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noteでハッシュタグをつけて投稿すると全体ビューにどれだけ貢献するのか調べてみた

noteで記事を投稿する際に#(ハッシュタグ)を設定すると、「あなたの記事を知ってもらえる機会が増えて、多くの人に読んでもらえるためビュー(PV)が増える」と言われています。

note CXO深津さんの「タグをつける(noteのはじめかた)」を読むと、

完成したnoteにタグをつけることで、読者や編集チームに見つけてもらいやすくなります。

とあります。また、

タグとは、公開時に設定できる検索キーワードのようなものです。noteに適切なタグがついていると、その記事は検索されやすくなります。

とあります。そして「まとめ」として、

ハッシュタグは、あなたの記事に属性をつけ、見つけやすくするためのものです。特別な理由のない限り3〜5個程度を目安に、タグをつける習慣をもつと良いでしょう。あまりつけすぎると、逆効果かもしれません。

とありました。

かなり大事なポイントが書かれていますが、多くの方はハッシュタグの性質について理解が足りていません。

実際のところ、ハッシュタグをつけて記事を投稿するとどのような効果や影響があるのか?

ハッシュタグをつけて記事を投稿することで「全体ビュー」は伸びていくものなのか?

これ、謎ですよね?

それでは、ひとつずつ確認していきましょう。

・・・

noteでハッシュタグをつけて記事を投稿すると、

①「記事の下部」にハッシュタグが表示される

以下のように、記事の下部(「気に入ったらサポート」の上部)に設定したハッシュタグが横並びに表示されます。

「記事の下部」でのハッシュタグ表示

設定した「#note」のハッシュタグをクリックしてみます。

「#note」の新着タブ記事

すると新着順に、「#note」のハッシュタグを設定した記事が並びます。

ということは、

① 他のクリエイターさんが「#note」のハッシュタグをつけて投稿する。
② その記事を読んだ方が、そのクリエイターさんの記事下部にある「#note」のハッシュタグをクリックする。
③「#note」のハッシュタグをつけて投稿したあなたの記事が「新着」である。

この上記3つの条件が揃ってはじめて、記事下部のハッシュタグの表示によって、あなたの記事に訪問してもらえる可能性があるということです。

この条件を見ていただいた通り、{①「記事の下部」にハッシュタグが表示される}は、ハッシュタグをつけて記事を投稿することによる効果は全く期待できません。

そもそも、この記事下部に並んだハッシュタグがクリックされること自体が普通にないでしょう。

クリエイターの記事が気に入れば、「アイコン」をクリックして「クリエイターページ」に移動するか下部の「このクリエイターの人気記事」を読むし、記事が気に入らなければ「このクリエイターの人気記事」をスルーして、さらに下部の「こちらをおすすめ」から他のクリエイターの記事でnote内を回遊すると思われるからです。

・・・

noteでハッシュタグをつけて記事を投稿すると、

②「人気タグ」の「急上昇」に表示される

noteホームには、以下の「人気タグ」ページがあります。

noteの「人気タグ」

この「人気タグ」から、設定した「#note」のハッシュタグをクリックしてみます。

「#note」の急上昇記事

すると急上昇順に、「#note」のハッシュタグを設定した記事が並びます。

この「急上昇」というのは、表示されている記事の投稿日を見ると、(5/9現在)5/1か5/2の投稿ばかりが並んでいますので、このことから読み取るに、直近1週間の「PV」か「スキ」もしくは「両方」の数を元に計算されているものと思われます。

ということは、もしnote初心者がこの「急上昇」へ記事を表示させるには、「相互フォロー活動」や「スキポチ活動」をして、「PV」か「スキ」もしくは「両方」を増やさないといけません。

しかしながら、そもそもこの「人気タグ」ページを閲覧する目的は、「人気タグ」をクリックして読みたい記事を探すためではなく、「どんなタグをつけたらよいのだろう?」とタグ自体を探すために閲覧するものです。

つまり、note「人気タグ」から訪問者を期待すること自体が間違いです。

このように{②「人気タグ」の「急上昇」に表示される}も、ハッシュタグをつけて記事を投稿することによる効果は期待できません。

・・・

noteでハッシュタグをつけて記事を投稿すると、

③検索ボックスで検索後の「ハッシュタグ」タブで表示される

note右上にある検索ボックスでのキーワード検索後に「ハッシュタグ」タブをクリックすると、以下のように検索キーワードに関連したハッシュタグがズラリと並びます。

検索ボックス”note”のハッシュタグ

ここで設定した「#note」のハッシュタグをクリックしてみます。

「#note」の新着タブ記事

ご覧の通り、①と同じページに飛びます。

つまり、こういうことです。

① 検索ボックスで” note “と検索する。
② すると「人気」記事が並んで表示される。
③「ハッシュタグ」タブに切り替える。
④ 検索した” note ”に関連するハッシュタグがズラリと並んで表示される。
⑤ 検索した” note “のハッシュタグを探してクリックする。
⑥ 新着順に「#note」のハッシュタグを設定した記事が表示される。

これ、UXO(ユーザー体験最適化)を考えていただきたいのですが、こんな手順を踏んで検索ボックスからハッシュタグを追って記事を探す方なんて誰一人いないでしょう。

しかも、スクリーンショットをご覧いただいた通り、ハッシュタグ「#note」の新着はスパムで汚染されまくっています。

「#note」ハッシュタグでのスパム汚染

これはつまり、note検索ボックスでのハッシュタグ検索は実質的に機能していないことを意味しています。

ほとんど誰も使用していないので、スパム汚染もクレームにすらなっていないと思われます。

このように{③検索ボックスで検索後の「ハッシュタグ」タブで表示される}は、ハッシュタグをつけて記事を投稿することによる効果が期待できるどころか誰も見ていません。

・・・

④ハッシュタグをつけるとnoteでの検索結果に影響を与える

さて、ハッシュタグをつけて記事を投稿することによる「①~③での表示」では、「訪問者増=PV増」の効果が期待できないことがわかりました。

そうなってくると、検索ボックスでの「人気」の検索結果に対して、果たしてハッシュタグの設定は上位表示に貢献してくれるのか?という点です。

もしハッシュタグをつけることで、検索結果に良い影響を与えるのならば、積極的にハッシュタグをつけておきたいところです。

ところが、これに関しても少し調べたところで、全く期待できないことが判明しました。

note検索ボックスのアルゴリズムは、15年以上前のGoogleみたいな感じです。

この記事を書く前には、元SEOアフィリエイターらしくnote検索ボックスのアルゴリズムについて時間をかけて分析しようと考えていましたが、それは無意味なことだとすぐに理解できました。

以下は、5/8の「アフィリエイト」での検索結果(「人気」タブ)です。

「アフィリエイト」の検索結果(「人気」タブ)

吉本ばななさんの「全体をみる」という記事が一番上に表示されています。

どうして「アフィリエイト」の検索で、吉本ばななさんの記事が表示されているのだろう?と疑問に思って記事をクリックしてみたところ、

「アフィリエイト」の1位記事

文中にて、

たとえば、このメルマガ。もっと自作の宣伝に役立てたり、アフィリエイトに特化したり、ほんとうに大勢の人に読んでもらおうと思っていたり、お金のことだけを考えていたら、・もっと短くして頻繁に出すのがいちばんいいわけです。

と、「アフィリエイト」というテキストが1ヶ所記載されているだけのことでした。

このことから、記事の内容がどうかは一切関係なく、検索した文字列(テキスト)が文中に1ヶ所でも記載されていれば、「人気」記事として最上位に表示されてしまうということがわかります。

吉本ばななさんは、誰もが知っている人気小説家で、以下のようにnoteのフォロワーも62,889人います。

フォロワー62,889人

その他いくつかの検索キーワードにて、「人気」タブでの検索結果を確認しましたが、同様の結果を確認することができました。

この例のように、noteの検索ボックスでは必要とする記事が表示されないので、note内の記事を探したい場合は、Googleでsite:コマンドを使用することも検討してください。

例えば、note内で「アフィリエイト」に関する記事を探したい場合は、Googleで以下のように検索します。

site:note.com アフィリエイト

これで、note内にあるアフィリエイトに関する記事を横断的に探し出すことが可能となります。

ということで、{④ハッシュタグをつけるとnoteの検索に影響を与える}も全くありえないことが判明しました。

・・・

ハッシュタグの設定には意味がない?

ここまでを読んでいただくと、「では、ハッシュタグをつけて記事を投稿しても意味がないのですね?」と思われる方も多いかと思います。

しかし、そうとは言えません。

ハッシュタグには「たまたま発見してもらいPVが増える」という性質はなく、「どのような人(属性)なのかを表明して同好と繋がる」という性質があります。

つまり、ハッシュタグは「読みたい記事を探す」ためではなく「同好の士を探す」ために使用されます。

例えば「アフィリエイトの記事を探す」として「#アフィリエイト」のハッシュタグは全く機能しません。

それは①~④でご説明してきた通りです。

では、「同好の士を探す」際に使用されるハッシュタグとはどのようなものでしょうか?

それは「一般的なキーワードタグ」ではなく、「人(属性)が見えるキーワードタグ」になります。

以下の記事で紹介した「noteに関する人気タグ」でいえば、

#note初心者
#noteはじめました
#初めてのnote
#はじめてのnote

などです。

これらは、note初心者という「人(属性)」が見えています。

最もわかりやすくて効果的なのが、コミュニティ内でオリジナルのハッシュタグを作ってしまうことです。

そうすることで、安易に同好の士と繋がれますし、コミュニティの結束を強めることもできるでしょう。

繋がりが多くなることで、結果としてPVも増えることになります。

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ハッシュタグについての「まとめ」

まとめます。

ハッシュタグをつけて記事を投稿すると、「あなたの記事を知ってもらえる機会が増えて多くの人に読んでもらえるためビュー(PV)が増える」のではなく、「同好の士と繋がりやすくなる」。

なお、ハッシュタグの本当の使い方は別にあります。マーケターはハッシュタグを別の目的で利用しています。

ハッシュタグにつきましては、以下の記事も参考にしてください。

※この記事で「PV」と表現した箇所がいくつかありましたが、一般的な「PV(ページビュー)」とnoteの「ビュー」は異なる指標です。

これについての詳細は、以下の記事を参考にしてください。


以上 – noteでハッシュタグをつけて投稿すると全体ビューにどれだけ貢献するのか調べてみた – でした。

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