RTAを取り巻く状況 2018年度版 第1章 RTAの現況 第二節 RTAの始め方

・RTAの一連の流れ
RTAをする際の一連の流れを説明します。

…シンプルなケース
ゲームをクリア→記録サイトに投稿
シンプルに言えば、タイマーをつけてゲームを実施し、目標を完了後にその記録を記録サイトに投稿する。
これだけです。

ただし、上記は現実的な流れではないです。
ただ闇雲にプレイしても早くはクリアしづらいですし、記録も動画が無ければ認められないという事が多いからです。
これを踏まえて標準的な例を下記に挙げます。

…標準的な例
プレイルートを構築→ゲームをクリア(オプション:動画配信)→動画サイトに投稿→記録サイトに投稿
記録サイトに投稿する際に、ゲームによっては録画ではダメで、配信でないと許可されない(録画だと不正しやすいので、不正防止のため等々)
といったケースもあるので、投稿しようとしているゲームのルールを事前に確認しておくことが必要です。
ルート構築のための情報収集、動画サイト、記録サイトはどこのサイトを使用すれば良いかは後の章で説明します。

・RTAPlay!
RTAを始めようとする人に向けたRTAPlay!という情報サイトがあり、このサイトで一通りの情報が揃うためオススメのサイトです。
https://rta-play.info/

・プレイ環境のハードスペック
前節で述べたように、RTA計測(リアルタイムの時間でタイムを測定する)の場合には、
ロード時間も含まれるため、この時間を減らすことによってタイム短縮につながります。
ただし、ハードスペックはRTAコミュニティとして重要視されていません。
理由としては、ハードスペックを良くして時間を短縮する事はお金によるものであり、
ミクロ(ゲームの知識)でもマクロ(プレイスキル)でも無いためではないでしょうか。

…PC
PCの場合は家庭用ゲーム機と違いハードスペックが多種多様です。
HDD/SSDの差以外にも、高価なGPU,CPU等によってロード時間、処理時間の短縮を図れます。
ただし、PCの場合はゲームによってはロード時間を除外したタイム(Twl:Time without loads)を測定できるため、
スペックが影響しないという一面もあります。
このためか、speedrun.comのPC版の記録はスペックが情報として表記されることが少ないように思います。

…PS4
PS4としては、ロード時間が最も少ない組み合わせは
PS4 PROでSSDとなります。

…Xbox One
Xbox Oneとしては、ロード時間が最も少ない組み合わせは
Xbox One XでSSDとなります。

PS4/Xbox One
これらの機種の場合はspeedrun.com上の記録にPS4 or PS4 PRO、Xbox One or Xbox One X、HDD or SSD
であるかが記載されることがあります。
ただし、記録上位を見てもロード最速であるPS4 PRO+SSD、Xbox One X+SSDの組み合わせが多いという訳ではなく、
数的には差が無いように見えます。

…Switch
Switchには上記機種がないです。
また、HDD/SSDではなく、本体内蔵メモリ(eMMC)/microSD/ゲームカードになります。
ロード時間としては短い順にeMMC(ダウンロード版)<microSD(ダウンロード版)<ゲームカード(パッケージ版)となるようです。
このため、speedrun.comではダウンロード版であるかパッケージ版であるか記載されることがあります。

参考:【Nintendo Switch】どれが最も高速?起動速度を比較「ゲームカード (パッケージ版)」vs「本体内蔵メモリ」vs「microSD」
https://t011.org/game/138765.html

・測定するタイマー
ゲームのスタートからクリアまでを測定するためのタイマーはRTAの必需品です。
使用するタイマーは特に決まりはなく、何でも使ってよいのですが
長時間の測定となるとズレが生じてしまうタイマーもあるため注意が必要です。

最も使用されているのがLiveSplitというタイマーです。
RTAに特化したタイマーであり、それ用の機能もいろいろと付いていてカスタマイズ性が高いです。
Twitterで自己記録(PB)や世界記録(WR)を更新した際に、このタイマーのスクリーンショットを張り付けることが多く、
見たことがある人も多いのではないでしょうか。
詳しい使用方法については、前述のRTAPlay!内に使用方法のページ(下記)があります。
https://rta-play.info/tools/stopwatch/livesplit/
また、スプリット(区間記録)を計ることが出来ます。

・スプリット(区間記録)
ある特定のゲーム進行地点から進行地点までを区間と呼びます。
駅伝で第○区から第○区までのタイムを区間記録と呼ぶのと同じ意味合いです。
RTAでは区間はステージ単位だったり、区切りの良い箇所だったり様々です。
自分にあった区間を設定するため、同じゲームのRTAでも区間は人それぞれだったりもします。
この区間を設定することにより、区間ごとのタイムを算出できるため
どこが遅く、改善するべきなのかが一目で分かります。
また、RTAを走っている最中にも区間ごとにこれまでと比べて早いのか遅いのか、自己記録世界記録を更新出来そうなのかが分かるため、
プレイヤー、視聴者共にありがたい物となっています。

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