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「白ゆき姫殺人事件」を見て、他人から見た自分に思いを馳せた話

Amazonプライムで「白ゆき姫殺人事件」を見た。

公開当時、気にはなっていたんだけど映画館では見る機会を失っていた。

公開されたのは2014年3月。私はTwitterを始めて3年目ぐらいの頃。何呟いてたかなーと思ってたら、ひたすらアナ雪が良かったと言っていたw

当時もTwitterやってたけど、個人アカでバズとか炎上とか、よっぽど下手打たなきゃないと思ってたし、5年前より今の方がよりこの「炎上」が「誰にでも起きる事」という恐怖に感じると思う。

Twitterでの炎上は、私が語るよりも、1人1人は「実感」として持った方がよいと思うので、この記事では書かない。

私が注目したのは井上真央さんが演じる「城野美姫」と、菜々緒が演じる「三木典子」

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他人から見た「自分」のあやふやさ

人は社会生活を営んでいる以上、他人からの評価からは絶対に逃れられない。「城野美姫」はまさしく、人によって評価が違うというのを表すキャラクターだった。

物語はまず、会社の同僚から見た「城野美姫」を描く。

いつもオドオドしていて自己主張はしないが、ふとした瞬間に不気味ささえも醸し出す、いわゆる陰キャ。美しく人望もある三木典子に嫉妬して殺害してもおかしくない、と思われている。

だが、大学時代の友達からは「とても殺人するようには見えなかった」という。少し暗くてドンくさくて奥手だけど、優しいところがあると。

地元の知り合いや同級生からは、異質で人を呪う魔女として見られていた。

そんな証言で構成されたVTRがニュース番組で全国で流れる。

美姫はそれを見て、「これが私?」とわけがわからなくなる。

美姫自身から見た美姫は、たしかにロマンティストというには妄想癖が強すぎるけれど、それでもごく普通に成長し、恋をし、就職し、仕事をしていた。

ただ、ちょっと嫌がらせのターゲットになりやすいタイプだった。

そして真犯人がつかまり事件が収束し地元に帰った時、VTRを作ったディレクターとお互いが何者かを知らぬまま会話する。

その時、ディレクターから見た美姫は「田舎の素朴で優しいお姉さん」だった。

この色んな人から見た「美姫」を、井上真央さんが見事に演じ分けていた。

どれも全く別人だけど「美姫」なのだ。自分から見た自分と、他人から見た自分はこうも違うのか……。

三木典子もまた「他人から見た自分」に囚われている

三木典子のような女性は、稀によくいる

というか、女としての人生を何十年もやってたら、1人や2人そんな女性を見かけるものである。

多分、典子のようなタイプの女性は、他人から見た自分が基準になってしまっているんだろう。

「自分と言えばこれだ!」という絶対的なアイデンティティを持てない悲劇。「あの人より優秀」「この人より美人」「その人より幸せ」という相対評価でしか自分をはかれない。

だから自分より劣っていると思っている人をそばに置きたがる。自分より優れた面がある事を認めず、それを発見してしまったら自分の価値を脅かす「悪」と断じて攻撃せずにはいられない。

本人はすごく生きづらいだろう。

だがしかし、そばに置かれている人間はもっとつらいのだ。

そんなトラウマを刺激されるほどに、菜々緒のコレ系の演技の素晴らしさよ……。

というわけで、なんかこう、今まであえて考えないようにしていた「一度考え始めたらスパイラルしそうな思考」を適度につついてみたい時に、白ゆき姫殺人事件、かなりおススメです。


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やったぜ
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樽瀬川

ライターをやっています。 観光・歴史・文化系の記事が得意です。

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