餃子

エンジニア出身人事とカジュアル面談を語る。

どうも、しぶあつです。

本日は、普段と趣向を変えてインタビュー形式で「カジュアル面談」をテーマにお送りします。
インタビューのお相手はエンジニアから人事にキャリアを転向をされたてつのすけさん。

てつのすけさん(@tetsunosuke
元エンジニアですが、体験学習系ワークショップのデザインやファシリテーションに関心が強くなり、昨年の4月にグループ会社内の人事部門へ異動となりました。現在は社員研修の設計や、ボードゲームやプロジェクトアドベンチャーのアクティビティを活用したワーク、社内のレクリエーション・チームビルディングの仕組みを考えています。元エンジニアであることを活かして開発職の採用担当も大きなミッションです。

非エンジニアとして人事に携わっている私とは異なった視点のお話が聞けそうでワクワクです。

※注意※
・このnoteはインタビュー形式ですが、私のヒアリング力不足により本来の内容そのままだと話がとっ散らかっていました(笑)体裁整えるための編集を行っておりますこと、あしからずご承知おきください。
・インタビュイーのてつのすけさん(以下敬称略)からは公開の了解は得ています。

では本編をお楽しみください。

カジュアル面談で生まれるコミュニケーションミス。

しぶあつ:今日はよろしくお願いします。

てつのすけ:こちらこそ!自社のエンジニア採用活動には全面的に関わっているので、その点話していきますね。

しぶあつ:ありがとうございます!早速ですが、てつのすけさんがカジュアル面談でエンジニアと話すときに気を付けていることから教えていただけますか?

てつのすけ:カジュアル面談ってお互いの理解だと思うので、特にこの閉じた・保護された・対面で話せるという空間でしゃべりたいことをお互い言おうねって思ってやってるかな。

しぶあつ:しゃべりたいことを言い合う...その意図はどういうことなんでしょう?

てつのすけ:わざわざ忙しい中、来てもらっているわけだからそこに対する価値を提供したいというかそんな意識かな。
不安になることやこんなこと聞いていいのか?ってことをぶつけて欲しいし、人事としてはpublicかつややターゲットが広くなってしまう求人広告には出せない・出していないことを話したいなって思ってるかも。
面談でお相手のことをがっちり聞いちゃう会社ってあるようなんだけど、自分のスタンスはあなたのことは選考に進んでくれた場合、面接でがっちり聞かせてもらいますから。という感じでカジュアル面談をしています。

しぶあつ:たしかに。面談で経歴がっつり聞いちゃう会社もありますよね。
それこそ、最近話題の「カジュアル面談と聞いていたのに選考じゃん」という話に近そうですね。「経歴書の提出求められた...」みたいな。

てつのすけ:面談と面接って名前が紛らわしいので面接のことはできるだけ「選考」って呼ぶようには工夫はしていますね・・・選考ではないのでお持ち頂く必要のあるものもないです、と面談前に伝えるようにはしています。でもその「経歴書の提出を求める」って話。人事と現場エンジニアのコミュニケーションミスも結構ある気がするんですよ。
なんでそんなことを聞いてしまうかというと、面談をするエンジニアの立場からすると、人事から情報開示されていないから直接来ている人に聞いちゃえってなるんだと思うんですよね。

しぶあつ:人事からの事前説明が不足しているケースがあると?

てつのすけ:そうですね。自分も同じ事象に直面したことがあって。

しぶあつ:てつのすけさんもカジュアル面談体験者でしたか!

てつのすけ:そうそう。別に転職する気はそこまではないのだけど、情報交換ということで、断り切れなくなって(笑)
ただ、世の中に自分のことを必要としている人がいるのであれば、それは具体的にはどういうことなのかな?ということは常に気にしてはいます。

そこで、カジュアル面談行った時に現場エンジニアの人が「経歴書は?」って聞いてて。
人事が「今日はカジュアルですので...(経歴書とかって話はなしです)」って目の前で口頭補足してるのを見ると人事とエンジニアの情報共有がなされていないんだろうなって求職者側からの視点だと思いますよね。(その日は、たまたま私とその会わせたいエンジニアがマッチすると人事が感じて、急遽呼んだからという事情ももちろんありましたが)

あと、転職の意図がそこまで強くない自分としては、ちゃんとした経歴書なんてそもそも手元にないんです。一年に一度くらいは棚卸しのため更新する習慣はつけていますが、あとはたまに一文字だけでも更新かけておくとオファーが来たりするから市場感を確かめるためにとか・・・これはあまり大きな声では言えないやつね。

しぶあつ:システムの仕組みわかってる人がやるやつ...。

てつのすけ:ただ、これは自分も自社採用の人事の立場で、現場エンジニアから同じことを言われたことがあって、エンジニアから面談直前に「この場で何すればいいんですか?」って言われたり、面談直後には「私出る意味ありました?」って言われたり...(苦笑)
人事がどのくらいの情報を持っているのかは開示する必要があったな、って反省しましたね。

しぶあつ:私も情報共有をし切れなかった経験ありますねぇ...。反省だなぁ...。

カジュアル面談では何を聞く?

しぶあつ:てつのすけさんはカジュアル面談ではどんなことをお話されるのでしょう?

てつのすけ:面接っぽくなってはいけないけれど、
・転職活動のテーマは?
・就活軸は?
ということはまず最初に聞かせてもらっていますね。
そこがまずは一番最初のスタート。

しぶあつ:あ、私も一緒だ。希望とか転職・就活の軸を聞いて、当社にて実現できる出来ないは説明するようにしてます。

てつのすけ:そうそう。そんな感じですね。
あと、カジュアル面談していて気づいたんですけど、聞いた内容から「この質問パターンだとこういう情報を提供しよう」というパターンがいくつか存在するなぁ、と。貴重な面談の時間ですから、無駄な時間が増えないようお伝えする内容はしっかり絞って説明するようにしています。

あとは媒体によりますが、事前に質問があれば箇条書きで送ってもらったりして、現場のメンバーに事前ヒアリングしてから対応することもありますね。「最近入ったメンバーがこの会社が他と違うなって感じたことはなんですか?」っていう質問なんかは何人かから回答集めて紹介しました。質問の内容によって同席を依頼するメンバーを選ぶこともあります。

エンジニアから見た人事とはどう映るのか?

しぶあつ:てつのすけさんはカジュアル面談に実際行ったことがある、ということでしたが、人事ってエンジニアから見るとどう映るんですか?

てつのすけ:人事がカジュアル面談出てくると「話したところで自分のことをわかってくれるのかな?話が通じるだろうか?」という不安があるかな。

しぶあつ:人事がカジュアル面談するのってエンジニアの方からするとあんまり印象良く映らないことが多い気がします。

てつのすけ:まあ...ね(笑)
技術の話が通じるか?ということもそうだし、エンジニア視点からするとなんか「見透かされてしまうんじゃないか」、とか「採用目標を埋めるための頭数にされるのではないか」と感じてしまうとか。

しぶあつ:ううう。非エンジニア人事として切ない気持ちに...。

てつのすけ:そういう意味で、自分は元エンジニアだから技術の話が出来るし、冒頭話した通り、どんなことがこの人の求めることなのかがある程度わかるつもりでいるので面談でご来社された方にとっては話しやすいのかな、って思うことはありますね。制度の話も現場の話も両方できることは明らかな強みだと思います。

ただ、話しやすいだけではだめで個人的に面談の目標を置いています。

しぶあつ:おお、素敵。どんな目標なんですか?

てつのすけ:お相手の方からの「勉強・参考になりました」を引き出すことに意識を向けているんです。

しぶあつ:なるほどー。それはエージェント出身の私からすると、とても良いことだと思います。求職者側は学びが多い環境だと思ってくださるでしょうし、エージェントの立場からはいい会社だなぁ、とまた紹介したくなると思います。

てつのすけ:そう言ってもらえるのはうれしいですね。
それがエンジニア出身人事の自分がカジュアル面談に出る意味だと思ってやっています。
あとは、フラットな場作りにもこだわっているかな。
自分と求職者での上下関係を取っ払うような場作り。
こちらがへりくだり過ぎて、入社前から「この会社なら無双だぜ」ってなってもらっても困るし、逆に圧倒的にこちらがマウント取る意味はもはや選考でもなくなっていますからね。
フラットに扱うことは人事の必須スキルですよね。

しぶあつ:めっちゃいいじゃないですか!

てつのすけ:面談やってて思うのはさじ加減難しいなとは常に思ってますけどね(笑)

カジュアル面談を受けてみて感じること

しぶあつ:先ほど、カジュアル面談に行ってみたという話がありましたが、実際にカジュアル面談受けてみてどうでしたか?

てつのすけ:探り合いみたいになって気持ち悪かったですね。
会社の説明については、長々と話されるとうざいというか...知りたいんだけどこちらもネットで会社情報を見た上で行っているので、もうちょっとコンパクトにしてくれても、と思うことはあります。

でも、だいたいそれが最初なのであまりこちらからそれを遮ることも難しいので...。逆に面談実施側としてはそこの注意としては、わかりにくい部分があればそこを中心に説明しますね、というところから始めることかなと思っています。そういう面でも「今日はこういう目的でお話できればと思っています」という最初が肝心かも。もっと言えば日程を決める連絡の時点でそういうことは提示しておく。エンジニアのいいところの一つに、決まった仕様についてはちゃんと準備してくれることがあると思うんです。

しぶあつ:会社説明会実施する時とかは、私も基本情報は後でネットで見てください、としています。会社の特徴説明優先で行ってます。

ちなみにカジュアル面談で行った会社は結局面談後に応募したんですか?

てつのすけ:いえ、してませんね。時期的に違うと思ったのとやりたいことと違った。なので、こちらからは選考に進まないという判断をしました。

しぶあつ:やりたいこと?

てつのすけ:今やっている人事的な立ち回りですよ。
採用とか組織開発とか、そういうことをやりたいと思っているわけです。視点がやや事業よりの人間なので、エンジニア組織の、という枠だとあまり自分の力が発揮しきれる気がしていないというのが正直なところです。

しぶあつ:カジュアル面談はエンジニアとしてのスカウトだったのです?

てつのすけ:そうそう。気持ちは人事の方に向いているのにエンジニアでオファーされても困るよね。
なので、エンジニアとしてのスカウトは基本的にはお断りしてます。最近はエンジニアリングマネージャーの必要性が高まっているので、その育成の経験をうちのエンジニア組織に!っていうオファーが多いのですが、育成を現場ですることよりも育成の仕組みを回すことのほうが関心が強いからですね、

しぶあつ:それは開発のポジションでのスカウトでも?

てつのすけ:そうですね。会社のやりたい方向が自分のやりたい方向と合致しているとか、仕事の内容や一緒に働く人に魅力があれば「職種はエンジニアでもいいかも」とうっかり思っちゃうと思うんですよね。

しぶあつ:求人に書いてある情報を超えて自分のための提案してもらったらうれしいということなんですかね?

てつのすけ:そうです。冒頭に言った「ここだけの話」につながるんですけど、実際に対面でお話させて頂ける場合には、求人票には書いていないような募集を伝えることが出来ると思っています。

しぶあつ:それはたしかにそうなんですけど、でもそれって裁量あるから出来ることですよね?

てつのすけ:それはそうかもね(笑)
自分は人事だから出来るという職制上の理由はあれど、根本は会社の課題を正しく理解しているから、会社に提案することが出来ると思っている。

しぶあつ:この人が入ればこの課題が解決できるって提案する?

てつのすけ:そういうこと。
逆に会社の戦略に直結する秘密裏に募集をかけているものは知らされていない限り出来ないけどね。
あと、カジュアル面談の域は超えて面接の話になってしまうけれど、求人出している場合には「仮に今充足していてもその人が欲しいような人物なのか」は考える。
欠員補充はダサいよね。

しぶあつ:人手が欲しいだけですもんね。

てつのすけ:あと時間軸でも考えるかも。

しぶあつ:てつのすけさんが転職を考えていたとして時間軸も重要?

てつのすけ:例えば今の自分のスキルセット・経験だと、上場準備中の会社が考えておかなくてはいけない準備のための提案などが出来ると思うんです。
上場していた会社にいたこともあり、
上場準備を経験していたこともあり、
現在組織開発をしている。
これによって、その会社に「これから起こることが分かる・体感でわかっている」ので役に立てると思う。「100人の壁を突破する」勘所もある。

でも、上場した後、自分は何をするんだろうね、って。
例えばPマークを取得するんだ、というケースであれば、もちろん情報を集める際の方針だったり、保存の方法であったりという守る意識も重要だけど、仮に漏洩などの事故が起きたときにどう振る舞うべきかというリスクの適切な管理についても重要だったりする。監査法人からチェックされた内容について、その理由を理解しておけば、その現場に適した対応方針が予め立てられるので、そういう経験をしたことがある人って数は多くないかもしれないですね。これ職務経歴にちゃんと書くべきかな(笑)

しぶあつ:(笑)
たしかに、それは経験があるからこそのところですし、上場準備をしている会社からしたら欲しい人材ですもんね。

てつのすけ:そうそう。でも、終わったら用済みになるのが目に見えている。その先の未来を提示してくれる会社ってすごいよね。

人手が足りないから、というベースで募集してしまうとどうしてもそれが見えてしまう...。

しぶあつ:なるほど。
今は売上上がっているけど、その先まで考えてくれているのかは重要そう!

てつのすけ:そうそう。
さらに今の話で思い出したけど、その会社の採用欲にもタイミングって重要だよね。
売り上げが上り調子の会社であれば一気に成長させたいだろうから一気に採用もドライブかける、みたいな。
本来力を入れるべきタイミングなのに、採用を疎かにすると機会を逃してしまうことになったり、とか。
採用のタイミングって難しいね。

しぶあつ:たしかに。求職者側も転職のタイミングって推し量るの難しいと思います。

てつのすけ:自分は3年後に来そうなことをインプットするようにしている。
一番最初に振り切ったのは、LEGO(R) SERIOUS PLAY(R) のワークショップを実施するためのトレーニングを受講したのも今の自分を見越して先取りしていたからね。自腹だけどw

しぶあつ:人事になってからでは遅いと?

てつのすけ:そうそう。

しぶあつ:3年後・5年後の自分のための今の努力ですよね。

てつのすけ:それはやっぱりやりたいとか楽しいとか安心とかに向けてがんばりたいよね。ここの課題を解決してくれ、だけで入社して、終わったらおしまいは搾取だよね。
そういう未来が見えてしまうと不安を感じてしまう。

しぶあつ:転職することが悪ではない世の中だからそれは一つの現代転職の形かもしれないけれど、寂しいですよね。

てつのすけ:それはもちろん提供できることはするけど、
荷物おろして終わりじゃなくて、次の荷物を背負うために今の荷物を下ろすという考えでいたいよね。

しぶあつ:自分もそういう意味では、運が良かったのだと思っています。
現職では事業の立ち上げを経験していますが、1年半でそれっぽくしてしまった。0→1と1→10が出来て恐らく期待されていた役目を終えられた。
でも、正直不安でした。
経験していない10→100…の世界に自分は太刀打ちできるのか、って。
そんなタイミングで、人事への異動の話があり、ポテンシャルかもしれないけれど、今の自分を会社から作ってもらえた。これは感謝しています。
本来は、入社する前から提示してもらえているのが最高だったのでしょうけどw

カジュアル面談にスポットを当てる理由

しぶあつ:今回のインタビューはてつのすけさんの「カジュアル面談にスポットを当てて話した内容を記事にしてみてよ」というお誘いから急遽(ほんとに急遽w)始まりました。なぜカジュアル面談にスポットを?

てつのすけ:うんうん。カジュアル面談に興味があったのは、話題性あり且つホットだし、自分の思う「本来的なカジュアル面談」が広まってくれると、求職者の方も安心して活動ができるんじゃないかなって。私のやっていることが正解だ!と思っているわけではないので、こういう議論が何かの呼び水になるんじゃないかと期待してみました。「面談って聞いてたのに面接でした」は撲滅したいという思いは強い。

しぶあつ:業界の闇みたいなのもありますよね。

てつのすけ:そうそう。例えば、カジュアル面談後のシステム問題とか。
「話を聞きたい」ボタンを押すと「応募」って扱いになっていたり、面談してみてお互い今じゃないよねってなったときにステータスを更新したらNG連絡が行ってしまったり...、紹介会社さん経由してると情報が婉曲してしまったりすることありません?

しぶあつ:あー、あります。
もちろん人事から候補者への伝え方が良くない部分があるかもしれませんが、カジュアル面談後に「〇〇という会社に求めているところは期待に答えられない部分があるかもしれないので、その点をご自身で消化出来たら選考に進んでください」と紹介会社さんにお願いすると担当者判断なのかシステム上の問題なのかで「NG」と処理されてしまったことがあります。

てつのすけ:そうだね。あとは業界の闇の話が出たけど、自身が問題だなー、ってずっと思っていたのは「就活本」なんですよ。
特に嫌いなのが履歴書の特技欄。
全国大会出場とか、なんかサークルとかの会長とか、そんなのばっかりじゃん。「え?みんなそんな大事な役回り本当にやってきたの?」って。
これが流行ることで自己表現が未熟な学生はそんな経験ないって思って、自信を持ったことが書けなくて落ちるみたいな流れが許せない。
あ、自分がそうだったから許せないだけなんだけど(笑) 自分はスポーツ漫画が好きなんだけど、控えでずっと支えてきたメガネキャラみたいな人だってアピールできることいっぱいあるじゃんと思う。

趣味特技欄の話では、最近エンジニアにウケてもらったんだけど「うちは趣味で映画鑑賞・音楽鑑賞って書くぐらいなら、映画館めぐりとか、誰それの追っかけとか書いてくれたほうが嬉しい」、っていう話があって。もうそういうの、心の底からその人に興味持っちゃうじゃない。

その人にとっての可能性は面談や面接という対話の中で開くことが多いと思うから、そういうポイントこそ注目したいよね。
シンプルに自社に来てもらえばいいではなく、最適な就活して、その人が一番パフォーマンスが発揮できる会社に入ってほしいじゃない。もちろん自分と一緒に働いてくれるのであればより嬉しいわけだけど。

しぶあつ:そうですね。
人事をしながら、フラットでありたいと思っています。

てつのすけ:フラットといえば、マイクロソフトの西脇さんが自分にとって尊敬するビジネスパーソンの一人なんだけど、聞いた話、
マイクロソフトのエヴァンジェリストって、iPadとかでプレゼンすることも全然アリらしくて。OSがWindowsじゃないのかよって(笑)。
いいものはいい、としてプレゼンしている。

しぶあつ:へぇ、それは素敵。

てつのすけ:そうそう。
営業としてそちらの方が気持ちいい。
他社のものでもいいものはいい、と認めた上で自社のいいところに気づいてもらえたら使ってもらえばいいというスタンスが感じられるのってかっこいいよね。今は一社だけで、っていうことは成り立たなくなってきている。

IT・Web界隈のアウトプットについて

しぶあつ:先日のnoteでも会社への愛着の話が出ていたのですけど、文化とか環境が整っていて、心理的安全性が担保されて、生活できるお給料がもらえると会社に対して自信が持てて友人に自社を勧めるという話がありました。

てつのすけ:あれはたしかにその通りだな、と思ったね。
ただ、主語を大きすぎないようにしたいけど、「エンジニア自分に自信ない問題」がある。
自社のいいところがなんとなくわかっていても、紹介出来なかったり。

しぶあつ:わかります。
自社のエンジニアもすごいはずなのに、「自分は全然大したことなくて、周りがすごいんですよ」って。あれはなんでなんでしょうか?
理想が高いんですかね?

てつのすけ:理想というのはあるかもしれないけど、現実にスーパーエンジニアみたいな人は実際にいて、そういう人たちの話を生で聞く機会とかもあって、その上でそこには到底追いつかないとは思っているという印象はある。自分もそうだったし、今でもそう。

しぶあつ:だから自信がない?

てつのすけ:関係なくはないかもしれないけれど、、、
採用の話からは外れるけれどよしたくさんの「恩送り」の話。
あれはエンジニアの文化を反映していると思う。
プログラミングをするチカラは誰かが書いたドキュメントだったり、言語やフレームワークや便利なライブラリもだいたいは誰かのものを使わせてもらっている。
でも、それをその次につないでいくって人によってつなぎ方がまちまち。
親からもらった恩って人生かけても返しきることも難しいじゃない?
それはどう返せるのかは今も模索中だよね。

しぶあつ:なるほどなぁ。

てつのすけ:アウトプットをどれだけするか、に帰結しちゃうんだけどさ。

しぶあつ:オープンソースみたいですね。

てつのすけ:うん。なんか出来ていれば自信がつく。

しぶあつ:それはやっぱりアウトプットの重要性はあるのですかね。

てつのすけ:人とか環境によるな、っていう感じ。
自分の場合は幼少期にすごい減点法の世界で育ってきた。80点取れたことよりも100点取れなかったことがフォーカスされてしまう。100点取ったとしても字が汚いとかで認めてもらえなくて。
親からは恩を感じているものの、その環境・その世界でしか生きてこなかったからこそ、何か成果を伝えること(アウトプットすること)を遠のかせるようになってしまって、抵抗感があったんだよね。

しぶあつ:なるほど...。そんな原体験が…。

てつのすけ:でもだからこそ物心ついてからは積極的にアウトプットしてきたし、今は人事として研修担当に就きたいと思うのはこういう経験があるからこそなんだと思うのよね。
最近、やっと「恩送り」の文脈で世間にお出しできるものが出来てきたというか自分の軸が出てきた気がしていて、アウトプットを増やしつつあるのかな、って。

しぶあつ:いい話がたくさん聞けた気がします。
それでは最後にカジュアル面談のまとめをどうぞ。

てつのすけ:あくまでも「興味あります」ってだけではカジュアル面談はあまり意味をなさない。
お互いに自己開示をしっかりしておかないとよい話になるものもならないと思うんですよね。
企業側もそのために自己開示するし、理解しようとするべき。
採用したいということは、なんか課題があって助けてほしいわけで、そこを正直に見せていくことも必要だと思う。
ポートフォリオだけ見て、いいじゃんじゃなくて、せっかく会っているからこそできることってあるんじゃないかな、って。
潤滑油じゃないけれど、面談通じてお互いをするっと理解し合えるといいよね。

しぶあつ:カジュアル面談は選考に進む前の潤滑油!
わかりやすい簡潔なまとめありがとうございました!

最後に

てつのすけさんは元エンジニア人事として、職務を全うしているし、自分自身のキャリアもしっかりデザインしていると感じました。

私も非エンジニア人事ながら、お会いさせていただく求職者の方々に何かお渡しできるものがあるのではないかな、と考えさせられた対談になりました。こういう企画、楽しいな。てつのすけさん、ありがとうございました!


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