子供の頃の怖い話

あれは僕が小学6年生の頃。
おばあちゃんから「めちゃくちゃ怖い話があるんやでえ。」言われた。
あまりにも怖いから、僕が大きくなるまで、隠していたらしい。
おばあちゃんのそういうとこ好き。素直な気持ちでありがとうって言った。
聞くか?と聞かれた。
聞かないって言ったら悲しい顔しそうやから、聞きたいって言った。
おばあちゃんは「ほな、いくでえ」って言って、話はじめた。
そっからあんまり聞いてなかったんやけど、「途中で首のない女が、、」とか聞こえてきて、怖い話って、そっちの怖い話か・・・・って思った。
金銭トラブルとか僕の出生の秘密とかそのへんの怖い話期待してたのにな。。

つまらんから、「おばあちゃんさ、年金少ない割にパチンコ行きすぎちゃう?」って口挟んでみた。

おばあちゃん、ちょっとひるんだ。

でも、「話聞きいや。」って言われた。
そっからまた、「首なしの女がトイレから出てきて。。」って話しだしたから、
僕は、正直に言うた。

首なし女がトイレから出てくる話はおもんない。って。

金なしババアがパチンコ屋に行ける理由が聞きたい。って。

ちゃんと言った。

そしたら、おばあちゃん、真剣な顔して僕を睨んだ。
ほんで、「あんまり踏み込んだらあかんで。これ以上その話したら、ばあちゃん、まさしの事キーマカレーみたいにしてしまうかもしれん。」て言うてきた。

僕、訳わからんから「なんでなん?」って聞きかえした。

おばあちゃん、聞こえんふりした。

ちょっとムカついたから、お母さんに聞こえるくらい大きめの声で
「なんでおばあちゃんのパチンコのお金のこと聞いたら、まさしがキーマカレーになんの?」って聞いた。

おばあちゃん、両手で僕の頭おさえた。
ほんで歯くいしばって低い声で「やめろ」って言った。
すごい汗かいてた。

僕、お年寄りが汗かいてんの見て、なんか申し訳なくなった。
ごめんな。って言って、怖い話続けてええで。って言った。

ほんで、おばあちゃんしばらく、首のない女の話してた。
たぶんオチは、自分がその首なし女やった。みたいな事やろなあ思った。
案の定、その流れやった。
ほんでおばあちゃんがオチのところでちょっと声大きなって
「鏡の前で立ってみたら、、なんと、、」って言ったから、

吸いかけのタバコっておいしいの?って聞いた。

おばあちゃん、ちょっとひるんだ。
ほんで、「そんなん知らん。」って言った。

じゃあ、なんで吸いかけのタバコ集めてんの?って聞いた。

おばあちゃんだいぶ焦ってた。

小学校の友達が、
いつもおばあちゃんが、インドカレー屋さんの前の喫煙所で灰皿あさってるの見かけるって教えてくれた。って言った。

おばあちゃん、「そんなんしてない。」って言うた。

ほんなら、キーマカレーってどこで覚えたん?って聞いた。
おばあちゃんの時代にあるはずないから。

おばあちゃん、ごめんって言った。

僕、かわいそうになって、学校で怖い先輩から貰った新品のタバコあげた。

それで言った。またその怖い話聞かなあかん?って。

おばあちゃん、もういいって言った。

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