商船三井さんの2022年度決算を見てみた

4月28日に発表された商船三井さんの2022年度決算を見てみたいと思います。data2304.pdf (mol.co.jp)
前年度に続き、2022年度も超好調だったコンテナ部門の影響が大きく経常利益が8千億円超えとなったようです。コンテナ部門だけでなく、他主要3セグメント(ドライバルク、エネルギー、自動車)も好調で増収・増益になっています。

2023年度予想と2022年度実績

一方で来年度の経常利益は22年度の1/4となる2千億円に大きく減少する予想です。主要部門を見ると、エネルギー部門は石油タンカーが市況堅調の予想、LNGタンカーは長期安定事業なので新年度も増益の予想でなんとか増益予想ですが、コンテナ部門は市況悪化し経常利益が1/10以下の5百億円に、ドライバルク部門も利益が半減する予想です。
コンテナ部門は他の部門に比べて市況の大きく受けるのですが、コロナの終焉と共に神風(好況)が収まると想定しているということかと思います。
ドライバルク部門も大幅減益の予想(前期比▲346億円)になっていますが、説明資料によると減益原因は”ケープ、チップ、その他”となっています。ただ、市況想定を確認するとケープは好転、パナマも悪化はしているもの超不況という状況ではなく、2022年度末時点で運航283隻のうち53隻がマーケット船(市況影響をうける)である点を考慮してもドライバルク部門の大幅減収の主要因とは考えにくく、”その他”における減益影響が大きいものと考えられます。実際に多目的船の船団は新年度にて53隻⇒36隻(▲17隻)とスリムにする(なる?)想定になっており、損を出してでも処理したいという事ではないかと思われます。

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