相談を受ける仕事をしている。
で、仕事に直接関係のない友人からたまに聞かれるのが

「知らない人（私）に、初対面で何を相談するの？」
友人にはこれ、不思議らしい。
「自分のこと知らない人に相談して、それで（アドバイスが）使えるって思うのかなあ」とも。

一方最近こんな人もいた。
「私のことをよく知らない人に聞いてほしかったんです」と。

みなさんならどう？
相談相手が必要だとしたら、どんな人？

そういえば最近の（いやもう10年以上そうかも）大学生が就職のことで相談する相手のトップはぶっちぎりで親だったりする。学生だけじゃなく働いている20代でも親に相談するという人は多いらしい。親もしくは同期とか学生時代の友だちに相談するんだって。
それには課題が山ほどあるよね（言い出したら止まらない笑）

自分と近いから、自分を知ってるから相談できる、こともあるけれど、実は「近いから相談しにくい」ことはとても多い。現に私のところにいらっしゃる方はよく「近い人には誰にも相談できなくて」「（むしろあえて）柴田さんに聞いてもらう方がいいと思って」とおっしゃる。違う視点が欲しいってことだし、自分のことを客観的に見てほしいということでもある。そこはとっても大事なとこ。

2020年の春に次女が急に「転職したいんだけど」と私に相談してきたことがある。かなりビックりした（そういう親子関係じゃないので笑）。コロナ始まったところでいろいろピンチな時期だし、私を専門家だとわかっていたから「自分のこの状況は転職するって思っていいんだろうか」ということを知りたかったらしい。当時、比較的ブラック企業にいたんだけど、最初に出会った上司を尊敬していて、その方に新人のころに「簡単に辞めるのはよくない」と言われたことをわりと律義に守っていたのでね（笑）。
ともかく、状況をただただ聞いて、私の次の言葉は「うん、転職したらいいんじゃない？で、この先の相談は私じゃなくて〇〇さんを紹介するから、彼女に相談しなさい」と。
その時思ったのは、どんなに冷静に客観的に考えようとしても、親だからどうしても欲目とか「もっとこうなるはず」なんて余分な思考が出てきちゃうってこと。でもそのとき紹介しようと思った相手（一流のキャリコン）はスキルも高いし、次女のことを何も知らないし、次女も親の私にはいいたくないことでも話せるほうがいいよね、と思ったので。それは大正解だった。

近い人（家族や友だち）はあなたのことを好きで、よくしたいと思っていて、相談したら「あなたは悪くない」とか「あなたなら大丈夫」とか「あなたがそんな状態なんて悲しくて辛い」とか、まあそんなことになりがち。

そういう言葉や寄り添いが欲しいときには近い人がいいよね。
でも、何かを変えたい、何か初めてのことを決断したい、何か行動変容に取り組みたい、といったとき、近すぎる相手はかえって邪魔になることもある。ついつい相談したばかりに、かえってややこしくなるのも「近しい人」のことが多い。

相談するって何するの？
私のこと知らない人に話して、大丈夫？

そんな気持ちになる人がまだ大半だろうと思うけれど、全然知らないからこそあなたの本質をまっすぐ見られて、あなたが今制約なく話したいことを全部聞けるのだ、ということは覚えておいてね。
（守秘義務があるので、もちろん話はどこにも漏れないし、あなたが相談してきたよ、ということも表には出ません）



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