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【洋画】黄金狂時代(1925)

監督:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン、マック・スウェイン、ジョージア・ヘイルなど
上映時間:1時間22分

チャップリンの「黄金狂時代」鑑賞しました。2度目の鑑賞。

アメリカのアラスカ州では、金鉱の発掘し一獲千金を夢見る人たちが集まっていた(ゴールドラッシュ)。その中の一人チャーリー(チャールズ・チャップリン)は吹雪で遭難して、お尋ね者のブラック・ラーセンが住みつく家に上がり込む。やがてビッグ・ジム(マック・スウェイン)という男も同じく遭難して家にやってきて、今度は逆にブラック・ラーセンが追い出されることに。チャーリーとビッグ・ジムは飢餓や寒さなどに耐え、紆余曲折を経て別れることに。

家を出たチャーリーは麓にできた新興の街にやってきて、酒場にてジョージア(ジョージア・ヘイル)に一目ぼれする。ジョージアも後にチャーリーが自身に好意を寄せていることを知る。
一方のビッグ・ジムは遭難する前に金鉱を探し当てており、その場所に戻るが、待ち伏せしていたブラック・ラーセンに頭部を殴られ記憶を失う。彼は記憶を徐々に思い出すが、金鉱の場所は思い出せない。その時酒場にてチャーリーと再会し、金鉱を見つけるために雪山に戻っていく。

チャップリン作品の中でも初期の作品で、「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」という彼の名言をまんま形にしたような作品になっています。遭難も飢餓も、家が崖っぷちで傾くシーンも、本人からしたら笑い事じゃないけど、第三者としてみると笑える。チャップリン特有の笑いの型が色濃く反映されています。

そしてチャップリン作品はやはり音楽が秀逸です。特に好きだったのは酒場で恋敵と対峙するシーン。終始手玉に取られているチャップリンですが、アクシデントで2階から落ちてきた時計がその男に直撃し、気絶します。その後あたかも自分がやっつけたかのように帰っていくチャップリンに流れる曲は「威風堂々」。達成感を演出する音楽と、やっつけ方の滑稽さとの対比が素晴らしく、大笑いしました。

そして感謝祭で飢餓に苦しむチャールズが、自分の靴を食べるシーンはやはりこの映画一の名場面です。その発想力も靴を食べ物に見立てる演技力もそうですが、何よりこのシーンの撮影だけで3日要したというのがおもしろいですよね(笑)。テイク数はなんと63回。海藻でできた靴を63回も食べたせいでチャップリンとマック・スウェインはひどい下痢に悩まされたそう。「人を笑わせるのは真剣なビジネスだ」というチャップリンの名言そのものですね。プロです。
あと靴の革よりも、靴底が美味しいってのが芸が細かくて面白い(笑)


「黄金狂時代」はチャップリン映画の中でも初期の作品で、物語とコメディに振り切った作品。軽い気持ちで笑い飛ばせる、楽しい作品です。1920年代にこの映画を作るって、とんでもないことです。

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