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お金の課題(4)社会貢献とお金:「受益者の不明確化」

お金に関する課題をもう少し見てみましょう。それは受益者の不明確化という視点です。テレビとかラジオのような媒体が出始めた頃からある程度明確になっていた話なのですが、インターネット時代にさらに明確になってきた話です。

それまでは物やサービスの対価としてお金が使われていたのですが、この「対価」という概念自体が成り立たなくなって来ました。受益者が特定出来ない話が増えて来たのです。まだテレビやラジオの時代は、広く認知するのに役に立つという属性から、広告宣伝モデルとして、広告主に負担をさせる方法でそれを誤魔化して来ました。

しかし、インターネット時代になりそれが誤魔化し切れないようになって来ました。このように受益者が特定できないビジネスのビジネスモデルはテレビと同じ広告宣伝モデルが主流です。それは、GoogleやFacebookという現代の一流企業の収益モデルがそうなっていることから理解できると思います。

もう一つは寄付モデル、これはWikipediaに代表されます。ちなみにネットだけでなく、海のゴミの片付けをされている若い方も寄付が基盤です。こういう地球環境や社会や公共のためにはなるけれど、誰のメリットか分からないものも「受益者が不明確」の代表例です。

逆に受益者が不明確だからこそ、今まで取り残されていたとも言えます。本来なら国家が税金という形で負担すべきものが、財政の悪化や権力者の価値観の違いによって手付かずになって来たわけです。

広告宣伝モデル、寄付モデルだけでなく、近い話では携帯やスマホのように「通話料の仕組みの中に組み込む」形やオンラインサロンなど形態もあります。色々な形がありますが、本質は、誰が受益者か分からない、多くの人、場合によっては人類そのものが受益者という話について誰が費用を負担するかが不明確ということです。

この話を多くの人が理解出来ない限り、社会や公共のために必要なことも、人類や地球環境にとって必要なことも、ずっと置き去りにされ続ける、そう思われます。


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