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JICA駒ヶ根青年海外協力隊訓練所での生活(2023-4次隊)

JICA海外協力隊に合格した人は、語学訓練免除者を除き派遣前訓練(ハケンゼンクンレン)への参加が求められます。(ハケンマエクンレンだと思うんだ・・・でも外務大臣からの祝電でも「ハケンゼン」って書いてあるからそういうものなのでしょう。)
なおこれは訓練であり、研修ではないので「しつけ」の意味も入っていると理解。


コロナ禍前は訓練期間が75日間程度(2か月半)でしたが、コロナ禍中に訓練開始前2週間強制隔離制度や外出・集会禁止制度等の制限を設けつつ訓練は再開し、私たちの次の隊(2024-1次隊)からは昔の訓練期間・訓練人数(170人程度)に戻るようです。

そんなこんなで、2023-4次隊は104人で、60日間という通常の約2/3の人数・日数で訓練をこなさないといけないハードなスケジュールでした。

0.一日の大まかなスケジュール

 7:20~ 7:50 朝食
 8:15~ 8:25 朝礼
 8:45~11:40 授業3コマ(語学がメイン)
11:40~13:00 昼食
13:00~14:50 授業2コマ(語学がメインor火曜は予防接種)
15:10~17:00 授業2コマ(必修講座or語学自習)
17:50~18:40 夕食
19:00~22:00 フリータイム(オンデマンド/選択講座、宿題、課題、運動、自主講座等)*帰所門限 22:00
~22:20 大浴場Close

1.    語学授業

今回の訓練所は、スペイン語、フランス語、ポルトガル語、英語、キルギス語、ロシア語、ネパール語、タミル語、シンハラ語、ベンガル語と10ヶ国語に対応。
各クラスは少人数制で、レベル(クラス編成テストあり)を加味して5人まで。希少言語はマンツーマンのクラスもありました。

2.    必修講座

主に4テーマで構成されているように感じました。
① 日本の国際協力(協力隊の歴史、JICA事業概要、帰国後の社会還元、世界の宗教etc.)
② 安全管理(防犯対策、交通安全etc.)
③ 健康管理(感染症、栄養、予防接種etc.)
④ 活動管理(プロジェクトマネジメント、ファシリテーション、異文化理解、多文化共生、在外拠点オリエンテーションetc.)
これが1単元2時間程度ありまして、すべての講座でフィードバックを求められます。
講座の一部はオンデマンド講座となっており、毎週1単元、フリータイムか土日に視聴して月曜日の朝までにフィードバックを提出します。

3.選択講座

受講は任意、平日のフリータイム(19:00~21:00)や土曜日開催が多い。もともとは必修であった講座もあるようですが、ポストコロナにおける訓練期間短縮に伴い選択になったようです。個人的には選択講座の方が必修講座より学びが多かったです。全部必修でもいいくらい。
選択講座の例:
SDGs体験演習、異文化体験演習、JOCVヒストリー、体力維持講座、国際協力人材セミナー、異文化におけるコーチング

4.フリータイム

訓練前半は夕飯後のフリータイムに単語勉強したり、運動したりと時間管理できていましたが、中盤以降は、オンデマンド講座や選択講座の受講、自主講座の準備等で、宿題に取り掛かれるのが21時だったりと中々充実した時間を過ごすことができました。

5.自主講座

様々なバックグラウンドを持つ隊員同士が、これまでの経験や知識をシェアする講座を各自で開催。以下は受講した自主講座の例です。これらはメンバーによって様々です。
・マイクロファイナンス概論(初級編)
・環境教育とインタープリテーション技術
・障害児/者との向き合い方、接し方
・震災ボランティア運営側の視点
・理学療法士による姿勢改善
・栄養士による現地での経口飲料水作成講座
・服飾業界の環境問題
・コンポスト勉強会
・チャットGPTの活用術
・アクティビティとコミュニケーション
・コーヒーワークショップ、生産地の社会環境問題
・食品残渣対策研究会
(他:南極のお話会/剣道教室/柔道教室/少林寺拳法教室/護身術教室など)

食堂のフードロスを考えよう!食品残渣研究会
南極のお話会:30人くらい集まってくれました。

6.休日

土日は基本お休みですが、選択講座や自主講座があったりして完全フリーの週末は全8回中4回だけでした(なお祝日も訓練はあります)。これも訓練期間が75日間に戻って、選択講座が平日に入ればもう少し緩和されるはず。
冬の長野なのでスノボに行く気マンマンでしたが、駒ヶ根は雪が少なく、またレンタカーの運転が禁止されているので諦めました。
代わりに千畳敷カールや、諏訪湖の周りで土偶を見たり温泉入ったりしてリフレッシュ。

訓練所の貯水池:星や自然に癒されました
この土偶、必見!

7. その他行事

駒ヶ根周辺の市民の方々との交流会や、秋篠宮殿下・妃殿下へのご接見(東京への日帰り)などの行事もありました。
秋篠宮殿下・妃殿下は駒ヶ根と二本松で総勢200人程度(×年4回)と一人一人と目を見てお話しくださりまして、大変ありがたいお時間でした。

住民交流

8.訓練終了

訓練の最終週に語学授業と必修講座の最終試験がそれぞれあり、それらに合格して晴れて「候補生」から「協力隊員」になります。
出発日は派遣国によって異なりますが、おおよそ訓練終了後から1~2か月程度で派遣されます。その間は各自で語学の勉強をしたり、アルバイトをしたり、行政手続き等を済ませないといけません。
また訓練後も職種によっては事前研修があり、例えば「環境教育」では計5日間の研修があります。
併せて都道府県知事と市長への表敬訪問等があります。

このように多くの関係者のご支援のもと、JICA海外協力隊は準備を行い世界各地に派遣されます。訓練終了してようやくスタートラインに立ったところ!任国での活動や帰国後には、受けた支援を社会還元したいです。

朝礼では国紹介を行います。メキシコのメンバーで紹介した時の写真を絵にしてくれました(本当に多才な人がいるんです)。

9.気温や服装

1月~3月の長野ということで、寒いと思って向かった駒ヶ根。
確かに最初の1週間は寒かった。しかも部屋の暖房(セントラルオイルヒーター)は夜23時から朝5時まで切られてしまう。
同期隊員で訓練所と掛け合って、暖房の時間を延ばしてもらったりしても、やっぱり最初の1週間は寒かった。
でも人間って環境に慣れるもんですね~、心配して持って行った防寒具や、急遽購入した湯たんぽなどは途中から全然使わなくなりました。
ダウンベストとか持ってる人は丁度いいと思いました。
寒さには個人差があります。

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