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図解でわかる!マーケターのためのプログラミング入門①【全体編】

エンジニアからマーケターになって強く思うことは、マーケターはプログラミングを使いこなせるべき!ということです。

とは言え、すべてのプログラミング言語を学ぶ必要はありません。マーケターに必要なプログラミング言語の種類は限られています。

そこで、今回からの連載でマーケターのためのプログラミング入門をお伝えします。初回の本記事ではエンジニアからマーケターに転身した私の経験を元に、マーケターが学ぶべきプログラミングの全体像をお伝えします(約5000字)。

※本記事はプログラミング未経験者を対象としており、厳密な定義より分かりやすさを優先しています。

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1. マーケターにプログラミングは必要なのか
2. プログラミングの全体像
3. マーケターが学ぶべきプログラミング

マーケターにプログラミングは必要なのか?

マーケターは数ある仕事の中でもプログラミングとの親和性が非常に高い職種です。プログラミングを学ぶメリットは、大きく分けると2つあります。

①業務のスピートが格段に上がる
②データドリブンなマーケティングができる

メリット①業務のスピートが格段に上がる

マーケティングはスピードが命です。しかしマーケティングの実行スピードを妨げるものが2つあります。それが「分析」と「クリエイティブ依頼」です。

◆分析のスピードが上がる

データの集計や分析はマーケティングを行う上で必須です。しかし、手動での分析は恐ろしく時間がかかります。プログラミングを活用すれば面倒なデータの集計・分析を自動化することができます。

クリエイティブ依頼をしなくてよくなる

A/Bテストやキャンペーンのたびにエンジニアやデザイナーに依頼するのはお互い大変です。簡単なサイト修正やランディングページの制作をマーケターができれば施策のスピードも上がり、エンジニアとデザイナーも工数を奪われなくて済みます。

メリット②データドリブンなマーケティングができる

マーケティングとデータは切っても切れない関係です。しかし、世の中にどれだけデータを活用してマーケティングをしているマーケターがいるでしょうか?

A. ほぼいません。

なぜでしょうか。
それはデータを扱うことができない、もしくは扱うのが手間だからです。

逆に言えば、データを活用できるようになれば周りのマーケターと大きな差をつけることができます。そしてそれを可能にするのがプログラミングです。

プログラミングの全体像

ではプログラミングのより具体的な話へと移っていきましょう。プログラミングを学ぶときの最初の壁は「何から始めればいいか分からない」です。

そこでまずプログラミングの大枠をご説明します。サクサク説明するので分からないところだけ読んでください。

・プログラミングとは
・プログラミング言語とは
・プログラミング言語の3つの役割
・プログラミング言語の選び方

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◆プログラミングとは

プログラミングは簡単に言えば機械に命令するためのメッセージです。パソコンやスマートフォンに何かをお願いしたいときにはプログラミングが必要です。

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◆プログラミング言語とは

プログラミングをするための特殊な言語をプログラミング言語と言います。プログラミング言語は用途に応じて複数の種類があり、目的に応じたプログラミング言語を選ぶことが重要になります。プログラミング言語は英語をベースで作られている場合が多いです。

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◆プログラミング言語の役割

プログラミング言語の役割は大きく分けて3つあります。

1. デバイスの画面上に情報を表示する
2. データを保存したり、反対に取り出す
3. サービスに必要なロジックを決める

役割①デバイスの画面上に情報を表示する

みなさんが今見ているこの記事を表示するのにもプログラミング言語が用いられています。サイト改善やランディングページを作りたいマーケターにとってはこの役割①の言語を習得するだけでも効果があります。

役割②データを保存したり、反対に取り出す

世の中のサービスのほとんどはデータを扱っています。Facebookのユーザー情報、Twitterのいいねの情報、noteの記事の情報などです。
こうした情報はデータベースという箱に保存され、必要なときに取り出されます。このデータの扱いにはプログラミング言語が必要です。

役割③サービスに必要なロジックを作る

ここが最も重要です。サービスには複雑なロジックが必要です。お金の支払いやユーザーのログイン機能といったロジック部分を作るのはプログラミング言語の最も重要な役割です。エンジニアの仕事の多くもロジックを作ることです。

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◆プログラミング言語の選び方

世の中には無数のプログラミング言語があります。本屋に言ってもたくさんの言語に迷って何を選べばいいか分からなくなります。

しかし、実はプログラミング言語の選ぶのはとても簡単です。選ぶのに悩むのは役割③のプログラミング言語だけです。

画面を表示させるプログラミング言語の選び方

ブラウザ(Google ChromeやSafari)で表示させるか、iPhone/Androidアプリで表示させるかの2パターンで使える言語が変わります。ただし、それぞれ基本的に1つの言語しか使えないため、用途が決まれば自然と言語が決まります。

ブラウザの場合は「HTML」、iPhoneアプリの場合「Swift」、Androidアプリの場合は「Java」という言語を選びます。
※厳密にはHTMLはマークアップ言語と呼ばれるものです。

データを扱うプログラミング言語の選び方

データを保存したり、反対に取り出すことのできる言語は「SQL」と呼ばれる言語しかありません。そのため、SQLを選ぶことになります。
※厳密にはSQLはデータベース言語と呼ばれるものです。

ロジックを作るプログラミング言語の選び方

最もややこしいのがロジックを作るためのプログラミング言語です。世の中にある無数のプログラミング言語はほぼこの役割③の言語です。だからこそ選ぶのが難しいです。

選ぶ基準は以下の3点です。

1. 書くのが簡単な言語か
2. 書籍やインターネット上の文献が多いか
3. よく使われている、もしくは今後使われる言語か

この3つの条件を満たす言語としてオススメなのは「Ruby」か「Python」です。

マーケターが学ぶべきプログラミング言語

では、具体的にマーケターが学ぶべきプログラミング言語を4つご紹介します。
※HTML/CSSは厳密にはプログラミング言語ではありませんが、細かい説明は省略して全てプログラミング言語としてまとめます。

学ぶべき言語①HTML

一番最初に学ぶべきはHTMLです。Webサービスで画面を表示させるためにはHTMLを使う以外の選択肢はありません

HTMLに複雑なロジックはなく、文章を書くように記述できるので最も簡単な言語と言えるでしょう。以下、HTMLの例文です。

<div class="note">
  <h1>学ぶべき言語①HTML</h1>
  <p>一番最初に学ぶべきはHTMLです。Webサービスで画面を表示させるためにはHTMLを使う以外の選択肢はありません。</p>
  <p>HTMLに複雑なロジックはなく、文章を書くように記述できるので最も簡単な言語と言えるでしょう。</p>
</div>

<h1>や<p>のような記述がありますが、これがどんな文章の構造を示すタグと呼ばれるものです。h1は見出し、pは文章を表しています。

注意するべき点は、HTMLだけを書いてもWebサイトには全くデザインされていないただの文字だけが表示されるということです

ではどうするのかというと、次にご紹介するCSSと併用します。

学ぶべき言語②CSS

CSSはHTMLに装飾を施しておしゃれにするための言語です。HTMLを装飾できるのはCSSだけです

HTMLよりは難しいですが、CSSも装飾のルールを記述するだけなので比較的簡単な言語になります。以下、CSSの例文です。

h1 {
  font-size: 24px;
  color: red;
}

h1はHTMLの見出しです。font-sizeは文字の大きさ、colorは文字の色です。よって、見出しの文字を24pxに、色を赤にするという意味になります。

HTMLとCSSが身につけば、サイトの改善やランディングページを作成できるようになります。まずはHTML/CSSを身につけることに時間を使いましょう。

学ぶべき言語③SQL

SQLはデータを扱うことのできる唯一の言語です。データはデータベースと呼ばれる箱の中に保存されています。データベースはデータをエクセルの表のように保存しています。

表からデータを取り出したり、逆に表にデータに書き込めるのがSQLの役割です。

SQLが身につけば、データベースにあるデータや行動ログを取り出して分析することができます。

学ぶべき言語④Python

SQLで保存したデータを使ったロジックを記述するには、PythonやRubyが必要です。同じことができる言語は無数にありますが、Pythonは書きやすく機械学習にも強いのでオススメの言語です。特にマーケターは機械学習を活用する可能性もあるので迷ったらPythonを学びましょう。

HTML、CSS、SQL、Pythonの中でプログラミング言語と呼ばれるのは実はPythonのみです。そのため、Pythonは他の言語に比べて覚えることやできることが非常に多いです。学習にも時間がかかるので、一番最後に学ぶと良いでしょう。

全体編のまとめ

以上がマーケターのためのプログラミング入門①【全体編】の内容となります。最後に一問一答形式で復習をしましょう。

Q. プログラミングとは?
A. 機械に命令するためのメッセージ
Q. プログラミング言語とは?
A. プログラミングをするための特殊な言語。用途に応じて複数の言語がある。
Q. プログラミング言語の役割は?
A. 役割は3つで①デバイスの画面上に情報を表示する、②データを保存したり、反対に取り出す、③サービスに必要なロジックを作る。
Q. デバイスの画面上に情報を表示するために選ぶ言語は?
A. WebサービスならHTML、iPhoneアプリならSwift、AndroidならJava。
Q. データを保存したり、反対に取り出すために選ぶ言語は?
A. データを扱えるのはSQLだけ。
Q. サービスに必要なロジックを作るために選ぶ言語は?
A. 未経験から学ぶ場合は、RubyかPythonがオススメ。
Q. マーケターが学ぶべきプログラミング言語は?
A. HTML、CSS、SQL、Pythonの4つ。まずはHTML/CSSで簡単なWebサイトを作れるようになるのを目指す。

具体的なプログラミングの学び方

具体的な学習方法は次の記事で説明します。しかし、すぐに勉強したい!という方はまずはProgateを学習することをオススメします。

Progateはゲーム感覚で楽しくプログラミングを学べます。しかも無料です。上で紹介した言語は全て対応しているのでまずはHTML/CSSから挑戦してみてください。

「参考書で学習しなくていいの?」と思うかもしれません。

実は未経験からプログラミングを学ぶ方法として参考書はオススメしません。なぜなら、初心者が学ばなくてもいい内容まで含まれているためです。中級者以上が自分のレベルに合わせて学ぶのに参考書は最適ですが、未経験の場合はオンライン学習サービスやプログラミングスクールが良いでしょう。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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