見出し画像

地域ボランティアと大学生が繋ぐ、手作りの温もりと学び合いの人形劇プロジェクト #1

私は、滋賀大学彦根キャンパスで、学生たちが地域の企業や人と関わり合いながら学びを深めたり、スキルアップをする教育プログラムを作る仕事をしています。それを業界用語では、PBL学習(Problem, Place, Person based learning)と言ったりしています。そのPBL学習の一環として、学生が主体となって人形劇を制作し、高齢者デイサービスで公演を行うプログラムを実施し、今年で3年目迎えています。このプログラムのユニークな点は、指導者をプロや研究者ではなく、地元彦根市の人形劇ボランティアグループ「我楽多」が務めていることです。

地域のベテランと学生の架け橋
「我楽多」のメンバーは、30年以上のキャリアを持つベテラン人形劇師たちです。学生たちは、彼らから人形制作、脚本、演出などの指導を受けながら、初めての人形劇制作に挑戦します。
このプログラムの狙いは、学生が以下の能力を向上させることです。

  • 企画力・演出力

  • 相手に伝わる表現力

  • 手作りの温もりを再認識すること

  • 地域の人々と交流し、学ぶこと

一方で、「我楽多」にとっても、学生との交流を通して、長年培ってきた経験や知識を伝える貴重な機会となっています。また、学生の視点を取り入れることで、新たな刺激やアイデアが生まれ、地域ボランティア活動の活性化にも繋がることを期待しています。
プログラムの初回では、「我楽多」による紙芝居、手遊び、人形劇の本編からなる実演が行われました。学生たちは実際に人形劇に触れることで、今回の授業で大切にしたい価値観や作りたい劇のイメージを膨らませました。
その後、ワークショップを通して、4つのグループに分かれてストーリーを考えました。

学生たちの挑戦:手作りの人形制作がスタート
5月7日、授業5回目では、学生たちは早速、ストーリーに合わせて必要な材料を購入し、人形作りに取り組みました。今年の学生たちの動き出しは早く、授業の前に材料購入を済ませていて、スムーズに制作に取り掛かれています。
飛行機や暖炉を段ボールで作るにはどうしたらいいか、劇の背景をどう作るかなど、我楽多さんの指導も受けながら、段ボールを切り抜いたり、画用紙に下絵を描いて型紙を作ったり、フェルト生地を縫ったりと、制作が進みます。ほとんどの学生にとって小学校や中学校以来の工作で、いわゆるマインドフルネスの時間になりました。


来週以降も、授業は続き、学生たちは、物語を練り上げ、キャラクターを作り、リハーサルを重ねていきます。そして、7月にはデイサービスでの本番公演を迎え、地域の人々との交流を通して、学びの成果を発表する予定です。
この人形劇プロジェクトは、学生と地域ボランティアが互いに学び合い、成長していく場となっています。学生たちは、手作りの温もりを通して創造性を育み、地域の人々と交流することで、貴重な経験を積んでいます。今後もこのプロジェクトを通して、地域と大学、そして人と人との繋がりを深めていきたいと考えています。

来週以降も、取り組みの様子を制作レポートとして発信していきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?