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大蛇に変化する女と椀貸伝説

岐阜県に「蛇穴(じゃあな)」という鍾乳洞がある。
詳細のあるサイト→ http://www1.plala.or.jp/CUE/cave_hebiana.html

昔、この穴に「乙姫」が住んでいた。
冠婚葬祭の時に、食器が足りなくなった時に、「膳〇人前」と札に書いて穴の前に置いておくと、次の日の朝にそこに置いてあった。

ある年、ある村でお祭りに使う鼓が足りなかった。そこで乙姫に鼓を五つ借りた。
その鼓があまりに珍しかったので、四つだけ返して、一つは取っておくことにした。

すると村に干ばつが襲った。
雨ごいをすると激しい雷雨になり、落雷であちこちに火事が起こった。

そして穴から大蛇が出てきて天へと昇って行った。
それからは、もう何も貸してもらえなくなってしまったとさ。

これは「怒りのあまり蛇に変化する女」「椀貸伝説」そして「海に通じる穴」の3つの伝承が合体している、面白い伝承だなと思った。

「椀貸伝説」

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