ピースという魔法にかけられて
King & Prince LIVE TOUR 2023 〜ピース〜Kアリーナ1日目、10月20日公演に入ってきた。
ライブの感想を簡単に言うと楽しかった!最高!大好き!これに尽きる。正直どんな言葉で形容しても結局のところ言いたいのはこれなのだ。脳よりも心がこの日を忘れないと思う。満たされている。
ツイッターでレポっぽいもの書いたし、noteまで書かなくてもいいかなと思ったが、未来の自分があの時なんでちゃんと記録しとかなかったんだろう…と嘆くのは避けたい(今までのあるある)。
そういうわけでタイミング含め巡ってきた運に感謝しながら噂の新アリーナで浴びた新体制King & Princeの記憶をここに記録として残しておく。
なお全ての言葉は私の記憶に基づくものなので正確性については保証しないことを予めご了承いただきたい。
5周年としてのツアー
今回のライブ全体を通して感じたのが『らしさと新しさ』だ。
まずおもしろいと思ったのが冒頭「My Love Song」から「Magic of Love」「koi-wazurai」「恋降る月夜に君想ふ」を一気に歌い上げた後にオープニングを挟む構成。
オープニングの次曲にはピースのアルバム1曲目でもある「静寂のパレード」が配置されていることからこれがある意味本編1曲目のようにも思える。ではその前の4曲はポジションでいうところの何かと考えて「自己紹介」というワードがふと浮かんだ。MC冒頭に廉くんが言っていた「我々が誰かわからん人のためにも自己紹介しましょ」のそれだ。(そんな人がこのライブに来れるもんか!というツッコミは省く)4曲ともタイプは違うが王道ラブソングであり、King & Princeというグループの持つ「正統派」の「キラキラした」イメージを具現化していると感じる。『らしさ』を最初に提示するところにふたりのグループの過去も大切に進んでいくという決意を見たような気がした。
それは最後の挨拶で海人くんが語った言葉からも伝わってくる。
周年のライブはベストアルバムを引っ提げた上で構成されることが多いが、体制の大きな変化を伴いながら5周年を迎えたKing & Princeが掲げたツアー名は「ピース」。その表題の新アルバム「ピース」と過去の楽曲を2人用に再構成しながらセットを組むのはなかなか塩梅が難しかっただろうと想像するが、バランス良くまとまっているなぁというのが個人的な所感。新体制前の曲を聴くのが躊躇われる瞬間もある自分にとってはそれを聴きたいと思うきっかけをくれることにも感謝している。
またFirst Concert Tour 2018にバックでついた7 MEN 侍と今回また一緒にツアーを回っていることにも特別なものを感じる。「やっちゃった!!」で楽器弾きながら走ってるの大変そう…と思いながらDVDをみた記憶が蘇ってくる。余談。そんな彼らの生演奏と一緒に聴く「名もなきエキストラ」とそれぞれのソロ曲「ワレワレハコイビトドウシダ」「きみいろ」は今のKing & Princeらしさが詰まっていて、初参加となる来月の「ドリフェス」でのパフォーマンス姿が目に浮かぶようだった。正直「きみいろ」が生演奏とは予測してなかったので色んな意味で大感謝である。
この生演奏のターンに挟まる「Kiss & Kill」と「TLConnection」のパフォーマンスも今のKing & Princeらしい『新しさ』を象徴するものに感じた。ありふれた表現でいうと一段階大人の階段を登った〜というようなそれ。正直モニター頼りで見ていたパートだが、逆光でほとんど表情が見えない中椅子に腰掛けながらアンニュイに歌い上げる「Kiss & Kill」、赤い照明に切り替わり、上から垂れ下がった布でできた東京タワーを思わせる空間でシルエットを映し出す「TLConnection」は曲自体のオシャレさを引き立てる素晴らしい演出でずっとキャーキャーしていた。これに加え、影絵のような映像とふたりのダンスをリンクさせた「Recolor」が好き演出三銃士(ダサい)なので円盤で何度も見れるようになるのを楽しみにしている。
アイドルと夢と魔法
今回のツアーレポを読んでいると高確率でオープニングとエンディングの映像がかわいい!という意見を見かける。わかる。
会場入りした瞬間白雪姫に出てくる魔法の鏡みたいだなぁと思っていた丸いモニターで展開されるその映像は、世界観としては絵本の中に入り込んだかのようなメルヘンな雰囲気。『不思議の国のアリス』と表現してる方がいたけどまさしくそれ。謎の少女、森の中のお茶会、ピアノ、大きな白い犬、林檎…想像する余白のある要素が多く盛り込まれていて大変楽しい。見落としている点が多いと思うので一旦考察は控える。
このオープニング含め今回のライブでは複数のポイントに「写真」というアイテムが登場する。オープニング、彩り、そしてエンディング。彩りのラストに「横浜の皆さん、記念撮影しましょう!せーのって言ったらピースね!せーの!」という海人くんの掛け声で突然シャッターが切られる。画面に映し出されたふたりと会場のファンの集合写真に「彩り」らしい演出だなぁとMVに想いを馳せた。そこから時間を進めてエンディング。オープニングから引き続きメルヘンな世界を眺めていた「わたし」は謎の少女から白い紙を受け取り、そのまま映像が切り替わって「わたし」の自室と思しき部屋の景色が映し出される。部屋には今回のコンサートグッズ等が飾られていて、なるほど「わたし」の夢が醒めた世界かぁ、あのメルヘンな世界はやっぱり「アイドルが見せる夢」なのね、と納得。この「わたし」は明日の私だなと思って少し寂しい気持ちになっていると視線の先には例の彩りで撮った写真が置かれている。驚きと歓喜。これは「夢だけど夢じゃなかった!」ってやつか!とその伏線回収に思わず拍手してしまった。
一連の演出自体巧くて唸ったのはもちろん、今のKing & Princeが仕掛ける演出の軸に「彩り」が使われたことが嬉しい。自分自身が好きな曲だからというのもあるが、歌詞のメッセージにどうしても想いを馳せてしまうからだ。
ライブでは「君」の歌詞で互いに手を伸ばし、触れ合うふたりの姿が見られて胸が熱くなってしまった。人は変わる、彼らには自分の理想や願望を押し付けたくない、というより期待したくない。そう思う度に「変わらない」存在として、「安心させたい」対象として、彼らはファンの心を包んでくれる。
それはふたりのそれぞれの挨拶の端々でも感じられた。
この挨拶の後「Happy ever after」そして「シンデレラガール」を歌い上げるふたりを眺めていると自然と涙が溢れてきてどうしようもなかった。「百年先もありがとう〜」とマイクがやや音割れするくらい感情を乗せてその歌詞を伝えてくれる廉くんを見て、心が震えるってこういう感覚なのかもしれないと心底思った。
夢の世界に誘って、夢を現実の思い出にして、明日からもお互い頑張っていきましょう、また会おうね、そういう魔法をかけられた。かかってしまった。
私はあらゆる界隈でファンをやっているが、のめり込みすぎたくがないゆえにどれに対しても広く浅くのスタンスを取っている。自己防衛というやつだ。King & Princeに対してもそうだと思っていた。でも完全にのめり込んじゃってるなぁ…と今回のライブで気づく。なんだかんだ人生の中で一番真剣に取り組んでいる仕事のふとした瞬間も、家族や友人との会話でも、何より辛くてしんどい時ほどKing & Princeのことを考えている。なくてはならない存在になっている。
愛が大きくなればなるほど失った時の反動が大きい。新体制前の半年に限らず色々な界隈にいて悟った事実だ。幸せな時に考えるべきことではないと言われればそれまでだが、幸せな時ほどこわいというのが私の心理だ。でもその恐れを超えて彼らの見せる夢のつづきを見たい、魔法にかかっていたいと強く思った。
何より大きな節目となった今回のライブでふたりがファンに見せたい夢があんなメルヘンでかわいい世界というのがシンプルにツボなので好きにならない理由がない。どういう経緯でこのコンセプトになったのか知りたくて堪らないので早めに円盤ください。宜しくお願いします。
備忘録
自分が後で振り返る用に断片的な記憶も載せておく。要するにツボポイントと脳直ツイートまとめ。
楽曲・パフォーマンス編
新章開幕
れんかいって"うさぎ"なんだよね
話をしようよ
ソロ曲
MC編
Kアリーナネタ
男性ファンとの交流
円陣
【余談】Kアリーナという舞台
「アーティストに最上の舞台を オーディエンスに最高の記憶を」をキャッチコピーに2023年9月横浜に誕生した新アリーナ。収容人数は2万人規模で、1万7千人規模の横浜アリーナを超える。
本編以外の話であれだが、King & Princeは公演アーティストとしてはゆず、LUNA SEA、SOPHIA、Sam Smithに続き5組目であり、アイドルのライブとしては初めてこの会場を使った形になるのでやはりここにも触れておきたい。
というわけで当日LEVEL7(アッパースタンド)一列目ほぼ中央付近の席で鑑賞した一ファンの目線で感じた会場の利点と欠点を挙げてみる。なおあくまで個人的な印象なので参考程度に留めて欲しい。
利点
1.音響とレーザー
言うまでもないが音楽特化型の会場と言うだけあってその音の良さは過去入ってきた会場の中でも随一。EDM系のRecolorやTLConnection、バンド系の名もなきエキストラや各ソロ曲はとても映える音楽環境だったと思う。重低音の響きも最高なのでCHASE IT DOWNの迫力も満点。音を耳から取り込むというより全身で感じるというのに近い。お腹とか足とかにビリビリくる。
またレーザーの色の種類、濃淡、線の太さの調整、ビームのフォーメーションの多彩さが見事。パフォーマンスにかなり華を添えてくれる存在に感じた。
2.音ズレの無さ
LEVEL7にいてもモニターやアリーナとのコールとの音ズレを感じないので、一体感がある。これ結構すごいことな気がする。たぶん円盤にするのには適した会場だろうなと思った。
3.全席が正面
横に長く、全席が正面に向いた扇形をしているのでパフォーマンスを真正面から楽しめるのはかなり良い。以前別のグループのライブでぴあアリーナMMに入った時、メインステージをほぼ真横から見る席に当たり、陣形や一部演出がわからなかったのは少し悲しかったので、そういうのはなさそうだと感じた。席自体の優劣は別問題。
欠点
1.構造上演出に制限が多くなる
おそらくこれがアイドルのライブにおける最大のネック。スタンドに走り抜けられるような通路はなく、定番のスタトロが使えないためLEVEL7は天井だし人権がないという話になる。ついでにいうと安全の観点から着席になるのでそれも少し寂しい。そういう意味では今回のライブでゴンドラに乗って少しでも同じ目線まで来てくれようとしたふたりの気遣いには本当に感謝だったが、あの簡易的なゴンドラは見ててこわかったのでこれこそ安全の観点からどうにかならないか…の気持ちになった。
2.退場における導線
既に問題になっているが昼夜2公演だと入れ替えの際に地獄のような風景になる。私は最初に退場できた組なのでそこまで大変ではなかったがそれでも敷地外に出るのに30分以上はかかったし、もっと後だったら…とゾッとする。やたらグルグルと迂回させられている気がしたがあれは必要なのだろうか…?と疑問。
総合力
Kアリーナの持つポテンシャルの高さはよく理解したライブだったが、やはり会場全体を使った構成で魅せるアイドルのライブにおいては現状「向かない」のかなと感じた。特に構造上アリーナが少なくスタンドが多くなってしまうのに対し、スタンド向けにできる演出が制限がされるのは厳しい。またアリーナ席の組み方は今回とは異なる組み方にできるだろうが、その分座席数を減らすことにはなるはず。
ただクラブで感じるような音の体感と美しい光の演出を大規模劇場で実現したアリーナは稀有な存在なので今後使用するアーティストの情報を気にして追いたい気持ちである。なお私は来年2月に予定されている別のアーティストのライブで既にもう一回Kアリーナ行きが確定している身なので使い方の違いなども含め楽しんでこようと思う。それまでに退場問題が少しでも緩和されていますように…と祈る。
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