【神戸デザインリサーチの旅①】FARMSTAND〈ファーマーズマーケット/カフェ〉


先日、神戸へ行ってきました。
大阪までは行くことが度々あっても、なかなか足を延ばすことが今までなかったのですが、行きたい用事があっての1泊2日、神戸旅。
体力ないのでメイン以外の予定を入れず、ふわふわ風まかせに過ごしたのですが、思いがけずデザインリサーチ旅のようになったので備忘録です。

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神戸へ着いて、ちょっとお茶でもと思った時に、そういえば北野異人館を改装したスタバがあるらしいな?ということで、まずそちらへ行ってみた。…そこについてはここでは一旦割愛します。。

FARMSTAND〈ファーマーズマーケット/カフェ〉

北野異人館スタバから三ノ宮駅方向への戻り道、坂の途中のマンション1Fになにか気配を感じた。

むむ??におうぞ…なんか、デザインのにおいがする…!

近づいてみると、カフェ併設のファーマーズマーケットのようなお店でした。とってもいい感じだったので、購入後、おもむろに撮影許可をいただきました。(撮りたいがために買ったみたいなところある)


いざ、店内散策レッツゴーです。

明るく開放感あふれる入り口、無造作に置かれたようなグリーンも伸び伸び、ポップのバランスもすごく自然。で、もうここから楽しげ。こりゃ吸い込まれるわ。

とんがってたりデザイン優位のカフェやデリとかって、ちょっと澄まし顔すぎて気軽に入りづらい雰囲気出してるとこある。でもここは極めてフレンドリー。程よく雑多でワクワクしますね。


生鮮野菜がたくさんある。やりすぎてないリノベ空間に、緑の野菜が映える!映えだ、映え。
しかし、わたしはたった今神戸に降り立ったばかり。明日の夜まで神戸にいるので今はなまもの、買えません。

見た目だけでなくコンセプトや意思のある活動のようです。
(その実態は後でわかります)

このピチピチのアスパラ〜!!!
おいしそう!!!(買えない)

青梅きれい〜〜!!(買えない)

たまごも米もある!気になる!(買えない)

パンもある!パンは買った。
地元でつくられたお茶や瓶詰めなどもいろいろある。


さほど広くはない店内そこかしこに新鮮な食品が積まれ、これまた続々と人が入ってくる。一見の観光客ではなく地元の常連の雰囲気の方々が、慣れた手つきでカゴにひょいひょいと品物を選んでいく。地元に密着して生活の動線で欠かせないお店なんだなあと感じる。(平日昼だったので、週末は観光客も多いのかも)


もっとあれこれ撮りたかったけど、お客さんもたくさんいたので邪魔にならぬようと早々に撤収。

こういう生鮮品や食材を扱うお店は、暮らしのリアリティがあると、購入後自分の生活の中でどう使うかが想像しやすい。

例えばかっこいいキッチンツールをかっこいいお店で見ても、自分の日々の暮らしとかけ離れてしまっていると他人事になってしまうんだよな。自宅に持ち帰ってから居場所がないとか。

わたしはパン(食べちゃったので写真なし)とライ麦の小麦粉と、トマトとビーツのお店オリジナルのドレッシングなどを購入。

神戸に到着したばかりだったので生鮮品は諦めざるを得なかったけど、これは近所にあったら嬉しいお店だなと思った。

例えば、遠方から友達が訪ねてきたりという場合にも、お土産用に作られた商品は便利だけど、パッケージに地名が書かれているだけで実際はどこでも似たようなお菓子だったりする。(クリーム入りの蒸しケーキとか、チョコクリームを挟んだラングドシャだったりとか…)さすがにそういうのはもういいかなあ、と思う。
それよりも地産の食材を気軽に買えて、その体験自体が気分良い思い出になる方が何よりのお土産になるんではないかな。そんな体験ができる雰囲気のいいお店が街中にあるといいな〜と思う。

モノ代表だったお土産すらも、体験を重視したくなってるんだな。


よくよく知ってみたら、さらに素敵であった…!

お店のことは詳しくはwebを見ればいろいろわかるだろう、と帰ってきたけど、見たらばですね、案の定「えっ、素敵」っていう展開だった。今まさにこれをまとめながら知ったのでかなりテンションが上がっています。

FARMSTANDという、このお店がそもそもなんなのかというと、EAT LOCAL KOBEという、週末のファーマーズマーケットを開催しているところ(会社?団体?NPOかな?そこの詳細が見つからなかった…)が運営している模様。

毎週土曜日、三宮・東遊園地(公園)でファーマーズマーケットを開催しているけれど、毎日固定で開店していて、露天ではなかなか難しい乳製品も安定して販売できるところとして実店舗を2018年春にオープンしたとのこと。

(↑えっ?ここには神戸市主導って書いてある…神戸市、どんだけおしゃれかよ。。しかしwebに飛ぶとその表記ないんですけど…)



わたしが、特にいいなと思ったのがここで(↓以下webより引用)

生鮮品を販売していると、需要と供給のタイミングが合わず、どうしても残ってしまう食材が出てくる。

傷んでしまう前に店頭から早めに引き上げて、それをランチやデリに調理してフードロスを極力減らすというサイクルにしているのだそう。

これって最高なのでは?

このFARMSTANDは、『お店を切り盛りするのは、農家や料理人など、農や地産地消に興味を持つ若手中心のスタッフたち(webより引用)』とあるように、シンプルに店に関わるスタッフが生産者などの当事者だから、愛情があるからこそ自然にそうなっていったであろうと思えるところ。

環境や社会的姿勢としても素晴らしいけど、それを前面に「善意、善行」としてアピールしているだけではないところにシンパシーを感じた。
時々、それ自体が目的になってしまっていると、なんだか偽善的にも映ってしまうことがある。声高に主張してるけど、実態あるの?と突っ込みたくなる団体や活動も少なくない。

近頃、フードロスが話題に上がることが増えたけれど、社会問題化して主語を大きくしてどうにもならないと思わせてしまうよりも、まず自分たちのできる範囲でやっていくのが正しいなと思わされた。

生産して、消費まで完全に面倒見る、これこそ本当の地産地消。


デザインができることって、こういうこと

こういう社会的なメッセージを最前面に出していくと、どうしても難しく堅く捉えられてしまうことが多い(大事なことなんだけどね)。

社会のために!未来のために!地球のために!などなど、、立派で正しいことを声高に叫んでいる場面に出くわすと、「いや、まあ、わかるんだけどね…」って遠巻きにしてしまう節が、わたしにも、ある。NPOとか政治なんかに、割とそういうケースが多かったりする。前出だけど、そのスタンスをとることだけが目的になっているようなところも結構あって、それゆえ時に“胡散臭い”と言われてしまったり。本意ではないよね。


だけど大事なことだからこそ、とっつきやすいフレンドリーな仕立てにする。ユーザー自身は「好きだから選んだ」「心地いいから選んだ」「おしゃれだから選んだ」。それでいいんだと思う。

むしろそのほうが”自分の意思で選んだ”という意識が強くなる。

わたし自身、前情報一切なしで、たまたまふらりと、それこそ見た目のデザインに惹かれて立ち寄ってみて、購入して、気になったからwebを見たら「そういう取り組みだったんだ!いいね!」となったわけで。

いやほんと、これまじで展開が上手すぎる。
デザインができることって、こういうことなんだよなってつくづく思った。

入り口の敷居をアレンジして、まずは入りやすく、気づいたら、良いことに参加していた、みたいなことが理想なんじゃないかなー、などと気づきでありました。


めちゃめちゃ長くなったけど、神戸デザインリサーチの旅は、まだまだ序章なのであります。

つづく。

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FARMSTAND
営業時間 : 毎日 9時 〜 18時
住所 : 神戸市中央区山本通 1-7-15

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