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大阪駅の案内標識が地元民向けになっている問題

フェンリルのプランナーの柴田です。

日本には、常に変化と増殖を続ける自動生成ダンジョン渋谷駅や、ミノタウルスでも封印されてそうな巨大ラビリンス新宿駅など、数多くの迷宮駅があります。梅田駅(大阪駅)も迷宮ランキング上位駅の一つですが、梅田駅の迷いやすさは構造よりも案内標識のせいではないかというのが今回のお話です。

梅田エリアは複雑怪奇

僕は5年ほど大阪に住んでいたことがありますが、住み始めた頃梅田エリアでよく迷子になりました。梅田エリアは7駅が接続されており、路線数も多いのにそれぞれ絶妙に離れている複雑な構造。それが地下や地上や空中で繋がったり分断されていたり、出口があったりなかったりするので慣れている人でも時々迷うレベルです。それに拍車をかけるのが名称問題で、大阪駅=梅田の知識すらなかった僕には最初チンプンカンプンでした。

ここに梅田地下街で接続されている駅を簡単に整理してみました。名称だけでも梅田エリアの攻略が簡単ではないことをわかっていただけるでしょう。

この構造や名称の複雑さに拍車をかけるのが、案内標識がわかりにくい問題です。僕が初めて梅田駅に訪れた時、梅田エリアの案内は構造や名称を理解していない人にはわかりにくい表記になっていると感じました。わかりにくいポイントをまとめると、この2点になります。

・標識によって駅名と鉄道名と路線名の組み合わせがバラバラ

・標識によって急に案内がなくなる、復活することがある

この問題は地元民や慣れている人には問題ありません。しかし、旅行者や不慣れな人にとってはただでさえ複雑気味な構造をわかりにくい案内で進むことになり、なかなかのハードルだと思います。


実際に行ってみた

百聞はなんとやら。実際にグランフロントタワーから谷町線東梅田駅まで案内標識を見ながら歩いて見るとわかりやすいと思います。

グランフロントでの表記では「阪神梅田駅」「阪急梅田駅」「御堂筋線」から始まります。


大阪駅のアトリウム広場では「阪急梅田駅」は「阪急電車」になり、「阪神電車」の案内が消えました。ちなみに谷町線や四つ橋線の案内がないですが、ここは下に降りるのが正解です。


JR駅構内に入ると、「阪神電車」が復活し、さらに「谷町線」や「四つ橋線」「JR東西線(北新地駅)」への案内が出てきます。


地下に入ると、「御堂筋線」「谷町線」「四つ橋線」の表記がそれぞれ「地下鉄 梅田駅」「地下鉄 東梅田駅」「地下鉄 西梅田駅」に、変わります。「JR東西線」の案内は「JR北新地駅」に統合されます。


しかし「地下鉄 東梅田駅」の案内に従って進むと


急に「地下鉄 東梅田駅」の案内表記が消えたりします。どこかで見落として通り過ぎてしまったのか?と思いきや、上ではなく柱の方に案内が書かれています。上の案内ばかり見ていると見逃したりするので注意です。ちなみに、ここに表記がある「梅田駅」は「地下鉄 梅田駅」、つまり御堂筋線の案内となります。3駅梅田駅があるので混乱しがちですね。地元民なら「阪急」「阪神」それぞれ表記があるのでこの案内は御堂筋線であることが判断できます。


ちなみに東梅田駅の改札前の案内は「御堂筋線」「四つ橋線」になっています。なので東梅田駅からこの標識に沿って進むと前の画像の表記「地下鉄 梅田駅」「地下鉄 西梅田駅」の案内に切り替わることになります。


不慣れな人にわかりにくい案内なのでは

このように梅田エリアにおける案内標識は各駅名と各鉄道・路線名をセットで理解し、それぞれの位置関係をなんとなくわかっている人でなければスムーズに辿りにくいように思われるわけです。慣れていない人は「谷町線」「梅田駅」といったキーワード頼りで進むので表記ブレや案内があったりなかったりするととても不安になります。ゆえに、本当に案内を必要とする人にとってわかりにくい案内になってしまっていて、それが無駄な複雑さの原因になっているのではと思うわけです。

原因はおそらく、それぞれの施設やエリアごとに管轄が違うため、梅田エリア全体で案内デザインが行われていないことにあるのだと考えられます。かろうじて路線のアイコンは共通しているものの、表記ルールが場所によって全く違うため利用者を混乱させることになります。

デザインで大切なのは文脈です。自分の施設やサービスの中だけでどれだけ綺麗に統一したところで、その前後も含めた一連の体験を考慮したデザインをしなければ適切に機能しない結果となります。理想的なことを言えば、一連の体験に関わる施設やサービスと連携して全体のデザインを検討できるのが一番でしょう。今回のような地域の案内に関しては行政主導で全体のデザイン最適化が可能なのではないでしょうか。


エリア一帯の案内を見直すことは増え続ける海外からの観光客に対して良い体験を提供する一助になるはずです。大阪さん、ぜひご検討を。

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しばた / Fenrir Inc.

フェンリル株式会社のデザイン部所属のプランナー。主にアプリやWebサービスの企画などを担当。 柴犬が好きだが飼ってないし描くこともできない。趣味は自転車、旅行、漫画、睡眠。 論理的な考え方が好きだが、単純に自分の直感が頼りなさすぎるだけのような気もしている。

Fenrir Designers

フェンリルでデザインに携わるスタッフが運営するブログです。
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