中学生レベル以下の英語力で英語論文を読んでみる =謝辞=
論旨の次は「謝辞」
論文の謝辞に書かれている人を調べるのはとても面白い。日本語論文だと、よく見かける先生方や研究者の友好関係とか垣間見える。
それは英語論文も同じで、アメリカでは日本の歴史研究者は、想像していたよりもずっと多いようだ。
一体どのくらいいるのだろうと思ってググってみると、「欧米に於ける日本史研究の現状と動向」という論文が出て来た。なんでも研究になるものである。
これによると、アメリカではめちゃくちゃ盛んなようだ。古代から近代まで多くの研究者がいる。
もしかしたら、ハリウッド映画にある SAMURAI! SEPPUKU!! NINNJA!!! みたいな「トンデモ日本」に歯噛みしている日本史研究者もいるのだろうな……。
以下、謝辞に書かれていた人物
デイヴィッド・ルーリー David Lurie
マイケルがいのいちばんに挙げている人物。日本文学研究者。日本語訳されている著作もある。
ハルオ・シラネ Haruo Shirane
日系アメリカ人の日本文学研究者。日本語ウィキペディアにも載っている人物。
「源氏物語」や「増鏡」についても研究しているようだ。
ヴィプケ・デネッケ Wiebke Denecke
ドイツの文学研究者。日本だけでなく、中国・韓国も含めた東アジアの文学を研究している。
ジャヒョン・キム・ハボーシュ JaHyun Kim Haboush
韓国人の文学研究者。専門は韓国の歴史や文学について。
マーティン・コルカット Martin Collcutt
日本史研究者。日本語ウィキペディアにも記事がある人物。
吉田早苗 よしださなえ
日本史料編纂所の研究者。
クリスティーナ・ラフィン Christina Laffin
日本の文化や古典文学の研究者。
本郷恵子 ほんごうけいこ
言わずと知れた日本中世史研究者。日本中世史オタで知らぬ者はいない。
木下竜馬 きのしたりょうま
御成敗式目の研究者。
クリスティーナ・バーマン Kristina Buhrman
近世専門の日本宗教研究者。
ミシェル・ダミアン Michelle Damian
日本中世史研究者。瀬戸内海の海賊について。クリスティーナ・バーマンと共同で本がある。
ウィリアム・ウェイン・ファリス William Wayne Farris
鎌倉~室町時代の歴史人口学者として、日本でも有名っぽい。
シェリー・フンチズ Sherry Funches
日本中世貴族の研究者。
ダニエル・シュリー Daniel Schley
日本中世の天皇の研究者。ドイツ人
デイビッド・アザートン David Atherton
近世の日本文学・文化の研究者
エリン・ブライトウェル Erin Brightwell
日本文学研究者
ジェニファー・ゲスト Jennifer Guest
日本古典文学と漢文研究者
キム・ユミ H. Yumi Kim
韓国の日本史研究者。戦後日本のジェンダーや精神医療の歴史について。
スコット・オブライアン Scott O’Bryan
東アジアの歴史研究者。戦後日本の発展についての著書がある。表紙がめちゃカワイイ。
マシュー・トンプソン Matthew Thompson
軍記物研究者。源義経についての論文がある
妻への愛を語る文化
欧米の論文には、必ず最後に家族への愛を語る。多分文化の違いだろうなぁ。アメリカでは必ずカップルとセットになる文化があるらしいし……。
論文に突如現れる惚気はこっちが赤面してしまうけれど、ラストの一文は告白する英文の参考になるのではないだろうか。
ちなみにこの論文では、「You are one in a million」
君は百万人の中のただ1人、特別な存在だ。
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