見出し画像

TravisJapan Road to Authenticity大阪公演の記憶だったり記録だったり

2月23日大阪城ホールで行われたTravisJapanのRoad to Authenticityを見てきた。右腕が痛い。少し冷静さを取り戻した翌日に真っ先に感じたのがこれだ。運動不足と言われればそれまでだが、当日はそうなるくらいペンライトを振って回して踊って飛び跳ねた。本当に楽しいライブだった。

“Authenticity“=「信ぴょう性、信頼性、真正性、本物・真実であること。」 という意味である。”エンターテイメントの真髄”を追い求めていくTravis Japanの姿勢の現れ。

Road to A 特設サイトより

2023年12月20日、待ちに待ったCD形態でのTravisJapanのアルバムが発売された。その名も「Road to A」。
今回のライブはこのアルバムを引っ提げた形であり、デビューコンサートで「NEW SONG」として初披露された「Swing My Way」「Turn Up The Vibe」「DRIVIN'ME CRAZY」、その他当時音源がなかった楽曲を聴き込んだ状態で改めてパフォーマンスとして見られるのが嬉しい。

16時、列に並ぶファンを眺めながらやっぱりトラジャの現場って良くも悪くもジュニアの現場に近い雰囲気あるな…と久しぶりのトラジャ現場に微笑を浮かべていると開場となり足早に列が進んでいく。
諸事情により1月の横浜公演に入れなかった私を憐れんだ友人から声をかけてもらって初めて入ることになった大阪城ホール。超楕円型だし席によって見え方かなり変わりそうと考えていたが、出てきたチケットに「立見」と書かれていて見え方以前に見えないかもしれないね!と友人と笑った。「ここから先半周であればどこでも大丈夫です」とスタッフさんに確認し、なるべくモニターが見やすそうな立ち位置を確保する。ちなみに大阪初日に大阪城ホールの形を「お花みたい」と表現していた(らしい)宮近さんの感性は私には理解できなかったが、宮近さんがいうなら大阪城ホールはお花型なのだ。

17時定刻、オープニング映像を経て「DRIVIN'ME CRAZY」で幕開け。ゴンドラから登場した7人がサングラスをかけて不敵に微笑んでいる。治安悪い!最高!IMAGE NATIONの国家首脳会議の如く円卓を囲みながら踊るパフォーマンスもTHE SHOWの宙吊りオープンカーでハリウッドスターばりのド派手登場も大好きだが、今回の7面モニターで各々にセクシーサングラス外し(?)を披露するやつシンプルに刺さりました。ありがとうございます。
セトリと演出はなるべくレポで見ないようにしていたので「DRIVIN'ME CRAZY」が1曲目ということに初めは少し驚いたが、歌詞を聴いて納得した。

“君と抜け出すよ味気のないeveryday”
“ほら一緒に踊ろうよすぐそばにいさせて”

ライブの世界観にも連れて行ってくれる曲だと思うと「DRIVIN'ME CRAZY」がより愛しい存在になった。あとステップで移動しながらのダンスがかっこいいなと思っていたので松倉くんコレオと聞いて喜びと驚き。アンコールの「King of the Jungle」も松倉くん担当だけど目の前で手をピロピロさせる(ジャングルの茂みから顔を覗かせる動物のイメージ?)振り付けが印象的で好きなので、キャッチーさをコレオに落とし込むのが上手い人だなと改めて思った。BSフジの「~EP.3:Techno~ Travis Japan × PIKOTARO」(注1)でもその才能が光っていたのを思い出す。

以前は「振り付けは絶対にしない」「しないというかできない」と話していた松倉くんが「TravisJapanのダンスだぜ!!」でコレオを褒められることが増え、やっていて良かったと感じた話にグッときたばかりだったので、今回のライブを経てさらに挑戦を続けてくれたら嬉しいなと一ファンとして思う。

またコレオで特に好きなのが「Seasons of Gold」。バレエのようなジャンプや随所に手話を取り入れたダイナミックかつ繊細な振り付けは如恵留くんらしい。新衣装の光沢のあるゴールドが光の加減で時々彼らをシルエットのように映して見せたのも美しく、曲に合っているなと思った。
序盤他人と交わろうとしない松倉くんがメンバーに手を引かれ迎え入れられて、ラストは全員が手を重ねて円陣のようになっている(ように見えた)構成は物語性の面でも面白いので、円盤になったらじっくり鑑賞したい。可能なら如恵留先生の解説も欲しい。

演出では「Till The Dawn」と「Paranoia」に心奪われた。
巨大スロープLEDを使った映像とダンスのリンクで魅せる「Till The Dawn」はAORっぽいサウンドとアレンジの聴き心地の良さに音源の段階で好きな曲だったけど、演出でまた味わいが変わった感覚。

透明なイスを使ってシャンパンの中で溺れてるところを表現したりしたよ。(如恵留)

Myojo 4月号ライブの見どころQ&Aより

コルクが抜かれ、中のシャンパンがグラスに注がれる音で始まるので大人の夜をイメージした空間なのは感じ取っていたけどなるほど溺れてる演出だったんだ…(癖・サイコー)と知り、今までにない大人セクシーなトラジャを開拓してくれたこの曲に改めて感謝の気持ちになった。
「Paranoia」は中村海人先生の総合プロデュースだし、事前に好評なのは知っていたので期待値は上がっていたがライブ会場で浴びるともはや自然と「キャー!」が出た。歌詞がストレートにアダルティなのでガッツリエロい感じで仕上げてくると身構えていたらモニターの映像も衣装も照明も全ての演出が“絶妙”で唸る。

中村「歌詞は生々しいかもしれないけど、歌い方やパフォーマンスに関しては生々しさより、クールさを意識していて。」
「パフォーマンスを生々しくしちゃうと逆にちょっと子どもっぽく見えちゃう気がする。」

TVガイド2024年2月23日号より

中村海人さんの自分達のパフォーマンスを一歩引いて見られるところがプロデューサーとしての敏腕さの根底にあるんだろうなと感じる。うみパラ(注2)冒頭の舞台裏から表のステージへ手を引いて連れて行ってくれるあの演出然りファンのツボを突く的確さに勝手ながら信頼を置いているので、いつか彼が総合演出したトラジャのライブも見てみたいなと思ってしまう。
また「Paranoia」はそれぞれの声の良さも引き立つ楽曲で、特に閑也くんの高音の響きの良さには新鮮に驚いた。もっと閑也くんの高音を活かした曲が聴いてみたくなったり。あと「胸の隙間を〜そばに」のしめしず2人の掛け合いに関してはどこからどこまでを、どっちが歌っているのかわからなくなる声の親和性も見事。
他のユニット曲もそれぞれに良かった。松松の「Bro :)」は「YMMK(やっぱ松松かよ)」としか説明しようがない関係性のエモーショナルさとシンプルな音だからこそ映える2人の伸びやかな歌声に聴き入ってしまったし、のえちゃかの「Day Off」はかわいい手書きの歌詞が流れるポップな曲調とその曲調でなんでそんなに踊るんやというギャップにずっと口が半開き状態だった。今後もユニット曲がアルバムに収録されるようならまた新たな化学反応によって各メンバーの特性が発見できそうで楽しみである。可能ならファン以外にも手に取れる形態に収録されて欲しい。

そして曲・ダンス・演出すべてがツボなのが「Swing My Way」。デビューコンサート時から勝手に「Swing My Way」担を名乗っているぐらいに好きだ。思わず身体がノってしまうシアタージャズ、オフ・ブロードウェイっぽい空間演出に帽子・タップシューズ・ステッキを身に纏うショーテイストはやはりトラジャの強みだと思う。「Everywhere is my spotlight」という歌詞がトラジャにピッタリでそういうところも好き。個人的には外部舞台でこそお披露目して欲しい曲No.1。(もしまたD.U.N.K.に呼ばれることがあったら是非ご検討ください)

MCでは収録用カメラが隠されるような形で置かれていることに言及し「おい、いるならいえよ」というしめちゃんのボケ(おそらくLINEスタンプにもなった松倉くんの例のアレ)に「ケーイ!」とツッコむメンバーと「おいケイじゃねえ、NOケイ!」と怒る元太くんの構図に、ケイは「君」って意味(注3)でいつ何時も使えると思っていたがそうではないのか…という謎ルールを知ったり、とん平焼きを「TPY」と略す宮近さんに対する「略していいのは「TKG」だけ」というしめちゃんの良質なツッコミが流される中「ごめんね、「TKG」拾えなくてごめんね」と回収してくれる如恵留さんのフォロー力に惚れたり、変わらない内容の緩さでありながら、ふわふわしたボケが飛び交うだけでなくちゃんと着地できるようみんなでトークを回している一体感にトラジャいいチームになったなぁ…と感慨深い気持ちになった。収録日にちゃんとスタッフさん含めみんなで焼肉を食べに行った話をぶち込む中村海人さんの“わかってる感”もさすが。

全体の所感としてはデビューコンサートはジュニア時代トラジャが積んできたキャリアの集大成のようなものを感じたが、今回のライブは個々の見せ場も多く、その確かな実力はデビュー2年目のトラジャによる“その先”を感じさせるものだった気がする。
世界の舞台でパフォーマンスしたり、「ワールドツアー」という目標を口に出すトラジャを見ていると世界デビューってこういうことなのか、凄いな、頑張って、とやや遠巻きに眺めてしまう自分がいる。「寂しい」や「日本を主軸にずっと活動してよ」とはちょっと違っていて、自分にも大切な生活基盤があるので応援できる範疇の中で彼らの活動を楽しむファンでいたいという気持ち。
と、どこか割り切った風なファンを気取ってみるも、毎度ライブやYouTube、DVD等で彼らのエンタメに触れると「トラジャ最高!大好き!」の感情になっているので結局いつも冷静さを欠いている。オタクなんてそんなもんだよね。(主語デカ言葉)

そういえば今回仕様として特にいい役割を果たしているなと思ったのが
曲名・振り付け・プロデュース名(とたまに歌詞)が表示されるモニター上部の液晶。全員が振り付けを担当したからその説明役もかっているのもあるかもしれないが、オシャレな字幕のようだなと思った。そういう意味ではオープニング映像から始まってアンコール前に流れるエンドロールに至るまでが一本の映像作品のようでもある。
楽曲提供者や振付師、ステージスタッフ等各方面への感謝の心を感じるエンドロールの中に混じる「All Traja-tan」の文字に愛を感じた。

アンコールお馴染みの「Together Now」が流れると本当にライブ終わっちゃうなぁ…と一気にしんみりする。さしづめ「蛍の光」。意図的かはわからないが、THE SHOWの頃から「Forever またTogether Forever 会えるように
Hey yeah, ずっとTogether Forever きっと変わらない」なんて歌詞をファンに歌わせるトラジャ、なかなかに重くて好き。「たしかなモノなんてない でもずっと信じて行くよ」という歌詞は今の不安定な情勢を鑑みるとどうしても胸に突き刺さるものがある。
“Authenticity“という大きな言葉を使うのは憚られるけど、間違いなくTravisJapanのエンターテインメントに幸せにしてもらっていると実感する時間だった。ありがとうTravisJapan。どうかまたこうやってあなたたちに会えますように、と願うようにして会場を後にした。


(注1)「TravisJapan×〇〇」というシリーズでBSフジにて複数回単発で放送されたドキュメンタリー番組。課題曲を聴いてさまざまなルールの中制限時間内に振り付けをして覚えて踊るというなかなかハードな企画。毎回振り付けリーダーはくじ引きで決めるが、この第3回(2021年7月31日放送)は松倉くんがリーダーに決定。不思議なサウンドに苦戦しながらも作った寝転びながらの不思議で面白い動きの連続は作曲の古坂大魔王さんにも大ウケだった。
(注2)Summer Paradise2020の8/2(12:00、15:00、18:00)に行われた中村海人ソロコンの愛称。冒頭のワンカメショーは(私の中で)伝説。円盤化されていないのがひたすらに悔やまれる。
(注3)2023年7月21日に放送されたザ少年倶楽部プレミアムのTravisJapanゲスト回でMC永瀬廉(King & Prince)くんから「人を呼ぶとき『ケイ』って呼ぶクセなおりましたか?」聞かれた際に「『ケイ』っていうのにあんまり意味はない。『おう!君』みたいな(意味)」と回答していたじゃないかという話。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?