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小学校低学年ですが、塾に行かせるべきでしょうか?


先日低学年の子を持つお母様からご相談を受けました。

小学校に入ったけど、周りの勉強熱がすごい。うちの子は簡単な計算は解けるけど、少し考えるような問題が苦手。塾に入れたほうがいいでしょうか?


勉強が苦手な我が子を見て、将来大丈夫だろうか、と不安に感じるのは親心というものですね。


さらにいろいろお話をおうかがいすると、勉強よりも、勉強がついていけなくなることで、周りと比較して自己肯定感が低くなるのではないか? ということが心配のご様子でした。


「勉強については、極度な嫌悪感がない状態で来ていただければ、あとでいくらでも取り返してあげられますので、大丈夫ですよ。」とお話ししました。ご安心いただいたようですが、言葉足らずだったかもしれないため、今回少し補足したいと思います。


なお「自己肯定感」については、よく聞くようになりましたが、勘違いもあるようなので、別の記事でとりあげたいと思います。


今回は、お子さんが小学校のうちは、勉強勉強と言わなくても大丈夫な理由を3つ挙げたいと思います。


1. 6年生が3年生の内容を勉強すると、簡単に理解できる


3年生でわからなかったことでも、6年生で学び直すとすーっと理解できるということがあります。特に低学年で習う内容は誰でも理解できるようになりますし、解けるようになります。


また、小学校で習うことの多くは、中学校でもまた出てくるのです。焦らなくても大丈夫です。


2. 無理やりやらせることで勉強嫌いになる可能性がある

最近わかってきていることは、成果を上げるためにもっとも大切なことは、「心理的安全性(psychological safety)」という点です。ご存知の方もいると思いますが、Googleの研究成果です。マズローの欲求5段階説とも整合します。


そして、これは勉強にも当てはまると思います。


心理的に安全で(嫌な思いをしたり、ストレスを受けたりせず)、楽しいという感覚で学ぶ場合と、イヤイヤながら学ぶ場合の効果の違いは、少なくとも何倍にもなるのです。


逆に、イヤイヤながら無理にやらせる場合、楽しく学ぶ場合の何倍も勉強しなければなりません。


そして、勉強に対する嫌悪感がついてしまうと、それを払拭するのは何倍も時間がかかります。


つまり、楽しくやれるならいいのですが、イヤイヤながら勉強をさせるくらいなら、その気になってから楽しく、効果的に学べばいいのではないかと考えています。


3. 勉強以外にやっておいたほうがいいことがある
 

特に小学校低学年では、計算ができたり、漢字がわかる、ということ以外にも大切なことはたくさんあると考えています。少なくとも学校では毎日授業を受けているわけですので、それ以外の時間は、勉強勉強というよりは、もっと大切なことに使ったほうがいいと思うのです。


例えば、友達とたくさん遊ぶことです。異年齢の子供達が集まって毎日野山をかけ回れたらいいですが、防犯上なかなか難しくても、友達との関係は大切にしたいですよね。友達との関係からコミュニケーションを学ぶことと思います。


そして、興味のあることをいろいろやるのがいいと思います。特に、リアルに手足を動かし、5感を使ってするのがいいですよね。


そしてその中で「成功体験」「失敗体験」をたくさんできたらいいと考えます。なお、ここでいう成功体験とは、1位を取るとか他の子よりうまくできたということではなく、何もしないよりも練習したほうが成果が得られたという体験です。


実はリアルな体験は、人としての幅を広げ、将来に生きてくるだけでなく、勉強にも必要な探究心、集中力、判断力、空間認識力や想像力、思考力などにもつながってきます。勉強にとっても無駄ではないのです。このことははなまる学習会の高濱代表などいろいろな方が言われていますが、私も実感としてそう思います。


それどころか、リアルな体験が不足しているがために、出てきた答えや読んだ内容に対して疑問を抱くことなく、鵜呑みにしてしまうリスクもあると、ある大手メーカーのエンジニアにお聞きしたことがあります。


お子さんの個性に合わせて

上記のお話は総論となりますが、もちろん、幼少期のガウスのように勉強に興味がある子は、先取りしてどんどん学び、小学校で微分積分あたりまでやってもいいと思います。


一方、そこまでガッツリ数学好きとかではないけれども、何か勉強も教えてあげたいとお考えの方もいることでしょう。


次回は、そんな親御さんに対して、小学校低学年の子向けのアプローチをいくつかご紹介したいと思います。


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