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茶事の練習 -半東役してみたよ-

お茶友がこの度准教授の許状を賜り、記念の茶事を催すことになった。光栄にも自他ともに認める半人前茶人のワタクシに、半東役という白羽の矢があたった。当日は練習も兼ねた茶事なので、裏方をみていただける先生もいらしゃるという。もちろん二つ返事でお受けした。

前日にお掃除や道具出しなどの準備を行い、いざ当日を迎える。緊張はない。前日に下火を熾すためのカセットコンロで、まさかのカセットガスの装填のしかたがわからないという、茶人以前の問題にぶち当たってしまったワタクシとしては、緊張さえもできないほどの頭が真っ白ぶり。「最近の子はカセットコンロは使わないのね〜」と先生は優しくフォローしてくれたけど、いやいやいやいやいや、使います!2024年現在も一家に一台あります、カセットコンロ!ただ家庭内で不幸にもカットコンロ役をしたことがなかっただけなんです。無理やり装填して(したつもりで)、チャッカマンの火がつかないと騒動していたことをお許しください。今ではガス切れにも冷静に対応し、ササッと交換できるまでに成長しました。(いや、誰でもできるし……)。

もろもろの準備が終わって、先生から「では半東さん、打ち水の練習してきて」。え?打ち水に練習なんて必要?お茶って面白すぎるわ、と心の中で爆笑しながら、茶室前の道、玄関周りなどじょうろで打ち水。うわ〜水を捲くって解放感あるやん!!!なんて調子にのって楽しみながら打ち水完了。

「先生できました〜」。
先生「うわ〜びちょびちょ!!!」

知ってました??打ち水って水を撒いた後に、雑巾で余分な水を吸い取らないといけないってこと!茶室前の道なんて坂道だったから、勢いを増した水が、気持ちよ〜く流れていってました……。

はっきりと記憶があるのはここまでで、あとは水屋先生から放たれる指示に、AI搭載のロボットのようにひたすら動き回った1日。でもポイントポイントで、全く未知のことだった炉中の中のことや、あんなことやこんなことなど知れて、すっごく勉強になった。なんなら火入れの灰形も結構早く作れるようにもなった(半東の仕事の中で一番好き💛)。

また後日思い出したら、茶事の半東の仕事について忘備録を遺していきたいと思う。座るたびに負荷のかかる、ヒザが赤く腫れるほどになったけれど、心は幸せだったようで、帰り道に白と緑がマーブルになったチューリップを自分用に買い求めていた。


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