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(5)新しい時代の悟り:シフティング

 「悟り」とか「覚醒」とかいうものは役に立たないと先に書きましたが、正確にいうと現在多くの人が思っている「悟り」や「覚醒」は役に立たないという話です。本来は、後半部が抜けているのです。後半部というのは、個我(エゴ)をオフにする体験をした後、それを現実の生活に適応するというプロセスです。
 禅の世界に十牛図というものがあります。禅のプロセスを10個のステップで表した図ですが、禅でいう悟りはその前半であり、後半は現実に戻っていくというプロセスが書かれています。つまり禅でも、覚醒する為のプロセスは半分でしかなく、現実社会に適応できるようになるのが、同じ半分の重みだと言っているのです。
 ということで、新しい時代にあった悟りや覚醒に相当するものが必要になると思います。もちろん、その方法にはこれが正解というものもなく、様々な方法があって良いと思います。重要なことは「意識の枠が外れること」、それ以外は別にこだわる必要はないと思っています。
 私は、この「悟り」や「覚醒」と同じ効果を作り出す手法として「シフティング」という手法を創り、お伝えしています。これは神秘体験的なものを経験する形ではありませんが、意識の枠を外し、本来の魂というか意識の力を引き出す手法です。神秘体験を経験した方が確かに驚きもあり、満足感もありますが、逆にそれに囚われて中々現実世界に戻れなかったり、また自尊心が異様に強くなったりする人もいて、個人的にはオススメでありません。
 私自身、若い頃、それに近い体験もしたことがありますが、これはあまり本質ではないなと思ってやめた記憶があります。もちろん、そういうことを追求されている方と比べたら入り口ぐらいだとは思いますが、その時以降あまり神秘体験は求めていません。
 ではどういうアプローチかというと、対話形式で相手に自分の情報を対話で引き出してもらうという方法です。そうすると意識が勝手に思い込んでいる枠が徐々に外れていきます。昔は、禅でいうと公案に集中したり、無念無想を求めたりしていました。また、スピリチュアルな世界でいえば、自己観察とか自己想起とかいうことをやったりしていました。これらは全て自分一人でやるプロセスです。しかし対話形式の方がより簡単に、より安全に意識の枠を外すことができるのです。
 シフティングでは、基本として「観察者のワーク」というものを必ずやっていただいています。これは量子力学の「二重スリットの実験」で、観察者がいると結果が変わるということからネーミングしたものですが、質問する側のマインドセットが変われば、相手の答えが変わってくるというシンプルなものです。
 皆さんも、誰かペアを探してやっていただいたら良いと思いますが、普通に相手に「あなたの人生の目的は何ですか?」と聞く時と、相手のハートのあたりに黄金の光か白い光をイメージして、それを相手の魂だと強く思いながら「あなたの魂さんにお伺いします、あなたの人生の目的は何ですか?」と聞いて、答えを比べてください。答える方はスッと出てくる答えをしてください。多くの人がその違いに驚かれると思います。
 このように質問者のマインドセットを変えるだけで、様々な情報が取れるようになります。そうすると様々な情報が取れるだけでなく、例えば意識が時間を超えているということを実体験として分かるようになってきます。そうすると悟りとか覚醒と同じように人生に安心感が増して来ます。例えると、今までの悟りは全部の枠を一斉に取るか取らないかの選択しかなかったのですが、シフティングは枠を一本ずつ理解しながら取り外していくイメージです。こうすると単に取り外すだけでなく、ひとつひとつ理解しながら取り外して行くことが可能になります。
 これは悟りや覚醒との比較としての説明ですが、スピリチュアルでいうチャネリングなどとの比較としてみてみましょう。一番の違いは「霊能者やチャネラーの口から出る情報ではなく、ご本人の中から情報が出てくる」という点です。これは多くの人から言われています。自分自身の口から出てくるので、納得感が違うと。人によっては自分で話しながら、後から「自分が言いながら、自分で信じられなかった」みたいな方も多くいます。そういう意味でシフティングは、霊能力や超能力、チャネリング養成技法といっても良いかも知れません。このやり方で様々な情報を取れるようになった方も多くいます。
 「猫と思い込んでいるライオン」の話もさせていただきましたが、シフティングはこの「猫と思い込んでいる」という想いを取り去るという手法でもあります。以下に様々な能力開発の方法を学んだり、ワークをしたり、修行したりしても、この思い込みがある限り、潜在意識的には逆に枠を強化する方向になってしまいます。他のどのような手法を学ばれるにあったても、先にシフティングを体験された方が良いと思います。
 巷には数多くの潜在意識や意識を活用する手法やノウハウがあります。そして、そのほとんど全てが見落としている重要なポイントがあります。シフティングのセミナーなどで時々お話をさせていただくのですが、それは「あなたは自分の意識とか潜在意識をどう思っているのか」という点です。セミナーの中で参加者の方に「あなたの意識はどこにありますか?」と聞くと、ほとんどの人が「頭(脳)」とか「胸(ハート)」と答えられます。
 しかしごく一部ですが、「全ての空間」とか「宇宙全部」と答えられる方がいます。もし、意識が自分の中にしか働けないと勝手に思い込んでいたら、いかに潜在意識に大きな力があったとしても、また潜在意識の使い方を覚えたとしても、上手くいかないと思いませんか。潜在意識の使い方を覚える前に、まずは潜在意識というものが自分の中だけにあるのではなく、全ての空間に作用するという書き換えをしないと駄目なのです。そういうことを、多くの人は気付いていないので、偶然そういうマインドセットを持っている人しか結果を出せない、そういう状態が起こっていると私は考えています。
 シフティングは、そういう意識の枠の代表的なものをひとつひとつ外していきます。具体的にいうと、時間の枠、空間の枠(人と人との関係という意味で)、自分の中にある複数の自分への認識、自分の外の意識との関係、という4つを基本としています。特に自分の外の意識に入るという体験をすると、チャネリング的な原理を体感的に理解できるようになります。この意識を枠の外し方を次に説明させていただきます。

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