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自分の可能性を、今の自分が全部わかっていると思わないほうがよいよ


人は自分のことをだいたい勘違いしている

自信過剰もあれば、過小評価もあるけど、とにかく人は自分のことをだいたい勘違いしている。
そう断言できるので、学生が「就職しても希望の部署に行けなかったらと思うと怖い」とか「配属ガチャが」という気持ちは半分わかるけど半分は違うよと思うし、ジョブ型で希望の仕事につけるのが最善、という論調にも異を唱えたい(ジョブ型については話し出すと小一時間かかるので、noteには書きません。個人的に訊いて笑)。

これは持論でもあり、個人的経験でもあり、日々話を聞いているクライアントさんのリアルでもあるのだが、それだけじゃなく、そもそもキャリア理論の古典で定番の「計画された偶発性理論」(ジョン・クランボルツ博士)でもある。

つまり、私の個人的な感想ではない。

今の自分が見えている現実には限界があるって、大人は体験的に知っているはず。

ちょっと考えてみて。
あなたが中1だとして、学校で初めて英語の授業があった日に、教科書の音読をしたら周りの子に「なんか変」って言われたとする。それで「英語とか元々やりたいわけじゃないし、向いてないなら別に英語なんかいらない。」って家に帰って親に言ったら親はなんていう?
「今日やったばっかでしょ。何言ってんの?」とか
「はいはい。とにかくやるの」とか
完全にスルーされるとか(笑)、まあ、いろいろあるけど
「私もあなたには英語は向いてないと思うよ。いらないよね」って言われないよね。
なぜ親がそういうかといえば「まあ、向いてるとかどうでもいいからとにかくやれ」とか「今日始まったばっかで何言ってんの」とか「やる前から決めつけてどうする」とか「英語で広がる可能性がいっぱいあるんだよ」とか、まあそういうことを思っているわけだ。

なぜ親がそんなことを言えるのかというと(合ってるかどうかは別として)、当の子どもには見えてない世界を体感したり経験したり見たりして「知っている」からだよね。

仕事も同じ。
そもそも小学生とか中学生とか高校生に「将来何になりたい?」って問いが無意味なのは、その時点で子どもにある選択肢なんて総職業数の1%くらいしかないってことだから(ちなみに親が知っている職業だって10%くらいしかないと思う)。知らないのに選ばせることに何の意味がある?いや、選ばせても語らせてもいいけど「それを実現すること」だけを目標にすることのリスクはわかってる?って思う。

希望を叶えることが、最善の選択だと言えない理由

学生たちが言う「配属ガチャ」の気持ちは半分理解できる。
そりゃ、やりたいといった部署に行きたいし、そうなればモチベーションもあがる。だから最初の配属に希望を聞くことの意味もある。
ただ、「大学でマーケティングを専攻したのでマーケティングの部署に行きたい」というあなたの見えているものは、本当に狭いということを知ってほしい。
専攻で選んだことの意味と価値と自分との相性はわかっている。でもね、専攻で選ばなかったもののことは、何一つ検証していなくて相性もわかっていない。そっちのほうが圧倒的に多いのだよ。
そして組織があなたに求める役割のなかには、あなたが見えていないあなたの潜在的可能性を開くものが含まれているのよ。「自分はこれに向いている」というあなたには見えていないもの、あるいは、それに向いているのはそのとおりだけれども、それで突き抜けるためには「これを経験しておくほうがいいよね」みたいなことが組織の側には見えている、ってことが少なくない。それを経由していくことが、あなたの成長に大きく寄与するんだよ。

人のキャリアは一直線じゃないし、思いもよらないことが起きるもの

だいたいにおいて、楽し気な人の話を聞けばおおよそが「なにそのジグザグ?」とか「どこからそうなった?」みたいになっている人が少なくない。なんでそうなったの?と聞いてみるとよい。そうすると多くの人が「いやあ、たまたま異動で担当になったのがきっかけで」とか「上司に頼まれてやることになって、気が向かなかったんだけど」とか、「親の都合で田舎に帰ったらこれをやる人がいなくて」とか…そういうことが多い。

私も強くあるのは、38歳で市役所に転職してみて、びっくりするほど支離滅裂にいろんな仕事を担当させられたことで得られた気づきが深いということ。その時点である程度「自己理解できている」と思っていた私にも見えていなかった自分の得意がたくさんあって、バラバラだと思った経験が次の全く違う分野でつながって結果を出せたこと、そこから得られたメタ視点が今につながっているということが、本当に人生を豊かにしたと確信している。

キャリアって、「広げる」と「深める」の往還で出来ているそうだが、そう考えたとき「自分のやりたいこと」だけを突き詰めるのでは「深める」ことは出来ても「広げること」ができないという課題がある。
自分で広げることが出来る人もいるが、多くはそこにキッカケが必要で、それが外から来るキッカケだったりするのだ。

あなたの力は今見えていることが全てじゃない

だからね、あまり早く自分の可能性を閉ざさないことを勧めたい。
もちろんごく一部の早くから天職に出会っている人はよい(でもこの天職って、イチローとか藤井八冠とかそういうレベルの話)。そうじゃなかったら(たとえばプロスポーツの選手だって30代後半からは次のキャリアになるのだから)自分にある可能性にもっと心を開いて、外から来る波に乗ってみることもよしとして楽しんでみることを強くおススメしたいな。

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