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海外向け電子手帳(2) − 画期的な英語学習法

 これは海外の電子手帳に直接関係のない話ですが、私が海外との仕事の中で発見した全く新しい形の英語学習法、「英語目ラーニング」の説明です。
もともと日本語の構造は、世界の多くの言語と異なっており、脳の処理のやり方も異なっています。この違いの詳しい説明は言語学のプロに譲るとして、私が気付いた簡単に英語力を上げる方法が「英語目ラーニング」なのです。

 私はこの学習法のエッセンスを会社時代に気付き、3年ほどTOEIC600の壁を超えられなかった英語力を700以上にすることが出来ました。私は直接人に教えていませんが、知人がこの学習法を百人以上の方に使ってもらい、素晴らしい成果を挙げているので、私だけに効果がある訳でなく、万人に効果があると思います。

 どういう学習法か一言でいうと「脳の反応速度を上げる」学習法なのです。やり方はシンプル、1分から3分程度の長さの英文とその音声を用意します。そして、次の手順を繰り返すだけです。

<英語目ラーニングのやり方>
① 英文を一度耳で聞きます。
② そのあと、黙読でなるべく早く英文を読みます。
③ 3〜5回繰り返すと、黙読の時間が短くなります。
英文の読み上げ時間より短くなればベターです。
④ 再度、英文を聞きます。
多くの人が①よりも英語がわかるようになります。

 「2回受けただけで今まで分からなかった外人の英語の一部が理解できました」とか、「単語の意味が分からなくて何を言っているかは分かりませんでしたが、単語を区切って聞き取れました」とか、「海外に行って2〜3日しないとならない状態に、1時間程度になれ英語が聞こえるようになりました」とか感想をいただいています。

 どういう原理かというと、脳の回転速度を黙読で上げている、ただそれだけのことなのです。だから「英語目ラーニング」(=黙読で脳の速度を上げる)という名称なのです。本当にたったこれだけで、と思うような話なのですが、実際に体験してもらうと多くの方が感動します。

 もちろん、全ての人の英語力が上がる訳ではありません。例えば英語について全く知識がない人の英語力が上がることはありません。しかし、英語は何年も勉強していて、英語の知識も単語の知識もあるのに実際に英語は聞けないし、読めない、みたいな人には即効性があります。そういう人の問題は脳の反応速度だけだからです。

 私も英語の仕事に携わり、3年ぐらい英会話教室に通うなど英語の勉強をしていました。だからこそ、この学習法ですぐに効果が出た訳です。またテスト直前に英語力を急いでアップさせたいといったニーズには最適です。

 なぜ脳の回転速度が重要なのでしょうか。それは、他の言語と違い日本語は膠着語と呼ばれる特殊な構造であるため、脳の使い方が英語系の言語と違います。この英語的な脳の使い方を訓練するのに、脳の回転速度を上げるのがベストなのです。

 分かりやすい例でいうと、野球でピッチャーが時速150キロの球を投げているのに、バットを時速50キロで振ってもボールに当てることは出来ません。まずバットを時速150キロで振ることが何より大切なのです。

 日本人はリスニングコンプレックスなので、耳から英語を聞くことばかりにフォーカスしがちですが、耳からの英語では脳の回転速度を上げることは困難です。朝、新聞を読むことを思い浮かべてください。新聞の情報を全て耳からインプットしようとしたら、どれだけの時間が必要だと思いますか。それに比べて黙読ならば、かなり速度を上げることが出来ます。特に速読とかの練習をした人なら尚更でしょう。

 「英語目ラーニング」は、英語に対する脳の反応速度を黙読でアップさせてから、英語の学習を始めるという、全く新しい発想の学習法なのです。そして、英語を何年もやって、英語の知識も多く、単語も知っている人にとっては数時間の体験だけで魔法のように英語力を上げることが可能な奇跡の学習法でもあります。

ビジネスの基本(12):英語力は黙読(速読)で飛躍的にアップする

 こういう学習法が今までなぜ誰も気付かなかったのか不思議ですが、あまり世の中で見かけたことがありません。あまりにも簡単過ぎて人に説明したり、教育プログラムとして入れたり、ビジネスとして入れるには問題があるという面は確かにあります。

 しかし、オリンピックや万博を控え、国民全体の英語力を向上させるのが喫緊の課題である日本にとって、素晴らしいソリューションになることは間違いのない話だと思います。

 また、この学習法はネイティブ並みの英語を目指すもの、英語の専門家を育てるものではありません。本業が忙しく中々英語に時間を割くことができない人間が短期間に英語力を上げる、そういう学習法です。英語がペラペラ喋れるような学習法ではありません。

 しかし人にもよりますが、英語のドラマをみて何を言っているか漠然と分かったり、英語の原書をある程度読めたり、ビジネスのレターとか説明書、契約書の概要を理解するには最適な学習法です。

 ちなみに英語は、「読む」、「聞く」、「書く」、「話す」と4つが必要です。英語目ラーニングで「聞ける体験」をすることは分かったが、読む、書く、話すはどうなるのかという素朴な疑問が出てくると思います。

 まず「読む」ですが、速読を行うことによって当然「読む」力もアップします。これは仕事で英語を使う上でとても重要な話です。仕事では、話だけでは英語は完結しません。必ずメールでやり取りしたり、文書をお互いに交換したりします。契約書とか説明書とかも、文書の量が多いので、それを早く読める力はビジネスにとって必要不可欠であり、「読む」力が向上することは、様々な面でメリットがあります。

 「読む」に関しては試験対策についても役に立ちます。特にTOEICなどは「聞く」と「読む」が全てであり、特に効果がありますが、受験も含めて一般のテストも「読む」に大きなウェイトを置いています。「英語目ラーニング」はそれらの対策としても最適だと私は考えています。

 ちなみに「読む」については、翻訳アプリを活用するという方法もあります。グーグルの翻訳アプリもレベルが上がっていて、かなり実用に使えます。文字がデータになっていれば、長い契約書とか説明書とかの文書を読むとか、テスト以外であれば翻訳アプリを使うのも一つの方法だと思います。

 ではアプトプット、「書く」と「話す」はどうでしょうか。コミュニケーションに関しては相手の言っていることとか書いていることを理解出来るだけで、つまりインプットだけで8割ぐらいは大丈夫です。仕事でも同じで、アウトプットよりインプット、相手の説明を理解できることが重要です。さらにいうと、先程の翻訳ソフトを使えば「書く」タイプのアウトプットは結構簡単にできます。残るは「話す」だけです。

 流石に「話す」は、「英語目ラーニング」では対応出来ません。「話す」には勉強や訓練が必要となります。しかし、テストとか受験などでは「話す」ことは不要です。またビジネスの現場で体験した感覚では、日本人の多くはある程度定型パターンを覚えていて、それを使ってビジネスを行なっています。

 もちろん、もっとネイティブ的に英語を操れる人も多いと思いますが、ビジネスを英語で行うだけと割り切って考えると、定型文を覚えて訓練する、それだけでも結構通じるし、ビジネスも出来ます。

 このように考えていくと、「英語目ラーニング」で「聞く」と「読む」を飛躍させることが日本人の英語力に取って、奇跡的なソリューションと言っても過言ではないかと思います。


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