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スガダイロー 新宿ピットイン4DAYS 3日目 ソロ 2016.7.9 sat # LIVE no.6

LIVEは体験するものだ。音楽は食べるもの。それを知った後のソレは知識なのかもしれないし、知識がなければ知覚認識できない音(味)もある。

でも、この日のダイローさんのピアノの音色を味わっていたらやっぱり思ったんだよね。知識じゃないなって。

この夜、この音楽の実を食べる前と後の私は違う私に違いない。音楽は吸収され、心と身体に溶けていく。私を作り変えたもの、それを知識とはなんとなく呼びたくない。知ってるか知らないかではなく、その日その場所でその時間にだけ実った果実を食べたか食べてないか。それだけなんだと思う。

スガダイロー、新宿PIT INNでの初ソロ演奏、音楽、空間、ともに素晴らしい時間だった。いや~いいわ~ピットイン。名作映画10本分くらいの栄養、余裕であったよね。贅沢!


① 1部

40分(二息)

↓らしい。

②休憩

③N中村氏物販紹介

④2部

35分くらい一気に

緩急織り交ぜた即興?指先から肘まで使って弾く驚愕の超絶技巧。速くしなやかな手指の動きはめっちゃ滑らかに、それでいてしっかり鍵盤一つ一つの芯を打つ。あんなんでマッサージされたら昇天必死だね。ご自慢の靴でステップ入れたりリズム口ずさんだりもしてた。

そんでもって穏やか…とはまた異なった艶やかで輝く美しさ、激しさも伴うスローテンポ混ぜたりね。知識はないけどJAZZのカッコ良さってこういうことかと。そりゃモテるわ。打楽器のようで弦楽器のようでそのどちらとも異なる鍵盤楽器。楽しいも激しいも暴力的でない狂気も優しいもキラキラもあってそのどれもが美しい。なんて贅沢な音色、空間、時間なんだろうって天を仰いだ。てかピトインいいわ~。

驚愕の超絶技巧に関してはソロ冥利に尽きる。アレだけの演奏についていける、演り合える音楽家なんてそうそういないだろうしね。スッゲーよもう。止めどなく止めどなく止めどなく溢れ出る怒涛の、でも美しい音の残響が重なりウネリ狂ってノイズみたいな轟音になってた。あんなグランドピアノの生音初めて聴いたわ…圧巻が過ぎるぜダイローさん。

くぅぅぅぅ…いいなぁぁぁぁ!!!!!

て思ったのは、そのまま終わらせなかったところ。心憎いよ色男。ノイズ中村さんの余韻を残さぬよう暗闇で間を空けてから始まって、超絶技巧を惜しみなく発揮した後はまた静かに、鍵盤に手指を沈め、止め続けていた息をス~と吸うように浮かび上げて終幕。まるで「余韻」っていう目に見えないものが目に見えるような幕引きだった。

素ぅぅぅぅ晴らしかった!

⑤EC

2部の時点でLIVEという一つの作品は完成していたはず。それなのに、ECでの5分ほどの演奏が、私には画竜点睛のように感じられた。この時間なくしてここまでの充足感、幸福感は得られなかったよ。

ダイローさんの生演奏を始めてみたのは去年の9/2にマヒト君と演ったとき。その日の「おんがくの果実」は私が今まで体験してきた中で読んで字の如く「至高」の味、これまでの人生におけるメインディッシュだった。

その日の味わいを彷彿とさせるような、エモーショナルな美しいグランドピアノのメロディ…スローダンス、優しくて悲しくて大事で切なくて嬉しいのかもしれないのに寂しくてよくわかならい。何ともいえない感情が心の底から湧き上がってくるような…音楽だった。

[ メモ ]

・ダイローさんピトイン初ソロ

・19:15くらいに買った当日券で38番券(でも9割くらいは埋まってた)

・前から3列目下手側(手指や足の動きなんかはよく見えたけど、お顔があまり観れなかったのでアレだけの演奏をどんな表情でやってらしたのかすごく気になる)

・去年でたソロ作ようやく購入

・ノンさんいた(GACHI) 笑


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