見出し画像

若山牧水の詩碑 風景印と記念碑

 群馬県中之条町なかのじょうまちにある沢渡さわたり郵便局の風景印には若山牧水わかやまぼくすいの詩碑『枯野の旅』が描かれています。

若山牧水(1885-1928)

 「酒と旅の」枕詞が有名な歌人・若山牧水は本名を繁(しげる)といい、宮崎県に生まれました。1910年(明治43年)に『創作』を主宰・刊行し、本格的な創作活動が始まりました。平明な歌風が人気で、各地に歌碑があります。

 1922年(大正11年)10月に長野・群馬・栃木を巡る旅行の途中、訪れた場所が暮坂峠くれさかとうげです。旅自体は『みなかみ紀行』という本にもなっています。記念碑になっている『枯野の旅』はこの暮坂峠で作られた詩です。

 1957年(昭和32年)に石碑と石像(西常雄による彫刻)が建てられ、1987年(昭和62年)に像は同じ西常雄によるブロンズ製のものに作り替えられました。1982年(昭和57年)から使われている沢渡郵便局の風景印に描かれているのは石像だったと考えられます。

 しかし、このブロンズ像は2016年に盗難にあって無くなってしまいました。代わりに中之条町在住の彫刻家・斉木三男による石像が翌2017年に完成しました。

動画

記念碑の地図

 群馬県中之条町の暮坂峠にあります。近くには駐車場と茶屋があります。


碑文

枯野の旅 若山牧水

乾きたる
落葉のなかに栗の實を
濕りたる
朽葉(くちば)がしたに橡(とち)の實を
とりどりに
拾ふともなく拾ひもちて
今日の山路を越えて來ぬ
長かりしけふの山路
樂しかりしけふの山路
殘りたる紅葉は照りて
餌に饑うる鷹もぞ啼きし
上野(かみつけ)の草津の湯より
澤渡(さわたり)の湯に越ゆる路
名も寂し暮坂峠

牧水詩碑再建事業の碑もあります。

暮坂峠の牧水詩碑はまだ峠に車道のない昭和三十二年十月地元有志により建立され、三十年後の昭和六十二年コンクリートの牧水像はブロンズ像へと設置替えされた。昨年七月十日牧水像は無残にも足を切断して持ち去られる盗難被害に遭遇、詩碑保存会は怒りと失望の中、再建事業に着手。数多くの皆様のご支援を賜る。
    平成二十九年十月二十日  牧水詩碑保存会

沢渡郵便局

 風景印は郵便窓口で郵便物を差し出す時に押してもらえる赤茶色の絵入りの消印です。郵便窓口に「風景印を押して出してください」とお願いすれば、差し出す手紙やはがきに押してもらうことができます。また、63円以上の切手を貼ったカードなどに押してもらって差し出さずに持ち帰る(記念押印)こともできます。

 風景印は1982年(昭和57年)6月17日から使用開始されたものです。郵便窓口は平日のみの営業です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?