なんとなく、自分にとって今回のにじのほし8は3、4、7との繋がりなくして語ることができない。忘れないうちに、ざっと記しておく。

　渋谷LUSHはPAさんが凄腕らしい。これはにじのほし7のときに終演後余韻に浸っていたら灰野さんが出てきてPAの方はどなたですか？とわざわざ探して「すごくやりやすかったです！」と直接お声をかけていたのをみて知ったこと。実際すごくクリアで聴きやすかったし、何より耳鳴りしないんだ。後日不失者をここでやったときもそうだった。

　この日のPAさんも同じ人かな？やっぱり素晴らしかった。最前上手スピーカー真正面でもむしろそこでよかったと思えるくらいの極上な轟音、戦慄き、キラキラ光る綺麗な旋律とうた声を浴びることができた。一生ぶんのディレイを踏んだんじゃないかっていうマヒト君の足元はスピーカーに隠れて見えなかったけれど、上半身はバッチシ間近で観ることができた。個人的には「見えた」ってのがポイントになる日だった気がする。マヒト君、一人だけ端に寄り過ぎてたから、おそらく下手側の前の方から斜めに観れる人じゃないとよく観えなかったと思う。

　けっこう人ビッシリ埋まってた。立見エリア確保するために椅子を中ほどくらいまでしか出せなかったくらい。

[全体の流れ]

①山本精一×マヒトゥ・ザ・ピーポーDUO 約40分

②ヤマジカズヒデ×マヒトゥ・ザ・ピーポーDUO 約50分

③山本精一×ヤマジカズヒデDUO 約50分

④山本精一×ヤマジカズヒデ×マヒトゥ・ザ・ピーポー 約50分

①山本精一×マヒトゥ・ザ・ピーポーDUO

　これはもう本当に素晴らしかった！にじのほし7もよかったけど、あのときは2016.10.20、GEZANが活動休止していたときで、タイミングが悪かったてのがある。そう言い切れるくらい今回のがめちゃくちゃよかった。精一さんがドッシリとしたエレキで地を満たすなら、マヒト君は天上のエレキの高音で上空を飛ぶようで、お互いがお互いの領分を犯さずに空間のキャンパスをそれぞれの音色で彩っていく様はおんがくで語り合っているというか、わかり合えているように思えた。マヒト君は赤いパーカーのフードを目深に被って表情も見えないようにしてたし（自分の席からはチラチラ見えたけど）、精一さんも同様にほとんど正面を向いていたけれど。

　マの指、めっちゃ細かく動きまくってて、見様によってはまーエロかった 。てかめっちゃ動いてた。そんな運指で細い弦弾きまくったりして高音の音像作り上げるもんだからもう天上のエレキって感じで、そんな音像灰野さんくらいしか知らないんだよね。といっても、この後でそれに近い感じのヤマジさんに出会うわけだけど。

この方↓のお力を勝手にお借りして辿っていく。

　二人でセッションをひとしきり終えた後、うたに入っていく流れ、これはダイローさんとのにじのほし4でもそうだったんだけど、これがまたたまらなくいい。場を高めて高めて高めまくった後に　ふっ　と静かになってうたにはいってく流れが。ダイローさんとマヒト君のときの「SLOW FLAKE」、アレは今まで生きてきた中で最も静かで美しく眩いblue hourだった。あれ以来SLOW FLAKE聴けていないんだよなぁ…。

　今回マヒト君が選んだ曲は最近作った新曲「ヘブン セブン デイズ」（タイトルも表記も不明）、初めて観たのは2/26のモルタルだったか？七針のとき、天国も地獄も現実も全部同じ住所のところにあって裏か表かみたいな曲って言ってたやつ。この日のはすーーーーーーーーーーーーばらしかった！！！精一さんの伴奏エレキちょーメロディアスで穏やかな陽だまりの湖に日の光が反射してるみたいにアダルトに温かくてキラキラだし、マーの声は信じられないくらい無防備に素直でエレキもこどものような音色あげてるし、もうすーーーーーーーーーーーーーーーーーーーばらしかった！！！！！！！！！！この曲だけで満たされちゃうくらい。

　そこからまたとんでもねー穏やかで天上で極上なフィードバック挟んで次は精一さんがうたへ。「空の名前」、この曲選んできたことそのものに意味がある気がするし、この日のMVPはやっぱり精一さんだと思う。この日一日でいろいろな精一さんを観た気がする。ROVOの精一さんもいたし、MOSTの精一さん、弾き語りの精一さん、他にも自分の知らない精一さんがあの一本のエレキの中に垣間見れた。一番グッとくるのは、精一さん、にじのほし企画のときはほんとうに真摯なんだよな。それは自分が少しでもかとうさんという企画者さんのこの企画に対する思いに触れていたり、物販に立ったり寒空の下フライヤーを配ったりしている姿を見てきたからそう感じるのかもしれないけれど。兎に角マのエレキも精一さんのうた声もエレキも尋常じゃない和音を奏でててもう心の底からの拍手を贈らずにはいられなかった。素晴らしいしかいってないけど、ほんとうにほんとうに素晴らしいDUOだった。

②ヤマジカズヒデ×マヒトゥ・ザ・ピーポーDUO

　かの有名なヤマジさん、初めて観ました。だからきっと誤解や気づけなかったことも多いと思う。自分、音楽の知識もないし。それでも、あくまで自分がどう感じかたかってことが大事だと思うし、ここに残す意味でもあるわけだから、私感としての記録として。初めはぶっ太いエレキだったからマの高音といい棲み分けができていた。けど、ヤマジさんはそれをルーパーにかけてマと同じ音域、音色を出してきたんだよな。それでマノ指の動きが鈍りだしたように見えた。音像としてはすごかったと思うし、目を瞑って聴いていればスッゴ！なってたかもしれないけど、観えちゃったんばよね。ヤマジさんが立ち上がって煽って？も我関せずなマや顔を覗き込んでも無反応なマに戸惑うヤマジさんの表情なんかが。スゲー音像だったけど、ヤマジさん一人で自己完結しているように感じた。アレの内一体どれだけがマの音だったのか？正直わからない。マヒト君はただ一人譜面を持たずにステージに座っていた。精一さんは譜面自体がすでに自由だろうし、譜面があったところで臨機応変にいくらでも対応できるだろう。DUOにおいて、ヤマジさんは音楽で語り合うことができていたのだろうか？相手の余白を塗りつぶすキャンパスを見たようで、それはなんとなく相手が喋ろうとするとそれを遮って自分の話をする人のような印象を受けた。まぁマが「夜空のムコウ」うたってるときなんかはちゃんと一歩引いて低い方出してたけど。そんでもってそのときはマのエレキもヤマジさんのエレキもめちゃんこいい和音のフィードバックっていうの？奏でてたんだけど。

　でもそう考えるとマが色を変えてもよかったのか？てかそもそも自分何もわかってなかったんじゃないか？てか自分マヒト君びいきが過ぎるのか？って気がしてきてもう何もわからない。自分の感想がひどい誤解で、この文章自体自分の無知をさらけ出すような恥ずかしいものかもしれないけれど、それならそれでちゃんと知りたいからわかる人がいたらほんとうのことを教えて欲しい。

　あとヤマジさん、マのこと最後のTRIOでやったときのような感じになると思ってたんじゃないだろうか？って気がする。立ち上がって煽ったりしたのとか、そんときの赤い照明とか。ダイローさんもはじめそういう印象だったって言ってた(サイン貰うときに聞いた）。ダイローさんはそれでもやってる内にああいう感じの方がいいと思ったからそうしたって言ってて、それ聞いたときに即座にそこまで感じ取って切り替えて即興でアレだけの演奏をしてアレほどにマヒト君のおんがくを引き出してたとかこの人まじスゲーな！ってファンになったの思い出した。

　「夜空のムコウ」あたりからはよかったんだよなぁ…。なんなんだろう…凹む。そこからセッション、からの「めのう」もむちゃんこよかったよ。たぶん自分の誤解なんだろうな。エレキの煌めきも素晴らしかったし、何よりもマヒト君の歌声、精一さんのときと同じく、とても素直で素敵だったから。とか書いてたら段々ヤマジさん、ああいう顔の真面目な人なのかもしれないなって気がしてきた。ごめんなさいヤマジさん。あと自分、ディレイがよくわかってないんだろうなたぶん。それがわかってたら印象だいぶちがかったんじゃないかってこのツイート↓読んでたら思えてきた。

③山本精一×ヤマジカズヒデDUO

　このDUOについてはもうこのお方に頼った方がいいと思う。自分としても私情(マヒト大好き！）を挟まずに凄い人たちの凄い演奏、DUOを素直に楽しめたし。やっぱりこのくらいの距離感が適正なんだろうな、本来は。

④山本精一×ヤマジカズヒデ×マヒトゥ・ザ・ピーポー

　さすがだぜ、かとうさん！とガッツポーズとらずにいられない満漢全席感。終演22:45の大ヴォリューム、マジ最高！！！コップに入ったビール飲みながら極悪マヒー先頭に三人再び登場。マヒー、客電落ちる前からフライングスタートでノリ狂ったようにめっちゃロックテイストな「待夢」ぶちかますもんだから二人ともしばらく目を瞑ってどう合したもんかと思案してた 笑 

 まずは精一さんが即興かましだしヤマジさんもピーキーだかノイジーだかで合わせだし、もはやリズムライン刻むマヒー以外の音はどっちが出してんのかわかんなくなるくらいだった。

　圧巻はそこからだったよな。極悪マヒーがそのままロックテイストなリフ続けてたらノイジーカオスな展開になって精一さんがON FIRE！キターーーーーーーー！！！！なったよね 笑　ROVOばりのカッティングにMOSTの「ハタ坊」ばりの凶悪な暗黒リフぶちかましだし俺首縦ノリ、座りながらのヘドバン地獄、こんときもうどちゃクソサイコー過ぎてやっぱり精一さんスゲーーーーーーーーｗｗｗｗｗｗｗなってもうどれが誰で誰がどれとか訳わかんなくなってブチアガッてた。だから今思えばヤマジさんも自分が気づけないだけでこのときとか実はサイコーだったのかもしれない。

　そこからはもうロック！ここだけで血液沸騰して頭にも血ィ上ってぶわって汗かいてヤバかった。キーパーソンは精一さんのゴン太エレキだった。まじMVP。でその後ね、マヒーがもうね、ふんぞり返るくらいドカッと椅子にこしかけてね、極悪だったよね。ビール飲んでね、口半開きでね。足はスピーカーじゃなくてちゃと自分の膝の上にドカ置きしてたけどね 笑 ふつうだったらイヤお前大先輩と一緒にやっててそりゃねぇだろwwwwなるところだし、実際マヒーを見るヤマジさんの怪訝というか？？？な表情はこっちまでドン引きしかねないっつーかちょっと引いちゃってたくらいだけど。まぁめちゃくちゃだったけど、それも段々良くなっていってヤマジさん立ち上がって精一さんとフード目深にかぶったマヒーの顔をわざわざ独りずつ覗き込むようにして煽ってんだんかしてそれをシカトされてもフロアに背中向けて立ってたのとかよくわからなかったけど心臓に悪かったわ。

　だってマヒー、弦切れたんじゃないからねアレ。ツイッターで感想漁ってたら後ろで観てた人たちは弦切れたと思ってたみたいだけど。アレ、一番太い弦だから。でもってマヒーが弦ゆるめていって自分で抜いただけだから、ドカッと座りながら演奏中に。正直ドン引きですよ。え？裏で誰かマヒーの地雷踏んじゃったの？って思ったよ。で、抜いた弦でビタンビタンやったり結んだりギター横にして掻き毟ったりポンポン叩いたり、終いには　え？まだやるの？？みたいな顔してシールド抜いて一人先にステージ後にしちゃうしな。ヤマジさん？？？って顔してたけど、精一さんは菩薩のように一人微動だにせず演奏続けてるからヤマジさんも戸惑いつつ残って二人でちゃんと終わらせてたけど。普通だったらブチ切れてもおかしくないのに、さすが精一さんだよな。むしろ嬉しそうにすら見えたってのは、そうだったらいいなっていう自分の願望だろうけど。精一さんほんとMVP。

　正直やっぱりちょっとショックだったけど、よくよく考えてみるとなぜか4セット目だけヤマジさんも電子タバコ？プカプカしながらやってたし（それでスライドしたりしてた）、4セット目はそういう趣向だったのかもしれないなって気もする。違くてもOKだけど。あとカルロスのツイートとレミーのリツイートもナイスフォローだった。

　謎を残して終わるのもおもしろい。なんにせよ、素晴らしいおんがくの時間で御座いました。(雑なパクリ)

かとうさん、本当にどうもありがとう！