去年、僕が会社をやめるのをやめた理由

「後輩の◯◯が転職を考えているらしい。」

最近はこんな話題が多くなった気がします。
理由をまとめるとこんな感じ。

「やりたいことをやらせてもらえない」
「成長がみえない」

わかる~。かくいう自分も、入社2年目という結構早い時期から転職活動に目覚め、それ以降、毎年転職未遂を繰り返し、半ば契約更新のような4年間を過ごしてきました。その度に「やめてどうするの?」と言われ、はっきりはわかんないけど、ここじゃなにも出来ない!と、反発してきたのを覚えています。きっと彼も今同じようなことを考えているんじゃないかと想像。

でも僕は、結果的に今の会社に残って、やりたい放題やらせてもらうことが出来ました。今考えると、まぁ頑張ったのは頑張ったけど、きっとそれだけじゃなくて"やるべきことをやる時期"というのがあったのかもなーと思っています。

勇者もはじめは行く末を決められている

ドラクエってご存じでしょうか。詳しくは知らなくても、ゲームの名前となんとなくのイメージはあるという方が多いと思います。

そのドラクエをやってて思ったのですが、会社とRPGって似てる部分がある気がするんです。

ひょんなことから、自分が選ばれし勇者であると告げられ、魔王を倒す使命を与えられる勇者ですが、とはいえいきなり魔王のもとには向かいません。

序盤のダンジョンは、必ず決められた道をたどり、決められたクエストをクリアして、着実にレベルをあげながら物語を進めていきます。竜の背中に乗って、あっちの町からこっちの町へ。魔王を倒す使命があるにも関わらず、メダルキングのメダルや名産品を集められるのは、物語の後半になってからです。

たぶん会社や仕事も似たようなもので、いきなり竜には乗れないんだと思います。まずは決められたクエストをクリアしていく必要があって、ある程度のレベルになってから自由にやりたいことが出来るようになるんだと。

つまり"自由"とは、ある程度レベルが上がって、その世界での生き抜き方を身につけたことで許される権利なのです。加えて、クエストをクリアする時期に、どれだけレベル上げをしているかで乗れる竜も変わる気がします。

雑用に近いことをやらないといけないこともあるだろうし、お客さんからの電話を取るので一日終わることもあると思います。

でも、勇者もはじめは同じなんです。大して貴重でもない薬草を、隣町の病気の親父さんに届けるクエストをクリアしないと、川を渡る橋さえ掛かからないんです。明らかになんかあるとわかっていても、その洞窟には入れてもらえないんです。なぜか?それは、クエストをクリアしてないからなんです。

やり残したクエストはないか?

会社も勇者も同じで、きっとまず自分がきちんとクエストをこなす必要があるんだと思います。最低限のタスク。もちろん「こんなこと他の会社だったらやらなくていいのに…」と思うこともあるかもしれませんが、ドラクエをやっているからにはドラクエのルールに従うしかありません

とにかく早く仕事を覚えて、クエストをどんどんクリアしないといけない時期というのは、実際の仕事では面白くなくなりがち。でもその過程で、特技も魔法も覚えて、ある程度の敵を倒せるようになっていたら、ある時から竜の背中に乗って名産品集めにも時間を使えるようになっているはずです。そうなったら、やりたいことをやりたい放題やったらいいと思う。

もし今やりたいことが出来ていなくて、同じことばっかやってんなって思ったら、クリア出来てないクエストがないか見直してみるといいと思います。時には地道なレベル上げ期間もあるかもしれませんが、竜に乗るのはそのあと

もし振り返ってもやり残したクエストはなにもない、あるいはスキルでなく年次やイメージで次に進ませてもらえないのであれば、その会社はクソゲーなので、迷わずやめてしまいましょう。大丈夫、世の中は仕事に溢れてます。

※やってみたら「おれがやりたいのはドラクエじゃなかった」という場合、これは難しいです。序盤がおもしろくないからそう感じるのか、本当にやりたいことがドラクエじゃなかったのか、それがわからないから。でもまぁ真面目に就活してたら、そこまでのアンマッチもない気もするので、当面は一通りクエストのクリアを目指すほうがいいんじゃないかと思います。

クエスト設計がめっちゃ大事

さて一方で、勇者サイドではなく製作サイドにも課題があると思います。

今思えば、僕はなにをすれば魔王を倒せるようになるのかわからない不安から、転職を検討していたように思います。

そこで思うこと、

クエストは適切に設定してほしい

勇者は魔王を倒すという使命があります。なのに、いつまでも薬草を届けさせていては、いつまで経ってもレベルは上がりません。クリアしたら次のクエストを用意してほしい。幽霊屋敷のお化け退治とか、洞窟の宝箱から地図を取ってくるとか、勇者が次に繋がるようなクエスト設計が必要不可欠です。

これ、出来てますか?

なんとなく部下が失敗が多い気がするからと、いつまでも出来る範囲の事しかやらせてないとか、ないですか?逆に、まだお化け退治くらいがちょうどいいはずなのに、めっちゃ強いジャングルに放り込んで放置したりしてませんか?王宮から出たとたん、勝手に魔王を倒せとばかりに、なにもクエストを用意してない、あるいは思い付きのクエストばかり与えている、そんなことないですか?

どのケースでも、部下としては面白くありません。明らかに達成できる、明らかに達成できない、これはどちらも悪です。見直すべきだと思います。

成長がみえないのは、会社のせいかもしれない

「やりたいことをやらせてもらえない」問題の次は「成長がみえない」問題について。

これは、僕は会社側に大きな原因があると考えます。教育担当の先輩や上司といってもいいかもしれません。

押さえておきたいのは、魔王を倒せないことに不満があるのではなく、レベルが上がっている実感がないことに不満がある、ということ。

ドラクエでは、てれれれってってって~♪が解決してくれます。例のレベルアップ音です。

自分がまだ魔王に勝てるレベルでないことくらい、さすがの勇者でもわかっています。どのレベルまでいけばいいなんて、誰にもわからないことは勇者も知っています。 でも、例のレベルアップ音のおかげで、自分が少しずつ成長していることを日々実感しながら旅をしているはずです。

僕の場合、日々の業務の中でレベルアップ音が鳴ることはほぼありませんでした。強いて言うなら、大きな仕事を達成したとき、いわばボスを倒した時だけ鳴ってた感じ。ボスなんてそうやすやすと倒せる訳じゃないし、魔王でないこともわかっているので、とにかく毎日成長の実感がなかった。

しょうがないから自分で鳴らしてました。これ出来るようになったな、とか。まだ足りてないかもしれないけど、戻しが一回減ったなとか。自分で勝手にレベルアップ音を鳴らす。資料を作り終えたら、経験値がたまったとわざと錯覚する、

ドラクエはその点、とにかく成長を実感しやすい仕組みだと思います。レベルアップしたら音が鳴るし、どの敵を直せばどのくらいの経験値がもらえるかもわかっているし、新しく仲間になった魔物よりも自分のほうがレベルが高いこともわかるようになっています。

ここまでわかりやすくは無理かもしれませんが、上司の方には、部下がやっていることが間違っていないのか不安になっているということに気づいてあげてほしいです。「最近よくなってきたね」とか「腕上げたね」とか、簡単な言葉でいいんです。

おだててほしいと言ってるのではなく、出来ることが増えた、少しでも良くなってきている、のであれば、その努力の方向が間違ってないことくらいはきちんと伝えてほしいです。

「まぁ~まだ一人前ではないけど、ちょっとずつわかってきたんじゃない?」

と言われるだけで、心が救われる人はたくさんいるはず。いいんです、まだ一人前でないことくらいわかってるんです。ちょっとでも成長してるのがわかれば、救われるんです。

誉めるのが苦手な上司さん、何卒よろしくお願いします。

まとめ

僕が去年、会社をやめるのをやめたのは、まだやり残したクエストがあることと、そのクエストをクリアすれば竜を与えてくれることを上司が示してくれたからです。魔王に近づく道を示してくれたから。

もしあのとき「君はまだ魔王に勝てないからここで修行しなさい」だけだったら、僕はやめていたと思います。だってレベルが上がってる気もしないし、この仕事をやり続けても魔王に勝てる気がしてないんだから。

僕は今年の4月からチームリーダーと新人の教育担当を任されました。自分なりにきちんとクエストも考えて(参考:社会人1年生はなにも出来ないのか)、出来ることが増えたらどんどん認めて、出来てないことはどんどん指導してます。結果、僕の隣では、毎日レベルアップ音が鳴り響いています。めっちゃ鳴る。うるさい。笑

クエスト設定の考え方は、また別のnoteにまとめようと思います。僕はヴィゴツキーが提唱した"発達の最近接領域"という考え方が好きです。こちらはエヴァンゲリオンを参考にしたいと思います。

そして最後になりましたが、実は今年の4月に転職します。去年はやめるのをやめましたが、その一年で授けてもらった武器と竜で、もっともっと自分のレベルを上げられる世界にいきたいという思いが強くなったからです。

冒頭の「やめたい」って悩んでる彼も、きちんとクエストをこなして、自分の武器を見つけられる日が来ることを祈っています。

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吉岡 茂樹

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