私は人に共感できなくて…
ということを言う人がいる。たくさんいる。
一方で、
「わかるよ」と言われてもなんだかその言葉どおりには受け止められない自分がいて、自分ってなんかめんどくさいなと思う
…という人がいる。
また
「全然わからないのに、わかるよって言うのが嫌だ」という人もいる。

共感って言う言葉がたくさんの意味を持っていることがわかる。

そもそも、自分じゃない人の言うことをそんなにそこまで「わかる」ものだろうか？みんなわかるの？私はわからない。こんな仕事しているけどね。

共感という言葉が持つ意味がとても広いように見えるけど、私がこの仕事をするにあたって教えてもらった定義が一番いいなと思っているので、今日はその定義でお伝えしたい。この定義でみんなやったらいいと思うよ。

私が知る共感（共感的理解）というのは
①相手が何をどう感じるのか、そのメカニズム（根拠とか価値観とか）を理解している
②↑があるから、別の事象に相手が遭遇したとき「ああ、この人ならきっと、この状況をこう感じるんだろうな」とわかる
③それを踏まえると、今あなたはきっと～～を〇〇って思いますよね。それは本当につらいことだろうなって思います…と言える。

…ということ。わかるかな。

あなたのことをよく聞いてよく知っている私は、あなたがこの状況を本当につらいと思う、ということが（その背景や心理的プロセスも含めて）よく理解できますよ。だからあなたは、今～～って思うんですよね。

…ということだよ。わかる？
決して「私はあなたと同じ気持ちでいます」ではないということ。

これは単に悩みを聴いて「わかるー！」ということではない。
「もし私があなただったら（あなたと同じ価値観を持ち、あなたと同じ風景の中にいたら）きっとこう考えて行動すると思いますよ」という言葉を相手に手渡して、それが相手にとって「そうそう、まさに自分は今そうしようと思っていたんだ」と思える、ということです。

私がそう思う、のではなく、私があなたの思考パターンや信念、価値観をよく理解したうえで選ぶ行動は～ですよね、ということを理解して伝えるのが「共感的理解」なんです。

これは相手のことを全く理解できない生き物だと思っても、相手の選択する世界が「ありえないわ」と思っていてもできることです。だってそこに自分はいないのですから。これダイジ。

人はみんな違う。
親子でも全く違う（むしろ親子ほど違う笑）
長い時間をともにしている仲間であっても違う。
とにかくみんな違うんだってば！
なので「わかるよー」って言えることなんて、本当に少ない。
じゃあなぜ人は「わかるよ」っていうかっていうと、「これ私なら～だな」って思うからきっと多分相手もこういうことが～だったんだろうな、って、「過度に想像力を発揮して行間膨らませて楽観的かつ建設的によい解釈を載せて」そうしているだけだから笑

「ちなみになにがわかったの？」って聞いてみてよ。嫌われるけど笑
「え？だから・・・・が～～なんでしょ？」ってお門違いなことを相手は言うと思うよ笑

少なくとも私はそんなふうに「わかる～」と言われたいとは思わない。
わかってもらいたい気持ちは山ほどあるけど、欲しいのはその手前のプロセスを嫌がらずに聞いてくれること。相手は「わかるよ」っていえば1分で済むのに笑、「何があったの？よくわからないから話聞かせてよ」って言ってめんどくさい経過を逐一丁寧に聞いてくれていたらもう結論が「へえ、あなたはそういうのがしんどい、って思うんだ。その辺、自分とは違うなあ」と言われても、大満足だよ。ありがとう！って思う。そして「え？しんどくないの？あなたはいつもどうしてるの？」って逆質問するよ。そこからもう楽しくなっちゃって。

人ってみんなめんどくさい存在で、わかってほしいくせに簡単にわかったって言われると「絶対わかるはずない」って思ったりもしてる。そこを水面下で「なんていえばいいんだろう？」とか考えても不毛なので、そんなことより「よくわからないから教えて」って聞き返したほうが、はるかによい関係になるのよ。
私はキャリアコンサルタントとしてそういうスタンスで人の話を聞いているので、どんなに遠い人でもまったく困らず話が聞けて、その人が選びたいであろう道をどう築くかを考えていくことができるんだよね。

共感した～！
共感できるわ～
とつぶやくのはいいけど、実際の現場では、わかったつもりになってわかるよ、って言ってるか、わからないのにわかるよ、って言ってるだけだから、そんなこと真剣に悩まなくていい。

わからないから教えてほしい、を超えるものはないと思うよ。

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