第8章―マイクロセービングで生活を立て直した女性たち

①クラリッセ・ニラポンガさん(35)はマイクロセービングのグループの一つである「INTAMBWE」のメンバーです。彼女は4人の子どもを持つ母親です。彼女は、小学校は卒業しましたが、その後に中等学校に進学する機会を持てず、20歳で結婚しました。INTAMBWEに参加するまでは農業とニットづくりをしていました。グループに参加してから彼女は、マイクロセービングからの資金をもとに、ニットに刺繍をして販売する仕事を始めました。並行して、現地パートナー団体のARTCFのスタッフは、彼女に識字やビジネスの研修を施しています。

 その後彼女は、3頭のヤギと1頭の豚を飼育したり、農地を購入することができました。「私の人生は変わったことを実感します。以前は畑の肥料すら得られないほど貧しかったけど、グループからの支援のおかげです。そして貯蓄のことや和解のことなど様々なことを学ぶこともできています」と彼女は言います。彼女はこれから、自分の子どもたちの将来について思いを描いています。「これからもマイクロセービングのグループに参加していきます。そして農業を近代的なものにし、家畜を殖やし、自分のニットの商売を広げて、子どもたちが将来よりよい生活をできるようにしたいと思います。」――彼女の夢は膨らんでいきます。


②マディナ・ムロンクウェレさん(35)は3人の子どもを持つ母親です。彼女は2014年12月にマイクロセービンググループの一つ「TUZAMURANE」の一員となりました。「はじめ誘われた時は断ろうと思いました。毎週100ルワンダフランを積み立てるのは困難だと思ったからです。でもグループに入れば何らかのサポートがあるだろうとも思い、参加することにしました。何日か経つと、ほかのメンバーが積立金からローンを組んで小規模のビジネスを始めているのを知りました。でも私は返済できるか不安でローンを組もうとは思いませんでした。ある日、ARTCFのスタッフが来て、同じようなビジネスをすすめてくれて、1,500ルワンダフラン(約250円)を借り、ウドゥセケ(ルワンダの伝統的な籠)を作る材料を買いました。私はウドゥセケを2つ作り、7,000ルワンダフランで売ることができました。利息を含めてローンの返済も終え、毎週の積立金も1口から4口まで増やすことができました。これらきっかけで、村のウドゥセケ作りをする女性たちの組合にも参加するようになりました。私はさらに材料を買い足し、7つのウドゥセケを作り、24,500ルワンダフラン(約4,000円)で売りました。この収益で私は豚を3頭とトタン屋根を2枚買いました。私はこのビジネスを続け、鶏を7羽と携帯電話を購入しました。」その後マディナは豚2頭と鶏6羽を売り、そのお金で家のドアを2枚と窓のガラス、そして夫の分の携帯電話も買いました。


③ジュディス・ニランタラマさん(51)は7人の子どもをもつ女性です。2002年に彼女の夫は亡くなり、彼女が一人で子どもたちを養うこととなりました。しかし貧困と飢えにより5人の子どもはルワンダ語の「マイボボ」、いわゆるストリートチルドレンになりました。ジュディスもまた村の市場で物乞いをするようになりました。しかしながら2014年11月に彼女は村人たちから、村のマイクロセービンググループの一つ「TWITEZIMBERE」のメンバーに選んでもらいました。彼女はその後、グループの一員となって毎週の積立金を払うようになりました。それだけでなく彼女はグループの積立金からローンを組んで3000ルワンダフラン(約500円!)を借り、トマトや小魚を売る商売を始め、その後、バナナや他の野菜も売り始めました。彼女の商売は順調に進み、ストリートチルドレンになった5人の子どもたちも家に帰り、彼女は家族のために食べ物や服などを得られるようになりました。さらに彼女はウサギ、羊、ラジオを買うことができ、彼女と7人の子どもたちのための健康保険料も支払えるまでになりました。


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