)

初期は自ら20~30記事くらいを執筆しました。

自分自身で良いコンテンツ(=SEOで順位がしっかりつく)の書き方がわかったらそれをマニュアル化して、誰でもかけるようにしました。

自分で執筆する体制もできる限り早く脱却するのが良いと思います。

Q、どれくらい記事書く?
毎月30記事くらい書きます。1記事あたりかなり時間をかけており、1週間程度かかるので、これくらいが今の体制では限界かなと思っています。

Q、コンテンツのクオリティ担保は?記事の修正の依頼方法・マニュアル化

専門知識のある優秀なライターさんのみを採用しているのですが、それでも記事の修正は発生します。大体2回程度修正を依頼しています。

記事作成にあたり事前にドキュメントと動画でマニュアルをお渡ししていて、そこに良い記事をつくるためのノウハウをお渡ししています。

できる限りすべてをマニュアル化することにより修正の手間を可能な限り減らしています。

例えば、記事の中にやたら画像を入れたり、テキスト文字へのリンクの入れ方など細かいところまでをマニュアルに入れています。

あとは文章のデスマス調、頻繁にライターさんが間違えるところはマニュアルに随時入れて、何度も同じ修正依頼をしなくてもよいようにしています。

これらにより修正にかかる時間が削減され、記事クオリティもアップしました

Q、キーワード選定の方法は?

キーワード選定の軸としてはサービスのターゲットが検索しそうなキーワードの候補を大量に出し、その中でも
①CVにつながりやすいキーワード
②PVが取れそうなキーワード

をわけて対策していきます。

例えば、①についてはリスティング広告でCVが生まれているキーワードや、「サービス 比較」や「商標系 評判」など元来CVRが高いキーワードも抽出しています

②については競合のサービスの流入キーワードをSimilarWebやahrefのようなツールで調べ、どんなキーワードで多くのPVを獲得しているのかを分析し、そのキーワードでピンポイントで記事を書いたりしています。

競合はあまり強くないが、PVがたくさんとれるキーワードがとれるのでオススメです。

3、どんな数値を見るべきか?(KPI周り)

0 〜4ヶ月目くらいまで  → 記事数
この時期はどんなに良い記事をかいてもPVは集まりません。とりあえず100記事が最初のゴールなのでそこまでは淡々と記事を入れていく、いかに継続して多くの記事を入れていくかが成功の肝でした。

そのため、PV数はみず、とりあえず記事数をたくさんアップロードすることを目的にしていました。

アフィリエイトでもここで挫折するのが大半ですよね。100記事まで入れてはじめてスタート地点。

・4ヶ月目くらい 〜 6ヶ月目 → PV数
このあたりでだんだんとpvが増えていくるのが実感できる、社内的にもおっ、うまくいっているんだな、という認識がされ始めます

6ヶ月目以降 → CV数(サブ:主要記事の順位、PV数)
このあたりでは何もしなくてもPV数がバク上がり、アップデートのたびに上昇、とすごく良い感じで成長します。

しかし一方でCVの伸びはPVの伸びに比べて鈍く、CVRの最大化により頭を使っていきます。

4,オウンドメディアでCVを増やすためにしたこと

オウンドメディアはリードの獲得手段と考えていたため、PVを増やしすぎてもあまり意味ないと考えていました。(もちろんある程度のPVまでは必要ではあると思うのですが)

ある段階を超えれば記事自体を入れれば自然にPVは増えるものですので、とにかくコンバージョンを取ることを最優先で考えていました。

結果として、前述のようにリスティング広告の1/10のコストでリードがとれうようになり、非常に協力な武器になりました。

オウンドメディアでコンバージョン(CV)を増やすためにできることは下記のようなものだと思います。

・競合が見つけていないCVが取れるキーワードを見つけること

・CVがすでにうまれている記事のCVR・SEO順位を上げる

・CVに繋がりにくい記事からCVRが高い記事に遷移させる

・PVを増やしサイトのドメインパワーを上げる

・フォームやサイトのナビゲーションなどを最適化する

それぞれ簡単に説明していきます。

競合が見つけていないCVが取れるキーワードを見つけること

比較や評判、口コミ、値段などの本来CVRが高いキーワードは最優先で対策します。

Googleの複合キーワードやサジェストキーワードも当然のように対策するのですが、サジェストキーワードなどで上がっていないがCVRの非常に高いキーワードがあります。

それらは月間検索数が10しかなくても毎月5CVなど生まれるものもあります。サジェストには乗っていないので競合が対策しておらず、それらのキーワードを見つけられるとCVを簡単にあげられます。

・CVがすでにうまれている記事のCVR・SEO順位を上げる

1つの記事の中でもコンバージョンポイントの置き方でCVRが大きく変わります。

記事下にCTAを置くのではなく、記事中に前後の文脈にあった資料を設置したり、
バナーよりテキストのほうがcvrは高いので、CTAもすべてテキストにしていました。

そもそもSEO順位をあげて、PVをあげることも大事なので
競合の記事を定期的にみて、足りないコンテンツがあればリライト、オリジナリティを足すためにプラスアルファのコンテンツを入れたりしていました。

記事下にctaをおいている人は多いですが、その前にシェアボタンや著者情報などおくとcvrは下がるのでそれも注意しましょう

・CVに繋がりにくい記事からCVRが高い記事に遷移させる

必ずしもCVに近い記事ではないが、内部リンクでCVRが高い記事に遷移させることでCVに繋がることがあります。そのため、関連する内部リンクの設置は非常に重要です

・PVを増やしサイトのドメインパワーを上げる

1万PVのサイトの記事より100万PVのサイトの記事のほうがグーグルの順位があがりやすいため、まずはサイトのPVをあげないとCVRの高い記事も順位があがりません。ということでCVからは遠いけど、PVが取れるキーワードの記事もいれていきます

・フォームやサイトのナビゲーションなどを最適化する

いろいろと述べてきましたが、細かい記事のリライトよりもポップアップフォームを導入したほうが、CVは増えます

導入されていない方は今すぐ導入をオススメです。
また、フォームについても下記は必ずチェックしましょう。

- フォームの項目数はできる限り少なく
- ボタンとフォームページのタイトルをあわせる
- フォームの確認画面は辞める
- フォームのページから遷移リンクはなくす

これだけでCVRが2倍になるとかざらにありますので。

最後に

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