見出し画像

海運業界を目指す人へ向けて

新卒で大手海運会社に入社して以来、海運業界の片隅に身を置く者としてこれから海運業界を目指す人たちに少しでも魅力をお伝えできればと思います。

  1. 海運業界の面白さ

・物流を通して世界がわかる。
鉄鉱石や石油、LNGといった資源から自動車やワインといった生活必需品まで多くの貨物が海上輸送によって貿易されています。また、どこかでひとたび大きな災害や事故、紛争が発生すると物流が変わりすぐさま経済活動に反映されるのです。物流という切り口から幅広い産業にに携わることができ、世界経済のダイナミクスを感じることが出来る。これが海運業の醍醐味だと思います。
・貴重な場所を訪問でき、貴重な経験ができる。
船会社は輸送業でありメーカーのように製造や販売の現場がない分、輸送の現場を知ることを重視しています。私も現場を知るという目的で、担当している船が寄港する度に日本や海外の港に出張し荷役の様子を視察していました。面白いところではブラジルのアマゾン川河口を船で確認したりもしました。
・面白い人たちに会える。
海運業での仕事では主に国内海外の荷主、船主、港湾関係者、船員といった関係者と仕事をすることになりますが、それぞれ皆さん国籍も様々ですし、バックグラウンドも違うので個性があって面白いです。誘拐未遂に遭い新聞に載ったギリシャ船主の御曹司とか、優秀で優しいんだけど仕事中も頭の中は夜のお店のことをばかり考えている船舶代理店の人とか、お母さんみたいに世話焼いてくる海外関連会社社員とか、色んな属性の方と知り合えることが出来ます。

2.海運業界(大手海運会社)の働くこと
・働く環境が良い
ありきたりですが、所謂ホワイトな環境だと思います。残業も多くはないと思います(トラブル発生時や決算期などは業務によって一時的に負荷がかかる場合はあります)。パワハラやセクハラもゼロではないと思いますが殆ど聞きません。また、ほとんどの社員が本社勤務です。大手船会社は東京本社ですので、勤務地は東京or海外と安定しています。
・海外駐在
早い人では新卒時点から海外駐在のチャンスがあります。船会社の駐在先としては、やはり海運業の中心地であるシンガポールが一番多いように思います。他には欧米、アジアなどの可能性があります。駐在時の給料は会社次第ですが、駐在中の住居などの福利厚生は大手船会社であれば大手商社と同レベルではないでしょうか。私も海外駐在の経験がありますが、20代から年収1000万円を超えるケースもあります。
・人事ローテーション
大手船会社では人事ローテーションを採用しており、少なくとも若手の間は3〜5年で色んな部署を経験することになります。

3.船会社の仕事ー運航管理
新卒入社社員(陸上)の多くが担当する業務です。また、船会社では人事ローテーションにより3〜5年で異動がありますので、船会社で働く場合一度は経験することになります。大手船社の新卒HPに業務内容が社員の顔写真共に掲載されていますが、航海スケジュールや収支管理から契約交渉やトラブル、顧客対応など船会社で働く上で必要となる一通りの業務知識を得ることが出来ます。

船・荷役港・オフィスを繋ぐ陸上の管制塔の役割。
航海中の本船へ輸送スケジュール、気象海象情報や荷役物量情報を共有し、安全に確実に貨物を輸送する為のサポートを陸上から行う業務。

https://www.nyk.com/recruit/newgraduate/

今回はここまで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?