昨日の早朝、身元不明の死体が３体発見されたのを覚えているかしら？
　どうやらそれ、【この中の誰か】らしいのよね。
　つまり、今この場にいる１３人の中に、【死んだはずの人間が】３人も紛れているの。
　…もうわかっているでしょう？
　今から始めるのは、死人を炙る命を懸けた話し合い。
　死者を冒涜する【人狼を、殺す】ための戦いよ。

　満月の夜、人を喰らった狼が人狼になり、喰らった人間の姿と記憶を得る。
　喰われた人間は、そのとき加護の力を、信頼できる生者に授けるらしい。
　占い師、霊能者、狩人。
　毎夜一度しか使えない能力で、僕らにとって有益な情報であり、人狼にとっての脅威だ。

　能力者を少しでも守る為、僕らが今取れるのは――
　より親しい者同士でグループを作り、疑わしい人物を探すこと。
　大切だからこそ疑え。
　僕らが育んできた信頼は、こんなことで揺らいだりはしないんだから。