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【洋画】めまい(1958)

監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジェームズ・スチュアート、キム・ノヴァクなど
上映時間:2時間8分

サスペンスの巨匠、ヒッチコック作品「めまい」鑑賞しました。

サンフランシスコの刑事、「スコティ」ことジョン・ファーガソン(ジェームズ・スチュアート)は、事件で容疑者を追っている際に、同僚の刑事を屋根から転落死させてしまったショックで高所恐怖症になった。その影響が仕事に支障をきたすと、スコティは刑事を辞職する。

そこに学生時代の友人のエルスター(トム・ヘルモア)が現れ、自身の妻・マデリン(キム・ノヴァク)の様子がおかしいので後をつけて彼女を監視してほしいと頼む。スコティは監視しているうちに、彼女の曾祖母で過去に非業の死を遂げたカルロッタの亡霊が彼女に取り憑いていることが分かる。

尾行を続けるとマデリンは海岸で投身自殺を図る。間一髪でスコティが救助し一命を取り留め、スコティは気を失ったマデリンを自宅へ連れていく。目を覚ましたマデリンは海に身を投げた記憶はないという。そしてスコティが一瞬目を離したすきに彼の家を去る。その後もスコティはマデリンの尾行を続けるが、やがて二人は恋に落ちていく。

いやー、さすがのヒッチコックです!!名作!!最初から最後までバクバクドキドキさせられっぱなし。僕の大好きなヒッチコックの格言がありまして、「Drama is life with dull bits cut ouy(ドラマとは人生から退屈な部分を無くしたものだ)」。この映画もまさにこの格言通りです。不要な部分がひとつもない。マジでカッコイイ仕事っぷりです。

そしてサスペンスの巨匠と呼ばれる所以なのですが、緊張の糸を絶対に切らしません。これは演出の妙です。特に場面切替は見事。フェードイン・アウトやBGMでの場面接続を駆使して、我々に一瞬のよそ見も許してくれません。マデリンを車で尾行する場面なんか、視覚的には単調なはずなのに、怖い音楽を駆使して「何かおこるんじゃないか?」という緊張感を煽ります。これも別のヒッチコックの格言「There is no terror in bang, only in the anticipation of it(突然起きる恐怖はない。予感させることで恐怖は成立する)」を体現したもの。本当に作品中、ずっと予測や予感が止まりませんでした。

カメラワークも床に落ちていくような「めまいショット」を筆頭に、ヒッチコック独自の演出が光ります。僕は中盤で出てくるスコティの夢の演出がとても好きでした。色を効果的に使うのも、彼の演出の特徴ですね。

脚本も見事。特にエンディングは痺れました。マジでカッコイイ終わり方です。主演のジェームズ・スチュアートもさすがの安定した演技力。彼は目が特徴的だなと。外見的美しさも然りですし、心の内を色々物語っています。ちょっと悲しさが混じっているのがたまりません。

「めまい」はヒッチコックの演出が光る、傑作サスペンス映画です。おもしろいし、ドキドキするし、カッコイイ!


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